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双黒のアルケミスト ~転生錬金術師の異世界クラフトライフ~  作者: エージ/多部 栄次
第一部四章 錬金術師の波瀾万丈録 王国侵略編
189/214

設定集1.キャラクター紹介(1)

 第一部で登場した人物はじめ、本編に登場させたかった人物、現時点で未登場だけどいずれ出てくるであろう関連した人物を本編の本質的なネタバレに含まない程度に紹介します。メインメンバーはプロフィールを掲載しております。

 完全に私の自己満足ではありますが、双黒のアルケミストの世界観の一部を少しでも知りたい方がいましたらご一読くださると幸いです。

 しかし、本編を読んでない方で、かつ第一部のストーリーのネタバレを少しでも知りたくない方がいましたら、こちらの回を読むことは推奨いたしません。


 人物に抜けがあったり、特に推敲もしていないので日本語に不備があったりしましたら申し訳ありません。

 ○は登場した人物、・は未登場あるいはモブの人物を指しています。

アーシャ十字団

○メルスト・ヘルメス:団員番号008

 役職:研究開発(錬金術)担当

 クラス:錬金術師

 勲章・異名等:秘教学博士、英雄「終焉の夜明け」

 ギルドでのレベル測定:4/100 (エリシア曰く一種のエラー)

 身体:身長177、体重85(特殊体質により多少変動する)、やや細身

 年齢:実年齢不明、外見年齢20前後(本人は21としている)

 髪・瞳:黒・黒

 肌の色:黄色人種寄り

 性別:男

 人種:不明(外見は人間族)

 B/W/H:男だから需要ない(そこそこ筋肉質)

 専門武器:黒剣:カーボンソード

 能力・スキル:無限エネルギー創成とそれによる様々な物理化学的能力

 好きなもの:(圧倒的)米、和食、ハーブティー、鶏肉、散歩、エリシア

 苦手、嫌いなもの:フラスコの内側にこびりついた反応生成物、溶けないサンプル、カラム精製、学術機関の論文・特許審査委員の方々、陽キャとそのカップル(拒絶反応で手足が痙攣するほど)

 趣味:読書、魔物観察、能力を使った化合物の合成(前世はネットサーフィン、ブログ、読書、知恵袋解答)

 夢・願い:材料開発で世界に貢献する人材になること。エリシアと結ばれること。いまの日常が続くこと。家族にもう一度だけ会い、そして妹に謝ること。

 技名:多元(マルチシステム)系錬成(・シンセシス)物質覚醒(プレビアスブレイク)化学師(ケミカル)の全書録(アブストラクト)

 家族構成(前世):父 義雄、母 優美、妹 彩夜


 主人公。現世でなにかしらの事故に巻き込まれるも死ぬ間際の記憶は曖昧。異世界転生後、神様が改造した囚人の死体に魂が宿り、チート級の能力を授かることになる。

 生前は博士号(工学)取得後、化学メーカーで研究職を務めていた。ちなみに学術振興会特別研究員(DC2補欠合格)。危険物甲種取得者、高圧ガス製造保安責任者(甲種化学)、化学工学技士等の資格も有しているが、いずれも何度も落ちた経験はある。学士・修士・博士で別の大学や大学院に外部入学しており、全然異なる研究をしていたため、知見自体は幅広い。触れてきた研究分野は天然物全合成や触媒合成、プロテオグリカンや精密重合が挙げられるも、ケミカルバイオロジーと材料科学を専門としている。が、数年も一貫した研究をしていないこともあり、そこで他の研究員との差が生じていると本人は考えている。

 常日頃、自分よりも優秀な人が業績を上げ、自分はろくな成果を出せず、またミスも多かったことから日々劣等感に苛まれていた。かつ社員と馬が合わず人間関係も良好でなかったという。学生時代の親しい友達(女性含める)も二人と全くいないわけではないが、その関係は現時点では明らかになっていない。尚、大学デビューで金髪にした経験があるも本人は黒歴史にしている。教師の道も目指し、教職をしたり塾講師をやったこともあるが、挫折。

 普段は一歩引いたような姿勢と考え方で物事を見たり、人と接したりするが、人を助けることや誰かの役に立つことに対しては積極的であり、それで熱くなる一面もある。そうなることに至った理由や背景があるのだろう。ツッコミ役に回ることが多いが、自虐ボケをたまにかますこともある。

 美女に弱い。前世では、小学生時代から女子の罰ゲームの対象としていじられたり、幾度もハニートラップにかかったり、付き合ったつもりが財布扱いされていたり、結婚詐欺にも遭ったりしている。そのため肚の底では女性に対し警戒しており、自分に対し好意を抱いた人や積極的な人は特に理性を固めていることが多い(ルミアのセンシティブなからかいも手伝って、ますます心を殺すことに長けるようにはなったが)。しかし(メルストにとって)純粋だと思えたエリシアに対しては想いを伝えたいとは考えている。一目惚れもあるが、エリシアと一晩過ごし、優しい言葉をかけてくれたことを機に、心から好きになった。状況が状況だけど、この一文だけ見ると単純だね。

 転生後は化学全般の知識を駆使して異世界で様々な問題を解決していったが、果たして転生者本人の知能と知識だけでできたことなのか。

 自分の魂が入っている肉体が何者か、生前の名前はなんだったのかわからないままであり、それの解明も目指してはいる。破天荒な十字団と比べて自分はまともな方だと思っているが、徐々に感覚が染まりつつあることを自覚していない。人前では頑張っているが根は陰キャである。本編には映していないが、それ相応に任務をこなしたり研究しては論文を書いたりカンパニーと共同研究していたりと、意外と多忙だったりする。




○エリシア・オル・クレイシス:団員番号002

 役職:副団長・統括者・研究開発(魔法)担当

 クラス:六大賢者・大魔導士(秘教博士取得者)・大司教・アコード王国第一王女

 勲章・異名等:蒼炎の大賢者、慈愛の神イリスタの化身

 ギルドでのレベル測定:Lv.94/100

 身体:身長157、体重56、モデルスタイル(しかしバスト/ヒップサイズ的にグラマー寄りであることを気にしている)

 年齢:実年齢不明(曰く人間の寿命範囲内には入っている)、外見年齢20前後

 髪・瞳:蒼銀(ゆるい三つ編みロング等、日により多少髪型変わる)・真紅

 肌の色:白磁寄り(焼けにくい、日の光に弱い)

 性別:女

 人種:人間族ロイソン

 B/W/H:92/59/84(バストトップとアンダーの差33:Gカップ(成長中))

 専門武器:大神杖ポセイダ、神杖コルヴァス

 能力・スキル:蒼炎魔法、防衛、治癒、転移魔法

 好きなもの:甘すぎるお菓子、苦すぎる珈琲、雨の日の読書、(お酒かなり弱いが)ワインを飲みながら一人で読書に耽ること、メルスト

 苦手、嫌いなもの:目に見えないもの(幽霊、微生物)、ルミアの怪談話、建築魔法(←NEW!)

