表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつかお嬢様になりたい系ダンジョン配信者が本物のお嬢様になるまで【コミカライズ2巻 2026/04/28発売!】  作者: 鬼影スパナ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/63

ダンジョン:『謎解き暗黒館』


 玄関ホールに入ると、重厚な扉が音を立てて閉まり、周囲は薄暗く、足元には古びた敷居が広がっていた。腐って穴の開いた床板の底は暗くてよく見えない。所々、赤黒い粘液が床に散らばっていた。


「な、謎解きダンジョンなのに、何でホラーなんですのよぅ……ッ」


”むしろ洋館でゴシックな感じはお嬢に似合いそうなんだけど”

”絵面だけならまさしくお嬢の家といっても過言ではない。ボロいとこ含めて”

”あれ、お嬢ってオバケ怖いの?”


「ち、ちがうのですわ! セレブに、セレブなお嬢様だと、このようなボロボロなお屋敷はちょっと没落を連想して震えてくるとかそういう感じですわ!」


”心霊現象ってデブリが原因って聞いたことある。つまりダンジョンはオバケ”

”まぁ出てくるとしてもモンスターのゴーストだから倒せるよ”


「! それなら大丈夫ですわね!!」


 と、カロナはぱぁっと笑顔になった。倒せるのであれば脅威ではない。


”大丈夫、なのか?? お嬢の基準が分からん”

”やっぱりオバケが怖いんじゃないか”

”普通にこういうボロ屋敷に住んでる説あるな?”


「ともあれ、謎解きなのですわ! 家探ししていきますわよー!」


 先ほどまでのオドオドした足運びが一転、ずんずんと探索を進めていく。


 各部屋には古びた家具や欠けた鏡、ひび割れた絵画があり、一部の部屋には錆びついた鉄格子や封印された扉を見つけることができた。

 そして実際途中でゾンビが出てきたが……


「どっせーーーーーい☆」

「グべラッ」


 カロナの傘で頭を殴打されて対処。ヘッドショット(傘ゴルフ)である。


”土星いただきましたー”

”土ッ星助かる”

”土星はサターン。つまりカロナ嬢はサタン。魔王の卵だったんだよ!”


「オホホホ、わたくし正義のお嬢様ですことよー?」


 そしてゾンビを片付けた部屋の中で、キラリと光る鍵を見つけた。

 アイテム名がポップアップで表示される。『悠久の鍵』というらしい。


「えっと……ゆうすけ……? 誰ですの? ゆうすけさんの部屋のみたい鍵ですわね?」


”ゆうきゅう”

”ゆうきゅう”

”人名じゃないですわよお嬢w 介じゃなくて久でございますわw”

”ゆうすけwww 悠久は「ゆうきゅう」だよ、お嬢w”


「ゆきゅっ……ち、違いますわよっ! 別に読めなかったわけじゃなくてっ! わざとですわーー!? わかってました、わかってたのですわよ!?」


[じょあ坊]:”【1000¥】漢字ドリル代です、お勉強してどうぞ”


「買えって!? まって!? お優雅なお嬢様なのですから、漢字くらい読めるのです、たまたまド忘れしていただけでしてぇ!! ほ、ほら! 悠の方はよめてたのですわよ!? 久が読めないわけないじゃないですの、ほほほ、ほ……ってゾンビ邪魔ですわねぇ!?」


 八つ当たりも兼ねてカロナは後ろに迫っていたゾンビをバシバシとしばいていく。ゾンビが消滅すると、三角のエンブレムを落とした。ポップアップで表示されたアイテム名は『常闇のエンブレム』


「あら、これは。……なるほど、ゲーム的なお約束ですわね? エンブレムといえば、どこかにハメるくぼみとかがあるはずですわ!」


”お嬢、アイテム名読んでいいのよ?”

”ちゃんと読めまして?”

”漢字のお時間ですわー!”


「よ、読めますわよ! (ごにょごにょ)……やみ! ですわよね!?」


”え、ごめん聞こえなかった”

”何闇だって?”

”ヒント:常を使った熟語『常識』”


「……! じょうやみ! じょうやみですわー!! オホホ、どうですの。ちゃんと読めましてよ!!」


”引っかかったwww”

”とこやみ、って読むんだよお嬢”

”ホラーダンジョン配信で漢字の勉強をするお嬢様”


「これでとこやみって読むんですの!? ぐ、ぐぬぬぅ! よくも騙した! 騙してくれましたわねぇーー!?」


 すっかりホラーな雰囲気が吹っ飛び、カロナはぷんすこと怒りながらダンジョンの攻略に戻る。エンブレムを集め、くぼみにはめ込み、時に石像を押して動かし、剣と盾を像に持たせて……


「……ふー、結構面白いですわね! でもリアルでこんな仕掛けだらけの家住みたくないですわ」


”それはそう”

”自分の部屋に入るために毎回エンブレム集めなきゃいけないお屋敷”

”漢字じゃないパズルは結構サクサク解けるの賢くて草”


 そしていよいよ、ラスボスの待つ屋敷の地下へと足を踏み入れるカロナ。


「あら、鍵がかかってますわ。……そうか、ここで悠久の鍵を使うんですのね!」


”ゆうすけの鍵!”

”ゆうすけやっと出番か”

”ラスボス=ゆうすけ”


「悠久ですわよぅ!! もー、開けますわよ!?」


 と、扉を開けた先。石煉瓦の部屋の中には、一体のリッチが居た。そしてリッチは口を開く。


「……我はこの館の主。仕事のし過ぎで過労死し、それでも尚働かせようとアンデッドにされた……貴様は、復讐を果たして引き籠った我を引きずり出そうとするのか! おのれ月曜日の使者!!」

「なにその経歴!? ホラー要素がどっか飛んでってますわよ!?」


”悠久やなくて有給の鍵やったんか”

”なるほど……引き籠るためにあんな面倒なギミックを。納得した”

”暗黒館ってブラック館ってことかよ……これは名作!”


「物悲しいーーー!! 私があの世へ送るしか……悠久のロングバケーションをプレゼントですわーーーッ!!」


 尚、ボスは見た目重視で選んだだけということで非常に弱かったため、無事カロナは『謎解き暗黒館』をクリアすることができた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