書きたいことを具体的に:脱線編
1)もっとしっかり情報を得ろ、という意味でのメモを取れという事もあります。これに対して、私がやっている事と言えば、
・絵を描くときには画像検索
・小説を書く時には、これから書く出来事にどんな周辺情報があるかを調べる
・今から使おうとしている語句の意味を調べる
くらいです。もっとしっかり調べることができれば世界観の補強はできるのでしょう。世界のリアリティ、深さが増すはずですが、飽きるから本気では調べません。書いている物語の補強をしたくなったら調べればいいと思います。
小説を書くことに慣れれば自ずと調べる様になるはずです。良質な世界を描くためには、良質な知識は必須だと思っています。
2)3つのメモ、
・角がある
・皮膚は灰色
・大きい
これはサイをイメージしながら書きました。この特徴だけなら全く別の生き物も生み出せますね。そのまま全く別物に派生させてもいいですし、このままサイにしてもかまいません。ただ、どちらの場合でもしっかり描写を増やしてあげたほうがいいです。
ついでに作者の文章力も把握できた方がいいと思うので書いてみます。
例1)
檻の隅にはぐったりとしたサイが横たわっていた。体は痩せこけており、逞しいはずの体には覇気を感じられない。餌箱の中には腐って液状になった野菜や果物が詰まっている。一体いつから倒れているのだろうか。(100字程度)
例2)
遠くから地響きが聞こえてくる。嫌な予感がした俺はゆっくりと振り返る。青く晴れ渡っている空の中に、一本だけ長く伸びている灰色の太い線が見える。よく目を凝らして見てみると、それは柱ではなく人だった。額には2本の大きな赤い角が生えている。角からそのまま視線を下すと、巨人と目があってしまう。目があったその瞬間、巨人の口元はニヤリと大きく歪んだ。(170字程度)
書いてみるとやっぱ全然表現力が足りないな、という現実にやられますね。1個目は寂れた動物園、2個目は後ろから迫ってくる巨人をイメージして書いています。振り返って巨人がいて、目があったらニヤリとされたなんてなったらとんでもなく怖いですが、雰囲気が微塵も出せていません。2年後に元気だったらもう一回同じようなことをやろうと思っているので、その時また技術力を上げてリベンジします。
さておき、メモに関しては、例として書こうという気持ちが強すぎたので追加で書いてないです。特に物語性を作ろうともしてませんし、書けなくて詰まったりもしませんしね。むしろサイに関してはサイの情報しか使ってません。なんのための例だったのか……。例2に関してはメモ+鬼くらいです。
小説を書く時にメモを書くのは確かですが、そのメモすべてが小説本文に入るわけではないです。この取捨選択は経験なので沢山書いて沢山削りましょう。まあ、元からいらない要素は書かないのが楽なんですけど。わざわざメモに書いたくらいなので具体性を持たせるために必要な情報に違いありません。
また、サイという一言で灰色・角・大きいという情報を伝えられるので、これらの灰色・角・大きい描写を削ることができますが、鬼という一言で灰色・角・大きいという情報を正確に伝えるのは難しいです。これが描写が必要となる理由です。誰もが共通して抱けるイメージと、自分しか持ってないイメージ、この差を考えて文章を書けるようになると、より深みが生まれると思います。
プロ作家さんを見てると削るのがつらいと嘆いているので、削れるだけ文量を書けるようになったら1ステップ進んだと考えていいでしょう。私は削る作業ができるほど書けていないので、とりあえず肉付けの方を頑張ります。
調べたものは
・サイの餌
・地響きの意味
・『口元 ニヤリ 歪む』
です。3つ目に関しては使用例のヒットはありませんでしたが、文法的な間違いはないと思うのでこのまま採用しています。この調べる癖っていうのは付けておいて損はないので、飽きない範囲で積極的に調べましょう。
一応結論
・伝えたい情報をメモにする
・気になったら調べる