 趣味:読書(文字を通じ著者と会話している気分になるため)、いろんな人に会ったり話を聞くこと

 夢・願い:自分の役割が不必要になる時代が来ること。辺境の田舎でワインやチーズを作ってお店を開くこと。

 家族構成:父ラザード、母カミーラ、兄リゼル

 技:蒼焔(アロミネンス)噴華(ヴァリアス)展開(エクス)神の門(デウスゲート)


 ヒロイン。礼儀正しくしおらしい女性。天然なところもあり、好意を寄せた人にはたまにいたずらすることもある。清楚な面が目立つが、好奇心旺盛で負けず嫌いな一面もある。なんでも信じてしまい、疑うことを知らない。また嘘も下手ですぐにばれる(そもそも聖女が嘘ついていいのか)。味覚がぶっ壊れており、それもあってか料理も中途半端に上手ではない。方向音痴にして体力も全然ないし泳げない。人が良すぎるが、力や頭が及ばないこともある。

 ここまで悪いところばかりいってしまったが、これを知る者は十字団や親友のメディ以外にはほぼおらず、完全無欠の存在として民より奉られている。それだけの人徳は積んでおり、魔法研究や教会、国政での行いに関しても多大な功績を収めている。国を守り、世界を平和にするためなら努力を惜しまない。

 世間では王女と大賢者は別人だという認識であり、大賢者としての名は知れ渡っているが、王女の顔は顔も知られておらず、虚弱体質あるいは病に侵されている故に王城で寝たきりということにしている。王子兼勇者であるリゼルに反し王族の足枷と揶揄する声もなくはない。ただ虚弱体質と言うのは本当で、それを常に魔力量と高質な魔法で支えている(そのため肉体強化魔法は彼女にとって体を酷使することになる)。毎日体を張って生きているが、公務や研究等、仕事をこなしている。素直にゆっくり休んでほしい。

 メルストを命の恩人として敬いつつも得体のしれない人物であることに関心を抱いていたが、彼の人柄や努力、数々の功績に対し尊び、そして(理由はここで述べないが)相当の憧れと好意を抱いている。



○ルミア・ハードック:団員番号006

 役職:研究開発(機械)担当

 クラス:機工師

 勲章・異名等:アッセバルの爆弾魔、千手の死神

 ギルドでのレベル測定:84/100

 身体:身長145、体重:秘密、やせ型

 年齢:自称17歳・外見14歳前後

 髪・瞳:金・紫

 肌の色:小麦色

 性別:女

 人種:人間族ロイソン・ルドワークの混血

 B/W/H:77/54/74(20:(本人の必死な希望により)Dカップ)

 専門武器:ツインロングソードブレイカー"KAMA-KIRI", SBR-108ガンキャノン、ハンマーグローブ"BB20"等

 能力・スキル:転送魔法補佐、罠や兵器に関する知識と技量、流影術(体術)等

 好きなもの:爆発、幼い子供、自分

 苦手、嫌いなもの:雨、サビ、カビ、泳ぐこと、湿気、遠慮しておきながら欲望全開なことを言う男、可愛くないくせに男の前だけぶりっ子してる女、自分

 趣味:いたずら、トラップ仕掛ける、兵器・爆弾開発

 夢・願い:名声を得ること。母に楽な暮らしをさせること。

 家族構成:父トーマス、母テスラ、姉リーシェ、妹レティシア、祖父ジェルソン(先祖シード・ステイク)

 技名:バスターフェスティバル、ハックトラップ、ドラゴンバスター・キャノン


 自称ヒロイン。元犯罪者にして薬物依存の狂人だと認められたフリークスバーグ出身の爆弾魔。現在はそれなりに更生し、十字団のもとで自由に好きなことをやっている。人脈は広く、会って5秒で友達にできる積極性や話術にも長け、見た目は可愛らしく、また美少女であることから人気もある。が、口を開けば機関銃、歩けば暴れ馬の如く言動が破天荒かつ天真爛漫に尽きる。しかしまともなときもあるのでよくわからない。そのため好みが分かれる(尚アレックスには惚れられている)。動かず黙っていれば美人の類。

 兵器製造と戦闘に関してはプロの域を凌駕しており、人体の常識を逸脱している、重力と言う存在を知らないと彼女の戦いを見た者たちは口をそろえて言う。トラップや搭乗型兵器の操縦でのスタイルを好むが、ソードブレイカー(二刀流)による武器破壊も十八番である。あらゆる銃や砲を使いこなし、ワイヤーアクションや爆風を利用した空中戦でも彼女のテリトリーであるが、水中だけは苦手で泳げもしないどころか沈む。

 貧乳であることを気にし(日本国内ではそこそこあるほうだが異世界基準では乏しいようである)、いつかエリシアやフェミルのような巨乳を目指したいと供述しており、それなりの努力はしているようである。普段は肌を露出したような服装を飲むが、作業服や戦闘服で身を固める際は防御性を高めることも含めパッドを使用する(本人談)。それを除けばスタイルは良い。ただ中身はひどい(二回目)

 なんでも器用にこなし、設計図作成から機械作りまで超人的な速度で製造する腕を持つ。歌も楽器演奏も、料理も手芸もそつなくこなし、時折不器用なエリシアに教えていることも。チェスといった頭脳ゲームも得意であり、ロダンやエリシア相手に幾度か勝てるほど。

 しかし感情や思考の起伏が激しく、まともなときもあれば頭おかしい時もあり、いまいち読めない。薬物の後遺症によるものか、第四の壁の存在を認知しており、たまにメタいことを言ったりパロディ的な言動をするが妄想で済まされている。

 人並にショタコン・ロリコンであり、ルマーノの町の少年少女の名前と年齢、生年月日、住所と性格を把握しリスト化している気持ち悪さがある。自称バイセクシャル。最近はメルストのことが好きと毎日アプローチしているが、その本心はわからず、メルストはおもちゃにして遊んでいるだろうと本気にしていない。独特の口調や語尾を普段からするが、本人曰く幼少期のあるときからだそう。

 意外と家族思い。旅人としていろんな国に行っていたこともあったそうだが、なにをきっかけにアコードに入国し、ルマーノの町に入ったのかは不明。



○ジェイク・リドル:団員番号007

 役職:警備担当

 クラス:剣士

 勲章・異名等:不死の暴獣、パルセノンの殺人鬼

 ギルドでのレベル測定:Lv.121/100(エラー)

 身体:身長195、体重102、ソフトマッチョ体型

 年齢:実年齢24、外見年齢28

 髪・瞳:赤茶(赤寄り)・翡翠

 肌の色:小麦色

 性別:男

 人種:人間族アヴェラ

 専門武器:両手剣"バスターズ"

 能力・スキル(一部かつ専門):空間掌握魔法、見よう見まね

 好きなもの:金、酒、女、喧嘩、殺し

 苦手、嫌いなもの:虫、ルール、女を雑に扱う男、偽善者思考、陰キャ思考、100年物の酒等熟す時間が長いほど良いものだとアピールしている酒場

 趣味:酒の飲み比べと女の食べ比べ、このサイトでは書けないこと

 夢・願い:女100人を同時に抱くこと、ロダンに勝つこと、自由

 家族構成:不明(捨て子)

 技名:四空掌握・一本投げ、地淵屠、虎舞・死屍来来


 盗みや猟奇的殺人、暴行は少年時代から数えきれず、幾度の紛争でも生き残ってきた若くも残虐な犯罪者。現在は暴力沙汰を起こさないようエリシアの魔法でセーブされているが、耐性を持ち始めたのか、殺人まではいかなくともある程度抵抗できるようになり、手を焼かせている。非常に短気で適当で気まぐれ、とどめに粗野な性格だが、一貫した部分はある。

