書きたいシーンとシーンを結ぶ
そもそも、『書きたいモノ』があって書き始めている訳です。
では『書きたいモノ』以外の内容を考えていきましょう。これが大変だと。私も無理、書きかけの作品が2つもある。書きたいシーンはあれども、そのシーンとシーンを繋げないとならなくって、さらに不自然にならないように繋がなくっちゃならない。これが如何に大変かと。
ではこれをどうするかです。これも答えは一緒です。メモを書きましょう。ただし今度は『書きたいモノ』の具体性を持たせるためではなく、これから『書くべきモノ』を具体的にするためにです。
学園恋愛モノを書きたい。
主人公がヒロインに告白するシーンを書きたい、そりゃ山場なので書きたいですね。あと初対面のシーンも書きたい、そりゃ出会わないと始まりません。
という訳でシーンが2つできました。後はこれを結べば、はい、完成。……そうはいきません。間を結ぶのが大変なんです。
・出会う
・???
・告白
さて間をどうしましょう。とはいえここまで何も決まっていない作品に対して大枠ができている、なんていう人はいないでしょう、いないよね?
そう言いつつ、自分で書いてる作品が何も決まっていなかったことに気付いて驚いています。イベントが書きたかったのではなく、キャラクターを書きたかったんですね。改めて考えて勝手に納得しました。この話も後でします(キャラクターから書く・ストーリーから書く)。
はい、話を戻します。告白するまでには仲良くなる過程が必要ですので埋めてあげましょう。
・出会う
・仲良くなる
・告白
何も変わった気がしません。でもつっこみどころが増えましたね。どう仲良くなるんだよと。そうです、書くべきモノが決まりました。どう仲良くなったかです。一歩進みました。
仲良くなるイベントが必要です。このイベントを考えればいいんですね。
・不良を注意し続けたら段々仲が良くなった
・席がたまたま隣になってそれがきっかけで仲良くなった
・実はお互いに一目惚れで二人ともお近づきになりたかった
・襲われているところを助けたられたら好きになった
こんな感じで肉付けしましょう。ここがオリジナリティを生み出している場所です。ここにも『書きたいモノ』を埋め込んであげます。シーンを並べて見比べてあげるだけでも意外と間は埋められます。これで解決です。
……とはなりません。それができれば困らない。『書きたいモノ』が無くなったから困ってるんだよ、という話でした。間に入れる出来事がワンパターンになって面白みがない、間に入れる出来事が思いつかない。困りました、どうしましょう。
(1)間を書かない
簡単な方法として、夜を挟んだ例を考えましょう。夜に寝ますね。そしたら当然のように朝は起きます。この間に何が起こったかなんてわざわざ書く必要はありません。ですので、間を全く書かなくても不自然にならない場合というのがあります。あえて全く書かないというのもありかもしれません。これが適用できないか考えてみましょう。
とは言え、先ほどのメモに対して『間を書かない』を適用してしまうと、出会って、仲良くなって、告白。なんの面白みもありません。確かに話として成立しますが、いくらなんでもひどい。の世に存在する恋愛モノなんて究極的に言えばこれに尽きるかもしれませんが、いくらなんでもここまで単調じゃありません。もう少し考えてみます。
(2)普段の様子を書く
日常パートというのもいいです。買い物に行ったり、授業中の様子だったり、たまたま昇降口で会ったり。
また、普段の様子を書いて上げることで、キャラクターの解像度があがります。このキャラクターはこんなこと言いいそうだな、しそうだな。こうして肉付けしていくことでストーリーもできていきます。
シーンを繋ぐストーリーができてもその細部の文字起こしが大変です。そしたらまたメモの出番です。そこで伝えるべき情報はなんですか? どんな会話がほしいですか? メモしていけばそのうち本文の素は出来上がります。無責任ですが、形あるもの(メモ)を見ると、何も無いよりも考えやすくなります。簡単な疑問でもいいので書いて上げましょう。ブレインストーミングというやつです。
書き出してあげることで、付け足した肉、つまり内容に対してまた疑問を持てます。またそれについて考えてあげましょう。
(3)頑張って考える
力技です。これができなくて困っているのですが。頑張り方を後ろの方に書いておきます(キャラクター・物語から書く)。
(4)間を作るのではなく、今ある要素を大きくする
この方法は上手く説明できている気がしませんが、なんとなくぼんやりとした解決策であることに違いはないので一応残しておきます。
仲良くなるイベントの延長線上に告白のイベントが来ています。ということは、仲良くなるイベントの内容をマシマシにしていけば告白まで持っていけます。この例だとわかりにくいので、別の例を考えます。
VRゲームの世界に囚われてしまう作品を考えましょう。
・囚われる
・ダンジョン攻略していく
・ラスボを倒す
というステップに分割できました。ダンジョンを攻略していくと、必然的にラスボスを倒すことができます。わざわざ新しく間を考えるのではなく、既にある要素を太らせてあげる、という手法でもシーンとシーンをつなぐことができました。点と点をつないで線にするのではなく、点をそのまま線にしてしまう訳です。これに対して一個前の手法というのは、点を大量に打ってあげて線にする手法になるわけです。
VRゲームの例も分かりにくいですね。だからうまく説明できている気がしないと言ったのです。2年後に書き直すときにはうまく説明できることを祈ってこのくらいにしておきましょう。
(5)短編にしてしまう
最後に、そのままぶつ切りにしてしまう手法があります。つまり書きたいシーンだけの短編にしてしまう訳です。少し方向が違いますがこれは、書きやすさという観点からありだと思います。短編であればシーンのつながりはさほど重要ではありません。自分が書きたいことだけを書ける美味しい手法です。
間を考える作業は地道な作業になるでしょうが、その分、作品が完成したときの喜びも大きなものになります。頑張って乗り越えましょう。
結論
・シーンの間に必要な要素を考える(できれば苦労しない)
・一つのシーンを膨らませて、次のシーンへつなげる
・短編にしてしまう