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短編

「めんどくさい」

作者: ネコミケ


課題、宿題、レポート、仕事……



料理に洗濯に食器洗い。



人生は大なり小なり、"面倒" で溢れている。



なんで "やらなきゃいけない"?



やらなきゃ人生が壊れて、より「面倒」になるからだ。



なんで "面倒" だと感じる?



やらなきゃいけないからだ。



例えば、私は将来、確実に古文なんて使わない。



でも、やらなきゃいけない。やらなきゃ学校を卒業できなくて、人生が壊れる。



別に、私は偏差値50ギリギリあるかどうかくらいのありふれた学生だ。高学歴に固執しているわけでもない。



まあ確かに、この大学へ進むという既定路線(じんせい)から逸れたとて、成功している人はたくさんいる。



…で?



それ以外の人がみんな失敗したわけでもないはずだが、既定路線から逸れた人生の失敗確率は高いだろう。



危うい。怖い。



…でも、めんどくさいんだよなー。



どんなことも、一回始めてしまえば、あとは楽だって?



つまらない綺麗事だ。



それができるなら、そいつは天才なんだよ。



もしくは、人生をすべり台か何かだと勘違いしているに違いない。





…まあいいや。



一周回って、考えること自体面倒になってきた。



百歩譲って、その考え方を受け入れてみるとしよう。



とっとと終わらせてしまうことさえできれば、いままで「猶予」だった時間が「余裕」に逆転する。



…結構、いいこと言えたんじゃない?



これは、毎日の寝つきに直結する。



明日テストか……とか、課題明後日までか……とか考えながらベッドに横たわる夜は長い。



終わらせてしまいさえすれば、まぶたが閉じるのを妨げる者は何もない。



それに、確かにやり始めてみたら意外と楽な作業だってある。



今の宿題を眺めていると、小学生の頃に音読の宿題をサボろうとしていたことが馬鹿らしくなってくる。



学校という名の悪の組織がじわじわと "面倒" のハードルを上げて、私たちに慣れという名の誤認をさせていると悪く捉えることもできる。



でも、その "慣れ" の状態にさえ到達できれば、簡単に "面倒" を乗り越えることができるだろう。





……



………



…………いや、無理。



無理なものは無理だ。



面倒という事実には変わりない。



あー……。



ついでに、なんか課題を早く提出した人が偉いみたいな風潮も気に食わない。



いつ出そうが変わらないだろう。



さっき私が百歩譲った代わりに、期限ぎりぎりに出すことを許してくれ。





いや、出してるだけでも偉いだろ!許すってなんだ!



…言い出したのは私か。



でも、「結構ギリギリでしたね(笑)」とか言ってくるようなヤツのために地獄は用意されている。







…もうこんな時間か。



まあ、面倒だと思うのは、やり始めてからでも遅くないかもしれない。









あー、本当にめんどくさい。



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