 偏見が激しいが、間違っていたと自覚すればすぐに認め、柔軟な対応を取ることもあるので意外と素直かもしれない。ただし根っからのクズ思考であり、普段はギャンブルに明け暮れ、夜はどこかの女性の家に泊まり込み、ヒモとして生活している。ただ、女性側は悪く思っていないようなのでいったいどんな魔法を使っているんだとメルストは気になってやまない。結果的に下心につながっているとはいえ、言動はともあれ女性に対して傷つけないよう配慮する部分はある。しかしルミアとは犬猿の仲。

 極めて死ににくい体質であり、体の半分以上が吹き飛んだり、心臓や頭部がつぶれてもしばらくは動けるが、れっきとした人間であると主張する。命を落とすたびにエリシアに蘇生してもらっているが、ここまで蘇生魔法に対し後遺症を残さず何度も完全復活する人間はいないらしい(二回目以降は失敗するリスクが格段に上がるため)。

 戦闘や魔法の才能は相当あるが不器用であるため、ロダンに教わるまではろくな型も知らなかった。魔法も現在は一種類しか頭に叩き込まれておらず、四空掌握という空間魔法を駆使する。しかし見様見真似で魔法と剣技を体得することもある、が忘れることも少なくない。

 かつては自警団に所属していた時期もあったらしいが過去について話したがらず、詳細は不明。アコード国内で暴れ、聖騎士団に取り押さえられ投獄されるもその計り知れない実力をロダンが買い、師として魔法や剣術等を教えた。尚、学はなく、字はそこまで読めもしないし書けもしない。だがダンジョンや魔物、女の特性は網羅している。人の挙動やにおいに敏感。下心ある人間は目を見ればわかるらしく、本能的に一種の読心術を心得ているようでもある。

 数多くの女性に手を出しメルストとエリシアが聞けば卒倒するくらいの経験人数を誇るが(本人は数えていない)、フェミルに対し唯一心から一目惚れしており、他の女性とは違う何かを感じ取ったようでもある。それ以来、女性の家でヒモ生活をする頻度は減った。

 彼は物語内でもリアルでもとにかく嫌われており、おかげで読者が離れているのも確かだが、その判断は正しいと思う。それでも読んでくださる人は僕と握手してほしいです(ただの感想)。



○フェミル・ネフィア:団員番号009

 役職:視察、伝達担当

 クラス:槍闘士

 勲章・異名等:疾風の戦姫、女王護衛騎士・風の師団第一級騎士、カンデラの魔女

 ギルドでのレベル測定:87/100

 身体:身長162、体重47、細身

 年齢:実年齢不明、外見年齢20前後

 髪・瞳:緑・金

 肌の色:乳白色

 性別:女

 人種:精霊族ハイエルフ種

 B/W/H:88/62/80(26:E)

 専門武器:槍(召喚式光槍、聖槍"EDO")

 能力・スキル:風魔法、雷魔法、妖精との会話

 好きなもの:森、花、きれいな川や池、十字団の作るごはん、被り物

 苦手、嫌いなもの:男、知らない人、視線、人混み、宗教団体、人工物ばかりの場所、かわいいのに顔を隠すなんてもったいないと言ってくる人、馴れ馴れしい人、食べ方が汚い人

 趣味:料理、園芸、鍛錬、水浴び

 夢・願い:心をさらけ出せる相手と仲良くなり、幸せに暮らすこと

 家族構成:父ジェニス・ロンダ、母オルシス・ネフィア、育て親シルビア

 技名:アラドヴァル、アネモアの賛美、MEY=CIELLENE


 奴隷オークションに売り出されていたところを救われ、十字団のもとで行動するようになる。奴隷時代に凄惨な経験をしており、それによって"穢れ"が蓄積した。今のままでは故郷のシェイミン国の入国が不可であるため、大賢者のもとで穢れを少しずつ浄化している。本人も教会の下で過ごすよりは心地よいと感じている。

 非常に人見知りであり、口数も少なく話慣れていない。また知らない人とは普通に会話することもままならない。表情も非常に薄く、感情が読み取れないことに加え、極力ヘルムや帽子を目深にかぶり、目を隠すようにしている(完全に見えないわけではない)。暗い人だと思われがちだが、ノリは良い方である。

 男嫌いであり、視線どころか同じ空間にいることでさえも嫌悪感を抱くが、十字団のおかげもあり少しずつ克服している。ジェイクやルミアに好意を抱かれているが、下心を感じているようであまり良く思っていない。メルストに対してはまだ安全であると判断しているだけで信頼の程度は低め。ロダンは比較的信用している方で、エリシアは十字団の中で最も信用している。

 挑戦心に長けているため、勝負好きだったりルミアのアドバイスに従って大胆な行動に出ることもある。女王護衛騎士としてはそこそこの実力だったらしい。料理や植物に関しての知識は豊富。

 細い身から到底思えないくらい大食らいであり、何店舗か出禁を食らっているし十字団の食費がかさんできている。妖精は勿論、植物の意思や"声"を読み取ることができ、風の流れも目に見えるが、その感覚は人間にはわからない。。

 屈しないが口癖であるが大体屈する。戦闘のみ屈強だが、どのような経緯で騎士から奴隷となったのかは本人の口からは決して開かない。





○ロダン・ハイルディン:団員番号001

 役職:団長・創設者

 クラス:戦士、英雄

 勲章・異名等:軍王、アコードの大英雄、銀の魔王

 ギルドでのレベル測定:Lv.100/100

 身体:身長188、体重128、軍人体形

 年齢:実年齢66、外見年齢57

 髪・瞳:銀・灰

 肌の色:焼けた肌色

 性別:男

 人種:人間族シグリス

 専門武器:大剣ガリア("不死鳥の炎"付与による再生可・炎属性付加)

 能力・スキル(一部かつ専門):覇道術式(ラガル式)、剣王サイファ流儀他

 好きなもの:シシカバブ、元気な子どもたち

 苦手、嫌いなもの:戦争、介護施設(最近やけにルミアから勧められるため)

 趣味:団員との稽古、手芸、日曜大工

 夢・願い:アコード王国の平和、家族で老後を平穏に暮らすこと

 家族構成:妻ジェシカ(故)、息子ロベルト、孫娘ローゼ

 技:王撃(グランドインパクト)、道破・八迦衝、大千貫


 騎士団の中では英雄であり生きる伝説でもある超人。世界的にも有名な人物かつ世界でも指折りの強さを誇る。豪快な性格であり、強面に反し良く笑う。若い頃は破天荒だったラザードに喝を入れていたようだが、今ではロダンの方が茶目っ気が出、丸くなっている。子どもたちが好きであり、いつまでも子どもたちが笑顔でいられる未来を護りたいと感じている。思考回路はまだ常識人の部類。

 昔はエリシアの護衛兵として務めていた一方、軍のトップとして仕事を全うしていた。彼に戦闘術や剣術を教わった者もおり、いずれも相当の実力者となっている。現在は形式上は引退しているも駐屯所で訓練の補佐をしたり、十字団を設立して任務をこなしたり、団員と稽古を交わしたり、公爵として公務に勤しむ日々である。


