タイトル未定2026/01/04 19:12
よく晴れた日曜日。
マンションのインターホンが鳴り、大門は勢いよくドアを開けた。
「流花お姉ちゃん!」
「こんにちは、大門君」
「こんにちは!」
「ちょっと見ない内に、背が伸びたね」
驚く流花を、大門は急き立てた。
「流花お姉ちゃん、早く早く!」
大門に急かされた流花は、慌ててスニーカーを脱いで、大門の後を追った。
リビングでは、マスターが出かける支度をしていた。
「マスターこんにちは」
流花の声で、マスターは顔を上げた。
「マンションの近くのケーキ屋さんで、ケーキを買ってきました」
「わざわざすみません」
「ケーキ!」
早速、大門が飛びついた。
白い箱の中には、色とりどりのケーキが入っていた。
「食後のデザートに、頂きましょう。大門、冷蔵庫の中に入れてきてください」
「はぁい」
大門は、そっと箱を持つとゆっくりゆっくり歩き出した。
そんな大門を見届けたマスターが、流花に言った。
「忙しいのに、誘ってしまってすみません」
「大丈夫です。課題をやるだけですから」
入学式の時肩に下げていた同じ、大きなバックを流花は持っていた。
マスターは、流花に聞いた。
「お昼ご飯を、大門と作ります。何が良いですか?」
「えぇ~なんだろ。ん〜和食かな」
「和食ですか」
「簡単なので、良いです」
「それでは、腕の見せどころがありません」
「マスター、自信があるんですね」
マスターと流花は顔を見合わせて笑った。
「ケーキ、冷蔵庫に入れたよ」
キッチンから、大門が戻ってきた。
「ありがとうございます。大門、出かけますよ」
マスターと大門は廊下に出た。
流花も、それについて行った。
玄関で靴を履いたマスターと大門は流花の方を振り返った。
「では、行って来ます。課題頑張ってください」
「行ってらっしゃい」
流花は、手を振った。
閉じたドアの向こうから、マスターと大門の話し声が聞こえた。
「大門。今日は、和食を作りますよ」
「和食〜?和食って、何?」
「和食は…………和食です」
マスターと大門の会話を聞いていた流花は、笑ってしまった。
リビングに戻った流花は、バックから課題を作る道具を、テーブルの上に出した。




