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・2・目覚め

 目を開けると、真っ白い空が見えた。いつもの曇り空じゃない。真っ白な、雪みたいな空だ。

確か、三人組の男に飛びかかっていって、吹き飛ばされたはずだ。

てことは僕は死んだのか?いや、周りの景色は変わってない。痛みもある。死んだわけじゃなさそうだ。


妹は?結構大きい衝撃を食らったはずだ。死んでいるかもしれない。死体が残っていれば良いほうか。

折ったはずの足は?

問題なく動く。手も無事だ。

立ち上がって見よう。

問題ない。


見回すと、辺りには誰もいない。

少し離れているのかと思った妹も居ない。

すこし残念だ。視界が赤くなっていた。

あれ、なんでだ?

頭を触ると、ねちょっとした感覚がある。

前頭部から血が出ているみたいだ。そのへんに転がってる死体から取った布で止血する。早めにちゃんと手当しないと化膿するかもしれない。


さてどこに行こうか。

動いたほうがまだ生き残れるだろうけど、行く宛がない。

ハイド・パークにいけば炊き出しでもしているかもしれない。ポーツマスに行けば多分船がある。運が良ければ安全な地域に脱出できるかもしれない。

で、どうしようか。炊き出しに行っても食料はすぐに無くなるだろう。ポーツマスなら生まれた場所だから土地勘もある。よし、ポーツマスに行こう。その前に家に寄ってなにか使えるものがないか見ていこう。其処らへんの家を漁らないのは、せめてもの良心だ。終末世界みたいな状況でも泥棒にはなりたくない。地獄は怖い。


2時間くらい歩いて、ようやく家が見えてきた。シェルターに行ったときは車だったからすぐだったけれど、かなり遠かったらしい。何万回と通った庭の小道を通ってドアを開ける。階段を登ろうとして、頭の傷に処置らしい処置をしていなかったことに気がついた。台所にある救急箱を開けて、消毒し、清潔な放置をつける。

少し休みたくて、ソファーに寝転んだ。段々と音が遠くなっていく感覚に襲われて、視界が真っ暗になった。



鳥の鳴き声で目が冷めた。太陽が見えなくなったので時間がわからないけれど、かなり寝ていたと思う。

いや、寝ていたと言うより気絶かもしれない。とりあえずかなり時間をかなり無駄にしてしまった。すぐに出なくてはいけない。階段を登って自分の部屋に入る。


クローゼットの中にボストンバッグがあったはず・・・。そう思ってクローゼットに体を向ける。


ガタッ・・・・・


 いま音がした。ありえない。この家には僕しかいないはずなのに。物音がするはずない。誰かが侵入している。のどがキュッと閉まるような感覚で、声が出ない。舌が上顎に張り付く。じぶの心臓の音がやけに大きく聞こえる。いま後ろから触れられたら心臓発作を起こす自信がある。そのままジリジリと動けないでいると、声が聞こえた。


「イアン?帰ってきたの?」




二話でいきなり新キャラの予感。今回早いなぁ。

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