タイトル未定2026/01/04 19:08
講義を終えた若菜は、グループになって、記録の書き方やこれからやるべきことを話し合っていた。
少し休憩をしようということになり、穏やかな雰囲気になった。
若菜は、何気に携帯を見ると思わず叫んでしまった。
「なにこれ!」
「どうしたの?」
若葉の隣に座っていた女性が、驚いて声をかけた。
「ううん。なんでもない」
若菜は慌てて立ち上がり、廊下に出た。
誰もいない廊下の壁側に立ち、もう一度携帯を眺めた。
画面には「非通知」の文字が十件入っていた。
気味悪い!
若菜は我知らずに、赤井のラインを開いた。
そこで我に返った。
今更、なんて言うの?
きっと赤井は、冷たく突き放した言葉しか送らないだろう。
「今更何?だから、どうしろって?」
返事をもらえるなら、まだ良い方だ。
未読のまま、終わりそうだ。
携帯を手に、若菜は教室に戻った。
グループ講義は思いのほか時間がかかり、終わったあとはすでに真っ暗だった。
親睦を深める為に、これから食事に行こうと言うことになった。
繁華街に出て、ファミレスに入りそこで二時間過ごした。
同じ保育士を目指している生徒たちだけあって、話題は絶えなかった。
ファミレスを出ると、繁華街はすっかり夜の街になっていた。
この後も引き続き、どこかの店に行こうと盛り上がっていたが、若菜は辞退した。
若菜は夜の繁華街を歩き、家路へ急いだ。
後、もう少しで家に着くと安心した矢先、背後からずっと見られている視線を若菜は感じた。
まただ!もう、なんなのよ!
若菜は歩調を早め、家が近づく頃には走っていた。
やっと若菜は、家にたどり着いた。
「お帰り〜」
キッチンから母親の声が聞こえ、安心した若菜は大きく息をついた。
「夕飯は?」
「食べてきた」
言いながら若菜は、自分の部屋に行った。
部屋に入った若菜は、持っていたバックから講義で使った物を出していた。
テーブルの上に置いた携帯の着信音が鳴り、若菜は携帯を取ろうとした。
携帯の画面には「非通知」の文字。
その文字を見た若菜は短い声を上げ、思わず後ずさった。
携帯はサンコールで、すぐ切れた。
しかしまた鳴り出し、すぐ切れるを繰り返した。
その間若菜は、カーペットに座り込み、両耳を塞いでいた。
やがて、携帯は静かになった。
若菜は携帯を掴むと、設定のアイコンを出して、「非通知拒否」にした。
これで、非通知の通話はかかってこないが、若菜の中に不安は消えなかった。




