書きたいことを具体的に
当たり前のように『書きたいモノがあるなら』と言いました。今、あなたに『書きたいもの』はありますか? 『書きたいモノ』がないのに書こうとしてる人は大変です。市場調査をして流行りを調べて、次に流行りそうなものを書いて……。『書きたいモノ』がないのに書こうとしてる人というのは趣味で書こうとしてる、というより仕事として書こうとしてる人だと思いますので頑張ってください。趣味で書こうとしてる人も頑張る必要があるんですけど。
最初にも書いた通りこの話は『書きたいモノがあるけどなかなか書けない人』へ向けた内容になります。また、初心者なりに感じたことをまとめるだけですので正確性は担保できません。あくまで色々調べたり、試したりした結果気づいたことをまとめるだけです。さらに言うと、今現在の考えですので後々変わることも大いにあります。その所はご了承下さい。
そして、『思ったより書けない』というのは実際に書いてみないとわかりません。ですので、一回も書いたことがない人は書いてみて、自分は何ができないのか確認する必要があります。くどいですが書いていないなら1000文字書きましょう。
では本文へ。『書きたいモノ』はある。文章にも起こしてみた。でもなんか書けない。わかる、めっちゃ分かる。文章で書こうとすると内容が出てこない。
・きれいな文章にならない
・心情描写ができない
・文末がいつも同じになる
という問題にも出くわします。がそうではなく、もっと手前の問題です。
・書こうとするけどそもそもストーリーが浮かばない
・書きたい場面の点と点はできるけど、間を結ぶ線ができない。
この辺りも重要な問題なんですけど、今あげた問題より根本的な問題があると私は思っています。
とりあえず今は1場面を書き上げられないことに焦点を当てます。書き始めたけどなんか書けない問題の第1号です。書き始めたばかりの人が1シーンをしっかり書けたのであれば、凄いと思います。私は未だに1シーンもすらすら書けない。5つ目の問題は質として近い問題ですが、私も苦手。誰か助けて。
さておき、この最初に詰まる問題の原因として『書きたいモノ』が漠然としていることが挙げられます。『書きたいモノ』のイメージは具体的ですか? 『書きたいモノ』の解像度はどの程度までしっかりしていますか?
最初に引っかかるのはここかなと。いざ実際に脳内にあるイメージのまま書き始めると
・ここはどうしよう
・ここはどうなっていたっけ
みたいな問題に出くわします。で、どうすればいいか分からなくって書けなくなる。もとからある脳内のイメージだけで何か創作するというのは難しいことです。
この何を書けばいいのかわからない、という問題に対しては何かしらのメモは用意しましょう。ストーリーにしても、風景や生物にしても。メモ一つあるだけで書きやすさはグッと変わります。
かといって、きっちり調べたメモを用意しろとなるとそれはそれでやる気が削がれるのでそんなことは言いません。
では、『調べないでメモを書けってどういうことだ』となります。簡単に言うならば下書きをしましょう、メモと言い切るには無理がありますが。
例えば登校シーンを書きたい時は、
・起きる
・学校へ向かう
くらいだけでも、メモがあるだけでも書きやすさは大きく変わります。
『起きた後に何もしないのかよ』とか『学校に行くまで何もないのかよ』といった自問自答ができるようになります。この自問自答を繰り返すだけでも文量は大分増やせるのではないでしょうか? 『脳内イメージに対して疑問を抱く』というのは慣れないと難しいので、慣れるまではやることをおすすめします。
書きたいのが風景だとしても、
・雲一つない空
・風が吹いている
・土の匂いがする
と列挙してあげるだけでも書きやすくなります。土が近くて土の匂いがするのか、それとも風が土の匂いを運んでいるのか、空は見上げて見ているのか、ふと窓の外を見たときにたまたまその範囲に雲が見えなかったのか。風はなでる程度の強さしかないのか、はたまた傘がひっくり返るような強風なのか。たったこれだけでも疑問の持ちやすさは大分増しています。
例で挙げたので生物の場合も触れておきます。
・角がある
・皮膚は灰色
・大きい
このメモに対して、角はどの程度の大きさか、ほんとに皮膚は灰色か、大きいと言ってもどのくらい大きいのか、自分と同じくらいの大きさかもしれないし、電車みたいなサイズの化け物かもしれません。情報の付け加えはいくらでもできます。
『書きたいモノ』を列挙したことで物足りない部分も見えてくるでしょう。逆に、あれもこれも書きたい、と思っていたものがそうでもなかったこともあるかもしれません。
書き出しにおいて、主人公は、どこにいますか? 東京駅ですかね、それとも人里離れた山奥でしょうか。時刻は何時でしょう、星の瞬く真夜中でしょうか、それとも昼食後の瞼が落ちてくる時間でしょうか。いつ、どこで、の情報を付加してあげると具体性を持たせやすくなります。書き出しにおいて、と言いましたが、別に書き出しに限った話ではありません。そもそも書き出しから書く必要もありません。書きたいシーンから書いちゃっていいのです。楽しく書くことが一番ですから。
メモで文章が増えたら、付け加えた文章を並べ替えたり、さらに修飾語を増やしたりします。また、描写する必要がない描写は削ってあげてもいいです。出来上がったモノの体裁を整えれば完成です。
……完成です、と簡単に言いましたがこの辺の、修飾語を増やして体裁を整えるのが難しいです。これはまた別の問題なので後でまた触れます(文章を整える)。私も苦手です。
という訳で『書きたいけど何も書けない』の問題に対する私の答えは、『とりあえずメモを書け』です。今自分が書きたいものがどんなものかを認識して、それに対して自問自答するという手法で書き進めるわけです。そうすることで自分が書こうとしていることの具体性を確保できるわけです。また、自分の頭の中のイメージの不備が見つかります。『ココがはっきりしていなかった』という点が浮き上がって、筆が止まってしまった理由を考えるきっかけにもなります。
全く何もアウトプットしないで、書けない書けないと悩むよりも、何でもいいから書いてから悩んだ方が考えやすくなります。筆が進まないという人はお試しあれ。
結論
・書きたいモノをはっきりさせる
・自問自答できるようにメモを書いてみる