ウルトラブルー
一面はただの深い青で視界が埋まっていた。与謝野はこの青い世界に囚われ数日が経過しようとしている。その間、お腹が空くこともなく、眠る気も起きず、ただボンヤリとした意識の中、与謝野は青い世界を漂っていた。時間と空間の隙間のような世界。与謝野はここは次元の間なのではないかと考えた。与謝野は歩き出した。深い青がどこまでも続き、与謝野を追いかけ追い越し馴染んでいく。不思議と恐怖はなく、今の与謝野にあるのは興味本意の好奇心だけだった。
突き進めど、突き進めど、あるのは青い世界だけ。与謝野はあきらめ、その場で身を投げ出すように仰向けに倒れた。青い世界が流れ、ある時は渦を巻き、ある時は溶けるように深い青が広がり、またある時は青が更に深い青に飲み込まれていく。その光景は不思議と飽きが来ず、何時迄も眺めていられるものだった。与謝野は、ただじっと青に身を任せることにした。思考が溶けていき自分が小さくなっていく。いつしか与謝野は居なくなっていた。青い世界はどこまでも広がっていく。