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双黒のアルケミスト ~転生錬金術師の異世界クラフトライフ~  作者: エージ/多部 栄次
第一部三章 錬金術師のクラフトライフ ルマーノの町の日常編
26/214

人物紹介とこれまでのあらすじ (第一部二章終了時点)

いつも読んでいただき誠にありがとうございます。

タイトルの通り、ここまでで登場した主な人物とあらすじを簡単ではありますが掲載します。

また、最初から読んだ方がより物語に入り込めると思い(たい)ますが、ここから読み始めても楽しんでいただけるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

【ここまでの主な登場人物】

《アーシャ十字団》

○メルスト・ヘルメス

 当時の記憶は定かではないが、何かしらの事故に巻き込まれた企業研究員の魂が、異世界の神によって改造された囚人の遺体に宿ったもの。肉体に宿る神に等しい力と知恵、そして前世の経験を武器に異世界を悔いなく生き、かつ神の望む「未来の希望」を自分の形で代わりに実現することを目指す。外見年齢20歳程度、前世の享年は30代前半だが精神年齢は残念ながら追いついていない。


○エリシア・オル・クレイシス

 アコード王国の第一王女という身分を隠し(別人だと捏造)、六大賢者の一柱「蒼炎の大賢者」として国を支える絶世の美女。大魔導士や魔法学の研究者、王国神殿府の司教を務めつつアーシャ十字団の管轄を行う超人であり、世界と国の安寧を願う。ただならぬ予感と好奇心の末、メルストを十字団に匿った。外見年齢20歳程度だが、それよりも長く生きている。


○ルミア・ハードック

 アーシャ十字団に所属する自称天才機工師。わけ隔てなく接する活発で可憐な少女であるが、その内面は兵器と爆発を愛するマッドサイエンティストそのもので、かつて爆弾魔として犯罪を犯していた経歴を持つ。自分の名声を轟かせることを夢見る。外見年齢15歳程度。


○ジェイク・リドル

 アーシャ十字団に所属する剣士。ルミア同様、訳あって投獄されずに活動している元大量殺人鬼。酒とギャンブル、女に溺れる人間の屑だが、怪物的な戦闘能力に加え死ににくい体質をもつことから不死の暴獣という異名がついている。外見年齢25歳程度。


○フェミル・ネフィア

 アーシャ十字団に所属する槍騎士。妖精国(シェイミン)の女王護衛騎士を務めていたが、何かしらの経緯を経て奴隷になった。奴隷解放の際にアーシャ十字団に拾われ、仲間になった。表情が薄く、口数も少ない。また極度の人見知り。


○ロダン・ハイルディン。

 現時点では未登場。アーシャ十字団を設立した団長兼、王国軍の総帥のひとり。46年前の世界大戦にて勇者ラザードらと共に魔王討伐を果たし、三雄"軍王"として国からは英雄視されている。


《ルマーノの町の住民》

・ダグラス

 町の鍛冶場の棟梁。鋼材の精錬や加工を生業とするが、冒険者ギルドの武器の製作も携わる職人。資材不足の一件後、冒険者・探鉱ギルドらが新たな鉱脈を見つけたため、そこの領主と契約して事なきを得ている。


・バルク・カニス

 十字団拠点の最寄りにある酒場の店主。大柄であり性格も豪快である傍ら、双子の娘を溺愛する父の一面ももつ。獣人種であり、リーベルト共和国から来たという。情報屋として十字団に情報を仕入れる役目も全うする。ロダンやエリシアは恩人らしい。


・セレナ・カニス

 酒場の店主バルクの娘。店のメイド(定義的には異なるが)として双子の妹。狐に近い獣の大きな耳と尻尾をもつ。姉のエレナとは反対に非常に臆病な性格であり、挙動不審。盗賊団の被害に遭ったところをメルストに助けられる。尚盗賊団に限らずとも下品な男にちょっかいかけられることは珍しくないが、毎回バルクが制裁を下している。


・メディ・スクラピア

 町の医療所の薬師。元貴族であり、宮廷薬師として務めていた。エリシアとは学園時代に同学年として知り合い、今では親友の仲。言動は大人だが、容姿が幼い少女である。しかしその理由は不明。



【あらすじ:メルストの日記より抜粋・翻訳】

 アークィアス暦2432年11月23日


 こちらの世界に来てから一か月が経過した。ここではひと月は40日に相当するらしい。それだけ時間が経ったことに驚くが、この目で見てきたものや体験したことに比べれば些細に過ぎない。

 剣に魔法に竜に。前世ではゲームでしか存在しなかったものがここでは常識として存在している。現代のような機械技術や情報技術に特化した世界とは、少なくともこの国の小さな町で過ごしている限り大きく異なるも、魔法という言葉では説明しがたい現象の利用によって成り立っている一面もあり興味深い。おそらく物理化学や量子力学等の観点から前世のそれとは異なるのであろう。


 こうして思考し、文字を書き、呼吸できるのも、とある黒衣の老神から授かったこの肉体のおかげだと言える。本来ならば神様がこの肉体を使って「未来の希望」を叶える(あとはお酒を嗜む)ところを、死んでしまった自分の魂がここに入り込んでしまったことがことの始まりだ。

 そのため、神に匹敵するようなとんでもない力を手にすることができたが自分には身に余るものだ。しかしこの異世界の肉体含め、この超常的な能力もなければすぐに死んでしまったことだろう。幸い、自分が修得してきた化学の知識や経験が神様の力を制御することができたので、考え方次第では無限の可能性が秘められた力だともいえる。申し訳ない一方で、それでも許し、こうして第二の人生を歩ませてくれた神様には感謝してもしきれない。


 そして、アーシャ十字団もといエリシアさんの寛容な対応も忘れることなく肝に銘じたい。彼女が心優しく、そして大賢者という高い地位でなければ、自分は国外の異端者として投獄あるいは処刑されていたかもしれない。そして彼女に出会わなければ、いまもあの黒い砂漠の大陸で彷徨っていたことだろう。本当に感謝してもしきれない。

 ただ、ルミアやジェイクといった犯罪者集団で結成された組織だとは思いもしなかったけど。少なくともよくしてくれたルミアは悪い人じゃない、と信じたい。対しジェイクは知り合ったばかりで、かつ凶暴でもあるのでどう接すればいいのかわからない。それと、奴隷解放から救ったフェミルというハイエルフの少女も素性がよくわからない。海外の人ならともかく、種族がハイエルフだと価値観のレベルが違いすぎる。幸い、言語は通じているが、ほとんど話さない彼女ならばあまり関係ないのかもしれない。

 なんであれ、こちらから寄り添わないと十字団に馴染むことさえ叶わないだろう。その上で十字団の仕事に徹し、化学者……錬金術師として未来の希望の意味を見つけ出したい。


 明日は自主トレーニングをしよう。盗賊の巨漢だけでなく、あの竜を倒すだけの力をもっているとわかったならば、自分の能力と力量を知ってコントロールしないと、思わぬ事態を招きかねない(にしても竜を前にしたときはさすがに死ぬかと思った。よく腰を抜かさなかったよ自分。ちょっと漏らしたけど)。

 そして、もっと戦闘慣れしないと、この異世界で生きていける気がしない。少なくともエリシアさんと一緒にいたいと願っているならば。

 

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