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・8・到着

 ザァーーン・・・・

海の音が聞こえた。二日間徹夜であるき続けた頭に響いたその音は、嫌味なくらいに鮮明な景色を運んできた。丘の上に立って遠くを眺めると、たしかに五年前、家族で遊んだ砂浜が見えた。

「ついた・・・・・ポーツマスだ・・・」

見覚えのある緑色の海と白い石灰岩の崖。間違いなく僕のふるさと、ポーツマスだ。


 ここだけは変わっていない。それだけで、心が落ち着くんだから不思議だ。

ワニの怪物と戦ってから、6日間歩き続け、ようやくポーツマスにたどり着いた。途中で何匹かの怪獣に襲われた。けれど、どの怪獣も気づいたら身体に大穴を開けて死んでいた。多分ワニのときの光が絡んでるんだろうけど、それについて思い出そうとすると、頭の奥に靄がかかって、脳を針で刺されてるような気分になる。考えるな、てことなんだと思う。多分。。別に変な副作用があったり、代償を払ってるわけでもない。能力自体は便利なものだから、そんなに深く考えなくてもいい、はず。


 桟橋に近づいても、人はやっぱり居なかった。落胆はしてない。大体、ここまで歩いてきて、人間は一人も居なかった。ここで会ったら、むしろ気味が悪い。もちろん使えそうな船もない。使える船が残ってたとしても、動かせるわけないけれど。


 さて、なにをしよう。このまますぐ移動しても良いけれど、他に行く宛がない。思い出せ。ゾンビ映画の主人公達はこんな時何してた?自分でも随分と怪しいものを参考にしてると思う。けど教材がそれしかない。思い出せ。確かみんな物資集めをしてたはず。なら、それに習うべきだ。


 ギィーーーーー


いかにもな音を立てて倉庫の扉が開いた。意外と倉庫の鍵はだいたいしまっていて、ここ以外空いていなかった。管理者が居なくなって荒れ放題かと持ったけれど、よく考えたら管理者が居なくなったのはここ数ヶ月の話だ。そんなに荒れているわけもなかった。


 使えるものがあれば何でも良い。服でも、食べ物でも、電子機器でも。奥に積み上がっている木箱を片っ端から漁って見よう。1つ目の木箱は、宝石がぎっしり詰まっていた。もう宝石なんてそこらの石と同じ価値しかない。これは外れ。2つ目の木箱の中身は大量の銃弾、3つ目は銃。これは当たりの部類だ。ようやく武器らしい武器が手に入った。4つ目、5つ目、6つ目は全部木材。大外れだ。7箱目は電子機器。喜びかけて、電力がないことに気がつく。これも外れ。八個目は大量の服。センスも割といいし、普段着から戦闘服まで、色々入ってる。あと大容量のリュックも。最高だ。しかも次は携行食の山。あと一ヶ月は生存できる。まさに天からの恵み。神に感謝を。


 さて、どこに行こう。当面の目標は、風呂に日常的に入れる文明レベルの集団を見つけることだ。

だけど、そんな連中どこにいるんだ?前はそういう最先端の連中は、ロンドンとかマンチェスターにいた。けど今は都会にそんな価値はない。どこにいるか全くわからない。だったら一人で迂闊に動くのは危険だ。地上は怪獣で溢れてる。あと、ここなら誰か知り合いに会えるかもしれない。もう少しここにいよう。一週間、一週間だけ、ここにいよう、それでも会えなければ、あきらめて、北に行こう。あと一週間だ。


 


 

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