○シンナ

 種:ジポリメア界>エトファディウィリア域>ドラゲル階>コペルタス科>ジルコンフェアリス・アッカパトラス種

 年齢:推定1歳

 身体:全長47・体高39・体重12

 性別:雌

 アーシャ十字団のペットとして飼われている妖精モドキの魔物の子ども。名前はメルストがつけた。

 ルマーノの町に迷い込んだジルコンフェアリーの一種。もふもふした白い体毛に辰砂の如き紅蓮の生体鉱物を背中から生やす飛竜型の魔法生物、なのだが妖精特有の鱗粉を放ち、また魔力の系統もそれに近いことから、魔法生物学的な判別がかつて困難だったという。激レアほどではないがそこそこ珍しく、生体鉱石も希少性が高いので、捕獲しようとする冒険者も少なくはないが、逃げる際、目で追いかけるのがやっとなほど速く、見失うことが多いという。攻撃性は低く、毒も何も持っていないが、翼から分泌する鱗粉が魔力のもとになっており(魔法薬の原料にもなるが)、光の屈折や反射を生じさせては姿を消すように見せる。また、その様が美しいことから妖精という名前がついているのもある。

 この個体はメルストとジェイクが捕まえようとしたとき、真っ先にフェミルに捕まえられた。いたずらが好きで、よくメルストを困らせている(サンプルを持ち出して外に逃げては鬼ごっこしたり、本を持ち出してはかくれんぼしたり、つまみ食いしたり、寝ている人の顔面に乗っかってそのまま寝たりする等)。しかし一番メルストに懐いている。なぜかは不明。

 出番は少ないが(描写してないだけ)、何気に十字団拠点の中にいる。虫や木の実、木の葉を主食とするが、雑食であり、乳やパンくずにとどまらず、人の料理も普通に食べる。頭に乗っかるのが好きだが、第一部以降はちょっと体が大きくなり、今度はおんぶするのが好きになった。

 生体鉱石は金属タンパク質を主成分としており、魔法的物質が配位されている。それが結果として常温窒素固定化の成功に貢献した。

 鳴き声が可愛い。


・ルビウス・ウィンクラー(殉職):団員番号003

 役職:情報収集・参謀

 クラス:占星術師

 勲章・異名等:巨星喰らい

 ギルドでのレベル測定:Lv.96/100


 十字団設立時にロダン、エリシアとともに活動していた人物。占星術を彼から教えてもらったとエリシアから述べている。著名な占星術師らしく、また非常に秀でた魔術師でもあったという。十字団の中では最年長であったがこの世から去っている。



・オーランド・ノット(療養中):団員番号004

 役職:偵察担当

 クラス:竜騎士

 勲章・異名等:天の隻影

 ギルドでのレベル測定:Lv.98/100


 十字団に所属していた人物。ルビウスと同様、ロダンやエリシアに並ぶ実力者であり、ひとりで国一つ制圧できるだけの力を持つと云われている(本編より)。現在は国の管理下に置かれている地で療養しているというが、復帰するのかは不明。ルミアやジェイクは名前や功績を耳にしている程度であり対面はしていない。



・RE-1208



   *


【ルマーノの町の住民】

バルクの酒場

○バルク・カニス

 酒場の店主にして料理人兼情報屋。犬系の獣人種であるが、尻尾は見当たらない。そこらのオークよりも体格は大きくごついが顔は強面なりに良い方。ふたりの娘に溺愛しており、何よりの宝としている。妻のことや昔のことは話したがらない。リーベルト共和国出身であり、いろいろあってアコードに行きつき、ロダンに助けられいまに至る。豪快でよく笑い、気前のいい性格。よく店に来てくれる十字団を家族のように見ていると同時、仕入れた情報をなんだかんだ無料で提供してくれたりする。


○セレナ・カニス

 バルクの娘。双子の妹。13歳。狐系の耳と尻尾を持っているので、母方の遺伝だと思われる。気弱であり自信がないのか常に挙動不審。酒場のウェイトレス(メイド)として接客している。客(盗賊団)にセクハラされているところをメルストに助けられ、それ以来好意を抱いている。メルストが酒場に来た日はわかりやすいくらい機嫌がよくなる。姉のエレナに対し尊敬しており、父バルク共々大好きである。


○エレナ・カニス

 同上。双子の姉。セレナと真逆で強気かつ毒舌が激しい性格。特に男に対し冷たい対応であるが、酒場の常連客の中にはそれが良いという声もある。大切なセレナがメルストに惚けていることに納得がいっておらず、嫉妬心を抱いている一方、異性として気になってはいる。ツン9割デレ1割の女。セレナを守るために必死に勉強と鍛錬を重ねて雷魔法を修得したので根は努力家で妹想いである。最近反抗期を迎えつつある。


・ラビィ

 酒場の従業員のひとり。15歳ほどの女の子。一部エピローグでメルストに声を掛けてラブレターを渡そうとしていた。


・ミミィ

 同上。セレナたちとは仲が良く、常連客とも明るく接している。家は花屋を経営している。ときたまメイドメンバーで酒場の二階の双子の部屋で遊んだりお泊りしたりしている。


・ハッシェ

 同上。趣味は編み物であり、それでちょっとだけフェミルと話せたことに嬉しさを感じている。メルストに対しあこがれを抱いている。ふたりきりで話すことが夢。


常連客

・ドンガー:酒場でメルストにちょっかいかけてくる30代冒険者。妻と同居中。


・ラパン:ドンガーとよく一緒に来ている同胞。妻子持ち。


・ソルベル:同上。冒険者ではないが、解析屋として冒険者をサポートしている。独身。


・ジーナ:4-9-2話登場しているが台詞はなし。よく昼の酒場にくる女性客。ルマーノ図書館の司書のひとり。最近両親から婚約者の提案の手紙が多く来ており、うんざりしている。


・パニート:音楽隊として酒場で演奏している一人。打楽器担当。靴屋が本業。


・ヴァリン:同上。弦楽器担当。仕立屋が本業。ボーカルとしてノッてくれるルミアに対し好意を抱いている。


・オーボァ:同上。吹奏楽器担当。本業はラバー製造所の作業員。


医療所

○メディ・スクラピア

 町の薬師を務めている幼女。とはいうが外見だけは10歳前後というだけで中身は元宮廷薬師であり、エリシアとは親友にして学園時代の同期。白髪青目が特徴であり、口調は大人の女性を思わせる。人をからかうのが好きで隙がないように思える。幼女体型なのは生まれつきではなくなんらかの外的要因によるものらしい。エリシアのことを大切に想っており、よく悩みを聞いている理解者でもある。

 人々の病の治療が主だが、新薬開発にも務めており、若干危ない薬を創っていることもある。とはいえ薬師としての才能や実力は王国が誇るレベル。メルストやエリシアと共同研究して薬の開発をすることも。ジェイクは被験者になってもらっている。魔法は大学レベルでは扱えるが向いていないと自負している。


・ファル

 本編未登場。メディの助手として住み込みで働いている19歳の少女。ツインテールのブロンズヘア。かつて別の町で放火事件に巻き込まれ、顔右半分や半身が火傷跡である。そのおかげで人から奇異な目で見られたりするのもあり、医療所に籠りっぱなしである。それに加え内向的であり人と関わるのを得意としないのか現状満足はしているようだ。それもあってメルストが彼女の存在に気付くのはだいぶ先になる。メディには心を許しており、彼女のボケに対し容赦なくツッコミを入れるくらい気は明るく、楽観的でおっちょこちょい。メディに教わりながらも薬師の道を目指している。

 スタイルは良く、ジェイクに狙われてはいるが、彼のある一言も含め、こんな醜い見た目でも女性として見てくれていることに嬉しさを感じている。それによるものか、エリシアやメディの肌の治療の提案も断っている。


雑貨店・洋裁店

○ミノ・テンクス:

