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いつかお嬢様になりたい系ダンジョン配信者が本物のお嬢様になるまで【コミカライズ2巻 2026/04/28発売!】  作者: 鬼影スパナ


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24/74

やってみたかった


 AI秘書が発売されて、翌日。


「こんカロナ~! いつかお嬢様になりたい系B-Caster、竜胆寺(りんどうじ)カロナですわー」


 いつものように配信開始。そして今までと違い、その後ろに執事と猫耳メイドが控えていた。


「今日はダンジョンの探索をしていこうと思いますわ。セバス。本日のおすすめダンジョンを」

「はいお嬢様。こちらのダンジョンなどいかがでしょうか?」


 と、AI執事、セバスチャンがいままでのカロナの実績から算出された2つのダンジョンを提示する。

 片方は、カロナであれば攻略は難しくなさそうなダンジョン。そしてもう片方は、若干挑戦的な難易度のダンジョンだ。


 カロナは5秒ほど考えて、簡単な方に決めた。


「では、今日は試しということでこちらの簡単な方のダンジョンにしましょうかしら。コクヨウ」

「はい。こちらを」


 名前を呼ばれたコクヨウは、ぴくんと尻尾を震わせつつ、カロナへメイン武装であるミスリル日傘を差し出す。それを手に取り、カロナは優雅にダンジョンに向かった――



「――と、こういうダンジョン攻略を!! やってみたかったのですわぁ!!!」


 ダンジョンに入った時点でカロナが耐え切れずに悶えた。


”あっ、俺達のお嬢だw”

”今までになく優雅だったのに! 返せ! お嬢様を返せ!w”

”よくここまで堪えた! 感動した!!ww”


「はぁ、はぁ……もう、もう、超エレガントぉ……最高ぉ……」


 興奮を抑えつつ、スライムを傘でしばく。セバスおすすめの低難易度ダンジョンということもありにやけた口元を片手で隠しつつも攻略できそうだ。


”今日は似たようにメイドさんに悶える配信者を多くみたわ。一晩経って改めてうぉぉって感じに”

”俺もメイドさんに傅かれてぇよぉ……やるかな、BCD”

”イケメン執事に手を出さない自信がないんだけど、どうしたら……?”


「あ、AI秘書にはセクハラ厳禁ですわよ。度の過ぎる扱いをするとBCD運営に秘書を回収されてしまいますの。内容が酷いと再購入も不可になりますわ」


”既に何人か、エッチなメイドさん作った報告してた人の嘆きをSNSで見た”

”普通の雇用と同様と考えて良いみたいですわね”

”えっ、そうなんだ? コクヨウさんは大丈夫?”


「コクヨウについては……いろんな意味でドキドキですわね!」


 うっかり「私を愛してッ!」が音声入力されていたらしく、コクヨウはカロナの事を愛している設定が採用されている。これが親愛や友愛であれば良いのだが、恋愛や性愛に発展すると多分アウトだ。


”そういやお嬢、昨日ちゃんとログアウトした? 現実を忘れて倒れたヤツもいるらしい”

”漏らす程にメイドさんとイチャイチャしてたりだな”

”お風呂入った?”


「げんじつ?……何の事かしら」


”トイレ漏らす奴だコレ”

”お嬢、水は飲まないと死ぬぞ!?”


「じょ、冗談ですわよ! 昨日あのあとちゃんとログアウトしましたわ! その後またインしましたけど、配信前にも軽く食パン食べておトイレも済ませてますわよ!?」


”ホッ。それはよかった……で、睡眠と風呂は?”

”おや? お嬢から香ばしいニオイが……”

”まぁ中世ヨーロッパでは風呂入らなくて香水で誤魔化してたって話もあるしな”


「シャワーは浴びましたわ! その後コクヨウに髪をドライヤーで乾かしてもらったり……」


”はいダウト”

”お嬢、悲しいけどVRで髪を乾かしてもリアルでは濡れたままだぞ”

[黒曜]:”お嬢様、雑談もよろしいですがダンジョンの攻略を。スライム接近中です”


「おおっと! コクヨウ、ありがとうですわ! どっせーい!!」


[@tam323]:”【100¥】”土星助かる”

”土星助かる”

”土星助かる”


 コメントにコクヨウのアドバイスがあったので接近していたスライムに気付き、スライムの核を傘で打ち払った。


「ひゃあ! たまみにーさんいつもスパチャポーションありがとうですわー! ストックに入れときますわね!……ところでいつもスパチャしてくださってますけど、読み合ってまして?」


 ついでに古参の常連さんが土星スパチャしてくれたのでお礼を言いつつ、カロナはダンジョン攻略に戻った。


 無事攻略でき、収益としては+1500円であった。



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