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いつかお嬢様になりたい系ダンジョン配信者が本物のお嬢様になるまで【コミカライズ2巻 2026/04/28発売!】  作者: 鬼影スパナ


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コラボのお誘い


 その日、BCDにログインしたカロナに、セバスが話しかけた。


「え、コラボのお誘いですの?」

「はい。ダンジョンブレイバーのヤマト様から手紙が届いておりました。ご確認くださいお嬢様」


 セバスから封蝋の外れた紙の封筒――実際には電子データで、ただの開封済みメールだ――を差し出され、受け取るとその文面がウィンドウに表示された。



|===============================|

 Subject:コラボ配信のお誘い


 拝啓、竜胆寺カロナ嬢。


 ダンジョンブレイバーのヤマトです。

 『赤の洞窟』では大変お世話になり、あれから楽しくカロナ嬢の配信を

 拝見しております。


 早速の要件ですが、今度コラボ配信をしませんか?

 先日の切り抜き視聴配信を拝見しまして、カロナ嬢のスライムを使った

 遠距離攻撃手段に見惚れました。是非伝授していただきたく存じます。


 授業料として、該当配信・動画収益の9割をカロナ嬢に渡す所存です。


 よければ打ち合わせをしたいので連絡ください。

 返信お待ちしています。


|===============================|



 それは、至極真っ当なコラボのお誘いだった。

 ダンジョンブレイバーのヤマトは、カロナが唯一活躍できたマルチダンジョン『赤の洞窟』で、ボス部屋でちらっとすれ違った戦士だ。


「……これ本物ですの? あの方、もっと砕けた口調ではございませんでした?」

「送り元からして間違いなく本人ですよ」

「実はこの喋り方が素ということかしら?」


 カロナもお嬢様ロールプレイはしているが、中の人こと沙耶は普通の一般人。日常ではお嬢様口調で喋らない。

 カロナならメールでもお嬢様ロールは崩さないところだが……


「お嬢様。親しい交流があれば別ですが、物を頼む時は最初から砕けた口調では話しかけないものですぞ。これは社会人マナーというやつです」

「あら、そういうものなの?」

「ヤマト様は兼業B-Casterという話ですしな。なかなか礼儀正しい男です。爺は気に入りましたぞ? メールも要件や目的が分かりやすく読みやすい」


 宛先の名前、自分の名前、簡単な挨拶。からの要件、要件の背景。そして報酬、締め。と、清流のようなビジネスメール。

 適度な文字数で揃えた改行も、メールの読みやすさを上げるさりげないテクニックだ。


 それに、ヤマト達ダンジョンブレイバーのチャンネル登録者数はカロナの3倍以上、3500人を超えている。いわば格上の存在だ。

 それが、丁寧にお願いする形で、しかもコラボ配信・動画の収益もほとんどカロナに渡すと書いてあるではないか。


「セバスから見ても、良い話だということかしら?」

「まぁ、悪くはないかと。チャンネルの動画や配信も正統派ファンタジーな冒険動画という感じでした。詐欺ということもないでしょう」


 デキる執事は既にダンジョンブレイバーの身元調査ならぬチャンネル調査を済ませていたらしい。


 であれば、あとはカロナの気持ち次第ということだ。


 ……正直、ちらっと話しただけの相手とコラボというのもちょっと怖い。


 だが! そもそもカロナはこういう出会いを求めてマルチダンジョン『赤の洞窟』に潜ったのである。であれば、これは願ったり叶ったりというもの!

 ……結局あれから全然マルチダンジョンには潜っていなかったが!


「分かりました。この話、受けますわ!」

「かしこまりましたお嬢様。それでは返信を(したた)めますか?」

「ええ、早速書いてしまいましょう」


 と、メールの返信を書き始めるカロナだったが、ふいに手が止まる。


「……セバス、失礼のないメールの書き方教えてくださる? たぶんですけれど、ビジネスメールで絵文字や顔文字はマズいですわよね?」

「ほっほっほ! お嬢様もそういうことを気にされるお年頃になったのですな。もちろん、お教えいたしますとも」


 こうして、カロナはダンジョンブレイバーからのコラボ配信を承諾するメールを書いた。

 ……セバスの『爺や』ロールに内心「うへへ、爺や最高だぜですわ」となっていたのは、バレバレだが秘密だ。


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