 雑貨店を経営している(と言う名の店番のみ)22歳の青年。茶髪に緑の瞳が特徴。何においても無頓着でめんどくさがりな性格。なにに対してもやる気を感じられないがかわいい子を前にしたときだけは全力を出す。

 父バジル、母パルメ、妹リーアの家族構成。両親は別の地方区におり、時折仕送りしてくれるらしい。妹に溺愛しているシスコン。妹を守るためならいくらでも体を張り、命をかけた一面を本編で見せた。ルミアやメルスト、エリシアの開発品を売り出していることもある。外に出ることすらも億劫だと感じるほどの陰キャ故にメルストと話は合うが、ジェイクとはなぜか馬が合い、仲は普通に良い方である。


○リーア・テンクス

 金髪にエメラルドの瞳が特徴。洋裁師として洋服のデザインから販売まで行っている。一人で経営しているが、それなりに売れてはいるようだ。実を言うとミノの雑貨店兼自宅の真後ろの空き家を使っている(兄が心配するためという体裁で、自分が寂しいため)。機織りの扱いは勿論、手編みも得意であり、基本的に器用。家事全般もこなす。

 かつて酒場の手伝いをしていたこともあり、仕事の出来や純情可憐な容姿と中身であることから町一番の看板娘として有名。告白して玉砕する男が絶えなかった時期があったという。それが災いにも、ストーカーの被害者になってしまったが。

 その事件が解決された後、メルストのことが病的なまでに好きになってしまい、一日の大半は彼のことを考えるようになっている他、毎晩悶々としている(意味深)。時折十字団に服を作って提供しており、第一部後は十字団専用の共通団服のデザインに取り組んでいる(もちろん有償)。ルミアとユウの3人はマブダチであり、休日が重なった時女子会を催している。そのたびに恋の相談をしている。メルスト配属前、ジェイクに狙われた時期もあったが、ルミアが全力で阻止しており、やがて彼から諦めるようになったという。


駅逓局

○ユウ・ポスタン

 町の中限定で手紙や新聞、牛乳を配達したり、ポストの回収に努めている郵便屋の少女。白鳩竜のビーンを相棒に町の空を翔けている。じとっとした半目とニュースボーイキャップ、アイボリーの短髪が特徴であり、背は低め。18歳。雰囲気通り、口調も大変のんびりしておりマイペースではある(飼い主に似たのかビーンも気の抜けた鳴き声をする)。しかし要領は良いようで仕事は淡々とこなす。

 休日は外に出ることなくほぼ寝ており、家でごろごろしているが、ルミアやリーアとよく遊びに誘われている。同僚のチェッカーにもたびたび買い物に付き合わされることがあり、しぶしぶ付き合っているが、まんざらでもない様子。好きなことは特にないと言っているが、物書きを趣味としており、小説を二冊ほど出版している。誰も知らない趣味だったが、唯一メルストに知られてしまう、というエピソードを本編で書きたかった。メルストのことは人間的には好きで、話していて落ち着くらしい。作者的に好きな人物。


○チェッカー・ベネディクト

 町の中限定だが物資や重量があるものを運搬している郵便屋、のみならず冒険者ギルドにも所属しており、さらに町のイベントの司会進行役も務める多才っぷり。黒鴉竜のストライプスを相棒としている。黒髪青目が特徴の19歳の青年。仕事中はゴーグルを好んでつけている。ユウのことが好きで、度々買い物と言う名のデートに誘っているが、リアクションがいまいち読み取れないので本人がどう思っているか気になるところではある。がんばれ青年。


工房

○ダグラス

 現在武器工房の棟梁を務めている老いた職人。背は低めだが、オーラの圧が凄まじく、長年のキャリアが物を言わせている。弟子が多く、指導にも檄を入れている。ルマーノの町でも有名な人であり、彼の打った剣はギルドの間でも良質なものとして人気がある。メルストのことは一躍買っており、同じモノづくりに携わるものとして感心している。


○リンケル

 ダグラスの弟子のひとり。ガラス職人として働いている。体格がよくて若々しい20代後半男性。割れないガラスの開発をきっかけにメルストのことを兄貴と呼ぶようになった。妻がおり、ガラス細工の店を開いている。


・トンカン:工房に勤めるダグラスの弟子(以下同じく)。建築士として家の設計にも務めており、息子に継がせようともしている。


・ナット:武器加工に特化した職人。ボルトという弟がいる。


・フライス:金属加工に特化した職人。気前が良いが、賭博癖がある。


東区の住人

○ホルム

 10歳前後の気弱な少年。アルジェントらにいじめられていたが、ダンジョンでの出来事以降、勇敢だと認めてもらって友達になっている。将来はメルストのような勇敢な人になることを目指している。当然ながら、ジェイクのことは心の底から怖がっている。シャロルのことが好き。


○シャロル

 10歳前後の強気な少女。泣き虫で弱虫なホルムにあきれつつも放っておけず守っていたが、ダンジョンの一件以降、自分を助けるために魔物に立ち向かってくれたホルムに好意を示すようになり、不器用ながらもよく関わるようにしている。ツンデレですね。はやく付き合え。背は若干シャロルの方が大きい(ここ重要)。気も強ければ喧嘩も強いので、近所の子どもたちにはちょっと恐れられている。


・アルジェント

 登場させたかった人物(以下3人同様)。精製所ではたらいている13歳。褐色肌と赤髪、活発さが特徴。イケイケ肉体系。ホルムをいじめていたがいまは勇敢な男として認め、一番の味方として仲良くしている。エスタのことが好き。


・ティリ

 東区の医療所の子どもであり、ファーマの農場で手伝いをしている11歳。銀髪、青目の狂気的に元気で馬鹿っぽいのが特徴。隠れた才能をもつ鷹にしてはしゃぎまわる猫系女子。子どもとは思えないフットワークの軽さを発揮しており、町中のどこにでもいる。余談だが、メルストは彼女の後姿をメディと見間違えたようで、そのことをメディ本人に世間話のつもりで話したところどこか態度が冷たくなったという。

 

・フレイ

 図書館に住んでいる11歳。アルジェントらと仲が良い。紫髪、半目であり、無気力そうでいろいろいたずらを仕掛けてくるよくわからない闇系男子。ルミアを勝手に師匠とみている。


・エスタ

 教会でシスターを務める12歳。黒髪と白い肌、子どもとは思えぬおしとやかさと博識さが特徴。しかし年頃の遊びには興味津々だったりする。ホルムらとは友達。エリシアを尊敬している。


その他

○ファーマ

 ルマーノの町の最大農場の領主。懐が広く、誰に対しても優しい。小太りな中年で汗っかき。最近はメルストの肥料製造に協力している。ティリにものすごい懐かれており、勝手に手伝ってくれているが、理由は分からない。妻と17になる娘がおり、第二区に住んでいる。ほぼ毎日妻の方から手紙が来る。家畜を使って畑を耕している。


○ロザリー

 理髪外科医。心穏やかな細身の女性。30代。家が盗賊団によって放火されるも、最近は再び店を構えることができたらしい。赤子一人育てている。夫は冒険者として働いている。

 

・イースン:エリシアの講義によく出席している老人のひとり。魔法学の教授らしいが、どこの大学所属かは不明。


中央区

・シーベル

 ルマーノの町の町長。病弱であり、ほぼ外に出ないが、町の経済を支えている重要人物であり、町の復興時はロダンやエリシアらとともに励んだという。あまりに顔を出さないことから存在すら知らない人もちらほらおり、十字団はエリシアとロダン除き全員知らなかった。かつてはギルドでS級冒険者として活躍していたという。そのうち彼と関わるエピソードを幕間か番外編で書きたい。


中央ギルド

○シェスカ

 冒険者ギルドの受付嬢だが、以前は総合ギルドの経理に勤めていたという。冒険者のニーズが高まり、人手不足で配属された。作者の中では数少ない眼鏡キャラの一人。仕事はテキパキとこなし、私情を挟まない。一切のプライベートを見せないことで職場内でも謎に包まれている。フェリス系(ネコ寄りの哺乳類に近い)魔物を飼育している情報が何気に出回っている。


・リリー

 冒険者ギルドの若い受付嬢。一応登場している。シェスカの後輩で、わけ隔てなく明るく接するため、男性に人気。しかしかなりの面食いであり、イケメンで金持ちの男と結婚することを目標づけてる。かわいくスタイルも良いが、損得勘定思考でもあるため、収穫はない。シェスカのことはひとりの上司として敬っているが、彼氏いないことを知って以降、いろいろ誘ったりしている。


・キングス・カリビアン

 ギルド長。登場はしていないが、総合ギルドルマーノ支部のCEO的立場。この町ではシーベル町長に継ぐ最高権力者であるが、表立った行動はしていない。エリシアやロダンとはビジネス仲間である。かつてはシーベルとライバル同士であり、ルマーノの二極として最強を争っていたという。元ギルドランクS級。


【アコード王国地方区の民】

・ブリード・リックス

 亜人族(リニア)の獣人種・熊系の少年。10歳程度。奴隷オークションに売り出されていたが、十字団の奴隷解放後、保護された。第一部後、故郷のリーベルトに帰ったようである。


・ガルフ・ディズリー

 巨人族(トルート)の成人男性。奴隷オークションに売り出されていたが(以下略)。山を削り建物を作る職人(山工職人)。しばらくはアコードの辺境の地で安静にしていたが、第一部後は巨人族の国でもあるケイオネスの手に帰省した。


・ロース

 魔導師。ベッグパーティに所属していてギルド食堂の気まぐれサラダを主食にしている菜食主義者だとルミアは述べていた。派遣罪人のBn.レッキーに憑依されていた。


・ロジェ・ディヴァン

 ミステム術式協会に所属する優秀な魔導師。Bn.レッキーに憑依されていた。事件の後、治療を受け続けており、第一部終了後には全快し魔法の研究に再び打ち込めるようにまで復帰できた。


・ジェフ・マッキーニ

 不帰の森に飲み込まれた村「ラポラ」に住まう老いた錬金術師。麻酔薬の合成専門。騎士団の襲撃を受け避難してきた魔人族のマイラを治療し、受け入れたという。しかし他の村人らが許すはずもなく、マイラを討ち取ろうとしたとき、マイラが反撃に出、結果、村を中心に森を支配されてしまった。マイラを助けたことから、村の中で唯一彼女に心を操られず、共に生活することを許された。一件の後、近くの都に移り住み、大学機関の講師となり、ある教授のもとで研究をさせてもらっている。


・ハタジィ

 第五区、甲羅が丘の村「クマイ」に住まう農夫。訛りが強い。作物や疑似米ことコクダマムシの生産に携わっている。


・ルーニー

 スペルディアの村で不治の病に苦しんでいた女性。死の間際、メルストに自身の解剖をお願いした。


・オシリア

 登場はしたが名前は出さなかった人物(以下同様)。スペルディアの村長(長老)を務める老婆。双黒のことについて歴史や神話含めなにか知っている。


・アイジー

 スペルディアの村に住む幼い少女。メルストにプレゼントとして石を渡したり、村から去る間際にお礼を声高らかに言ったりといいとこどりが多かった気がする。後に錬金術師を目指すようになるが、それはまた別の話。


・シティ

 ベリアルトの境界に位置する城塞都市ゼテロに住まう神官の少女。エリシアを神のように崇め、いつかエリシア含む大司教のようになりたいと願っている。死の間際、メルストに助けられた。現在は町の復興に務めている。十字団がフレイル・コーマを倒した件については、嬉しさのあまり飛び上がり、王都復興にも協力するように進んで町の中で寄付運動を行ったという。メルストのことは命の恩人だと思い、生涯彼を慕い、応援することを誓っている。


・イリカ

 第七区の冒険者ギルドの受付嬢。おっとりとしており、ふわふわした雰囲気と大人っぽさ、それでいて豊かな胸と、メルスト的にタイプだった女性(すぐにルミアに足を踏まれたが)。


   *


【アコード王国王都】

○ラザード・オル・クレイシス

 アコード王国国王にして46年前の世界大戦にて魔王を討ち取った勇者。三雄の一人。世界規模で救世主と崇められていた。しかしいまは老い、魔道具や国外の医療装置を身につけたり埋め込んでいる状態(服の中なのでわからないが)。63歳。彼の国政に関して支持は高く、政治家としても大変優秀だとされている。たまに外交的運動をし、他国の権力者とつながりを保たせている。若い頃は恐れることもない天真爛漫な少年で、ロダンやシーザーの手に余ったという。

 家族のことを何よりも大切に想い、妻カミーラを喪ったことはいまでも心に陰りを作り出している。エリシアの婚約という一言にかなり敏感であり、誰の手にもわたってほしくないわがままさもある。近侍のカーターに毎度いじられているがお約束であるので大して気にはしていない。

 勇者と魔王の関係性を崩し、前代未聞の世界の均衡化、いわば国際化を目指している。その障壁となっているひとつにオルク帝國の存在がある。


・カミーラ・セレフィリオ

 ラザードの妻にしてエリシア、リゼルの母。エリシアが物心ついたころに病でこの世を去った。女王だったが、かつては神官のひとりだという。髪と瞳がエリシアとうりふたつであり、当時も絶世の美女だと謳われていた。ラザードを心から支えていた唯一の理解者。


・リゼル・オル・クレイシス

 現勇者。その実力はかつてのラザードを超えつつあると言われている。天界にて魔王を倒すための試練を仲間とともに受けている。未だに謎の多い人物だが、エリシア曰く、小さい頃から勇ましく、やさしい兄で、カミーラの作るバタークッキーが好きだったという。


○カーター・レイズ

 ラザードの近侍を務める、秘書的な立場。30代半ばだが眉目秀麗な顔立ちに鋭い銀縁の眼鏡、黒髪のオールバックと個人的に刺さる外見をしている。国王の支持を完璧にこなすが王に対してだけ毒舌。古くからの付き合いがあるようだが、いつから所属していたのか等、実態は不明。王城の従業員の間では困った時に助けてくれる王子だと、一部ファン層がいるほどだが、ほとんど関わることができない。彼の淹れる珈琲や紅茶は別格。


・シーザー・フラシス・ベルトルト

 公爵にして第一区の宗教都市パストラに住む法王(三雄の一人)。教会組織のトップ、いわば教皇の権利を所有している。若い頃はロダン、ラザードとともに冒険し、魔王を討ち取った。65歳であるがラザード以上に老いており、寝たきりであるという。しかし魔力量や魔法の知識・実力は英雄も顔負けであり、王国全体も監視まではいかなくとも管理はしている。また、未来予知も可能とし、王国の滅亡の可能性を提唱した。いずれ登場させる予定。



【騎士団】

・ウォルター・ベックマン

 公爵にして聖騎士団団長。アコード軍の最高戦力のひとり。50代前半。ロダンの弟子のひとりだったという。


・ウィンブランド・マッキンゼー

 子爵にして聖騎士団副団長・参謀総長。各部隊隊長と同等の実力を有するが、戦いよりも戦略を得意とする。40代後半。団長より先に登場させてしまったが、まぁいいか。冷酷な印象があるが、ウォルターとは騎士学校時代からの仲であり、たまにふたりで飲みに行くことがある。


四星天王軍(スーヴァキア)

・フレッド・P(フェネクス)・ウィンガル

 不死鳥騎士長の"紅鷹"。侯爵にして四星天王軍の一軍のトップを統べる最高戦力のひとり。 鎧袖一触の実力を有し、部下からの信頼も厚く、国を守ることに対する情熱も熱い。ただ家族関係に難があるようで、娘と息子が反抗期を迎えてここ最近は落ち込み気味。妻も仕事で忙しいのか機嫌が良くないときが多く、気まずく感じているため職場に残っていることが多くなった。


・ラディア・アルタイナ

 天翔竜騎士長の"蒼竜"。同上。空と海での戦いなら右に出る者はいない竜騎士兼竜使い。和敬清寂の女性で冷酷な完璧主義者だと云われているが、育児に手こずっており二児の母として奮闘している。夫は天使のように優しく、仕事で嫌になった時は全力で甘えている。


・レオーナ・S(ソル)・ベレヌス

 獅子王騎士長の"白獅子"。同上。白髪金目の拳闘士。純粋な力であるならば4大騎士長の中では最強を誇り、獣人種や竜人種にも素手で勝った実績がある。軍所属の者に対しては厳格であり、鬼越えて魔獣と騎士の間では揶揄されているほど。最近は婚期を迎え、焦りつつある。優男が好みだが、自分のことを好いてくれる男性がいない。がんばれ。


・ジョン・ブラック

 大海帝騎士長の"黒鯨"。同上。王国の大艦隊の総指揮官を務める"海の王"。黒髪赤目の初老だが、普段の外見は浮浪者に見えなくもない。4人の中では最高齢であり、素性も知れない。過去の戦いによるものか、失語症かつ片腕も失っており、顔半分を横断している傷跡から声をかける者はほぼいない。家族構成もなにひとつわからないが、ウイスキーとテキーラ、チーズが好きなことだけは知られている。そのためその類の酒をよくプレゼントされるが、本人はあまりよく思わないようである。そりゃそうだろう。


地方騎士団団長

○第一区騎士団長:煉獄のジル(ジル・ポーラー)

 伯爵のひとり(以下8人も同じく)。英雄アレックスの実の姉。炎属性全般使いこなし、煉獄魔法を得意とするという意味では危険人物。鬼軍曹ばりに厳しい人物だが、部下想いでもありそれゆえ騎士たちからの支持は分厚い。美人であり、男女問わず人気はあるも、その生真面目さ故に浮いた話は何一つない。ちょうど三十路を迎えるが兆しもない。趣味らしい趣味もない。まさに仕事一筋の人間。人生楽しいのかな。

 

・第二区騎士団長:等活のフェラム

 40代男性で人は良く、年齢に相応した落ち着いた性格。人を見る目は鋭く、嘘は見抜けるタイプ。蘇生魔法を得意としており、自他問わず死んで生き返ることにスリルと快感を得ているサイコパス。尚、独身。だろうな。


・第三区騎士団長:黒縄のセゼル

 縄術を得意とし、修飾魔法によって鋼鉄並みの硬度と強度、縄並みの柔軟さを兼ね備えた黒い縄を専用武器とする。30代男性。本人はいたって年相応の健常者だが妻が縛られることを性癖としているので、幾晩の対応に困っている。


・第四区騎士団長:鉄象のエレファン

 ゴーレムの構築を得意とし、鋼鉄の巨象を召喚することを可能とする。70代の細身の女性。戦闘よりも戦略や戦術に明るく、地方騎士団の基地で講演を開いている。若い頃のロダンやラザードを知るひとり。昔は氷鬼のように恐ろしくも冷酷だったそうだが、今は温厚で気さくなおばあちゃんとして兵士からも人気がある。ただ彼女の訓練内容は地獄といううわさも。


・第五区騎士団長:壊音のキリング

 サングラスとヘッドホンらしき頭部装着型の魔道具が特徴の30代男性。音魔法に長けており、遠距離へ音を届けることをはじめ、爆音による破壊や音色による魔法効果の付与が十八番。尚、地獄耳である。女好きで剽軽な男だが、作曲と演奏を趣味とし、作曲家はじめとする音楽家のかかわりもある。そのためコンサートで度々見かけることも。


・第六区騎士団長:青蓮のマッカ

 50代の男性。肥満体型であり、9人の中で唯一戦えない人間。しかし騎士団長としての仕事はこなし、騎士の教育や指導に徹底している。またエレファンに匹敵する戦略術に長けている。地方騎士団の中では騎士の満足率は最高レベルに達成している。4人家族だが、関係は非常に良好らしい。部下が組織と国を支え、育てていることをモットーとしている。


・第七区騎士団長:炎熱のイージア

 竜人種の血を継ぐ混血種の女性。外見は10代後半に見えるが実年齢は60歳を超える。純粋な力は勿論、剣術と火炎魔法に長け、また炎魔法は通じない耐久性を持つ。趣味は溶岩遊泳とぶっ飛んでいるのもあって、基地は火山付近である。強く美しい女性であることから求婚が絶えないが、同性愛者である。


・第八区騎士団長:奈落のアヴィス

 重力・引力魔法を司る40代男性。仮面をつけており素顔は分からないが口達者であり話題が尽きないタイプ。地下に基地を構えており、陽の光は好まず、夜に活動する。数少ない空を自由に翔ることができる人物。


・第九区騎士団長:無間のヘルマン

 30代男性。ビジネスマンのような風貌をしており、冴えないわけでもないがこれといった特徴もない。印象も薄く、影も薄い。生産性の悪魔と契約したと噂されるほどの効率重視型であり仕事はできる方だが、騎士団長としての戦闘的な実力は未知数ではある。噂程度だが軍事招集の際、ジルと食事に行ったそうだが、それ以降どうなったのかは不明。


【アコード六英雄】

○アレックス・ポーラー

 竜王殺し。燃えるような赤い髪と瞳が特徴の好青年(28)。竜王ゼルス・ドーマを討ち取った他、竜による襲撃を鎮静化し、紛争もたったひとりで治めた功績を持つ。力こそすべてだという持論を持つが、竜の専門家でもあり、魔法も多種多様に扱えるといった博識な一面もある。女性には弱い。ルミアに一目惚れし、拒絶されても諦める様子は皆無である。メルストに対し熱いライバル心を抱いており、リベンジを何度も果たそうとする一方、一人の強者として認めつつある。騎士団長ジルの弟である。


・マイケル・ジョーンズ

 流星落とし。青髪と金の瞳が特徴の好青年(にみえるが31歳)。隕石を射た矢で破壊し、散らばった火球群をすべて撃ち砕いたという伝説を持つ。尚、女を落とすのも得意らしいが、落とした後に冷めるタイプなので、長続きはしない。アレックスとはライバルの関係だと言っているが、アレックスは相手にしていない。そんなアレックスの心を落としたルミアと言う女とアレックスが勝てないと言っているメルストに対し興味を抱いている。


・クレア・セントルイス

 祈る巨神。栗色の髪と瞳、やや細目なのが特徴。宗教都市パストラに住まう大司教の一人。齢21の麗しい少女であり、聖職者の誰もが憧れる聖女かつ老若男女に愛される天使のような人間だが、本人は同じ大司教であるエリシアに対し尊敬を越えて推しになっており、エリシアの話になると限界オタクと化す。本人と一度あいさつを交わしたことがあるが、あまりの尊さに失神したという。降霊術や召喚術を得意とし、神と交信することで巨神を召喚することができる。ただ争いは好まず、魔法の使用も最終手段である。


・ロイ・ガンドロシア

 砲弾王。2メートル以上を誇る禿頭かつ巨漢であり、鬼か巌のような筋肉と強面を有する。素手で砲弾を投げ、大砲以上の威力を放ち、投げた砲弾がアコード王国の端から端を跨ぎ、打ち込む拳は都市一つを吹き飛ばし、投げるものすべてが砲弾以上の威力を発するなどの伝説を持つ。一度ロダンと対戦したことがあったが、コンバットではロダンに勝てなかった一方、砲弾投げでは唯一ロダンに勝った男でもある。砲術や銃、火薬学に明るいため、時折騎士団に向けて講演を開いている。寡黙であり、ストイック。


・ウルシア・マンシェリーヌ

 妖精兵器。黒髪と黄金色の瞳、白磁の肌が特徴。貴族出身の伯爵令嬢であり、あらゆる人を家畜と見下している。自分中心に世界が回っている唯我独尊思考の持ち主であり、それを認めざるを得ないほどのあらゆる才能を持ち合わせている天才(文才、武術、学問、芸術問わず)。なにやってもうまくいくタイプ。

精霊族と同等かそれ以上に妖精に愛されており、その力を使った全属性にわたる強大な魔法を得意とする(妖精に頼らなくても魔法は使える)。いわば(メルストやコーマ除けば)チート級の実力者。完全無欠だと思えたが、寡黙でストイックな人が好みかつ筋肉フェチであるがゆえに砲弾王のロイに対し好意を抱いており、話すとしどろもどろになる。エレファンの娘。


・ルーサー・グッドマン

 人類の奇跡。羊飼いの少年。10歳になる素直で可愛らしい金髪の男の子。すごくつよい。


【その他の騎士】

○キシュナー:第一区地方騎士団の技術隊隊長を務める老兵。


○モック:同上の騎士団に所属する騎士。弓術を得意とし、ルミアの奇行を矢で抑えつけた器用さを有する。バン・イートンにとどめを刺した人物。


○ハインライン

 王国衛生兵の護衛隊長を務める。屈強な肉体と海賊のような髭面をしている。国王護衛の為に命を賭して任務を全うしてはいたが、誰も知らないはずのフレイル・コーマの骨片の存在を認知しており、裏で誰かとつながりがあると疑いがかけられている。その後どうなったかはわからない。


○アレニウス

 ザイツェフ執行隊隊長。ロダンの教え子。実力は聖騎士団と並ぶと言われているが、聖騎士団の隊長らには敵わない。


   *


【オルク帝國】

派遣罪人

○Bn.レッキー

 魔霊種という実体をもたない幽霊のような存在。魔力の塊ともいわれ、生命に憑依して生きる種族でもある。リーアに恋い焦がれており、しばらくの間任務を放ってストーカー行為を続けていた。分裂も可能であり、各地方で誰かに憑依しては情報を集めていた。魔国では無差別集団暴行を起こした犯人として投獄され、派遣罪人として利用された。思い込みが激しく、それのおかげもあって人間関係はひどく、孤独だったという。他と違うことは自覚してはいる。


○マイラ・エンドリク

 精神系魔法および霊魂学の専門家。心理学にも明るい。洗脳や相手の脳信号を学習しスキル等を自身のものにすることを戦闘では得意とする。そのため、経験がないはずの槍術や基礎戦闘能力、蒼炎魔法や錬金術をコピーすることを可能とした。変身魔法も身につけている。悪魔の召喚術を知っており、追い詰められた際、鏡操の魔女として悪魔の契約者となった。

 夫が浮気し、離婚後娘と二人で細々と生活していたが、娘を幸せにするために裏社会の仕事に手を付けてしまう。


○ランナッド・ワスペル

 生体機構改変者ことバイオハッカー。生体情報並列演算系を専門とし、遺伝情報編集を得意とする。生体分子から生物のを設計し、設計生物の開発を行ってきた。大学でバイオデザインの研究に勤めていた博士研究員だったが、倫理法に触れてしまい処罰が下された。その後とあるベンチャー企業に勤めるも犯罪に手を染めていることを知らず、また半ば洗脳されていたので知らず知らずのうちに生物兵器を生み出し、国を脅かす存在となった。その後あっさり捕まり、派遣罪人に任命される。

 アコードではパラビオスの解析や改善に務め、成長や進化を促していた。魔国の設計生物「パラビオス」を制御し、魔術回路を組み込み、軍事利用の域にまで発展させた功労者でもある。

 個人的に彼とメルストが接触する話は考えてなかったが、エルダードラゴンの話を書くときに魔族と対決する展開の方が良さそうと思って急きょぶち込んだ人物でもある。行き当たりばったりなのが良く分かる。


○バン・イートン:

 軍の研究施設のセクター長を務めていた錬金術師。火薬や爆薬、爆発魔法の原理の追求や応用を研究しており、兵器化への貢献に携わっていた。だが研究者であるにもかかわらず倫理性に欠けている傾向があり、不穏分子として注意の対象にあった。部下の爆発事故の責任を負い、また、その実験をさせたのがバンだと判明し、研究から身を引く。職を失い、家族にも逃げられ、酒に溺れる日々を過ごし、やがて純粋な研究欲求を叶えるためにいくつもの爆発魔法の開発を行うようになる。それで野放しにされている罪人を殺め、闇市を爆破させたりしたが結果的に軍に捕まり、投獄。その能力の高さから一時的に兵器開発を担当され、後に派遣罪人としてアコードに送り込まれる。

 妻と娘を最期まで愛しており、自分のもとから離れて幸せになれたのならそれでいいと思っている。娘に言われたことは一言一句覚えているタイプ。

 46年前、世界大戦の兵士として出撃し、幾人もの兵を討ち取り、生き残った戦績を持つ。そのため、派遣罪人の中では最も強かった。尚、核爆弾である終戦宣言(ピーススプラウト)の設計開発者でもある。



R(レディー)G(ジェントル)・カンバール

 登場させたかった派遣罪人。レディージェントルは仮名。パラビオス製の鎧に寄生され、肉体との融合を可能とした準生体兵器。オカマ口調であり、帝國内のとあるバーのマスターを経営していた。娘同然に見ていた養子の少女と暮らしていたが、少女が人間族だと判明し、世間や組織から守るために数人殺めてしまう。投獄後、遺伝的にパラビオスに対し適合するタイプだと判断され、魔王軍の特攻兵として利用される。陽気な性格。オカマキャラは強いと相場で決まっているが、本編に出せなかった。

 アコードでは王都に大胆に襲撃し、数多のビースト型パラビオスを放ったという。だがたまたま居合わせたロダンによって鎮圧された。最後はパラビオスに取り込まれ、要塞と融合したような巨兵型になったという。


・マーク・ランターク

 スチールコングの異名を持っていた罪人。技術者としてパワードスーツの開発業に携わっていたが、薬物乱用の副作用により凶暴性が増し、数々の暴行を犯した前科がある。投獄後、軍の協力の下、搭乗式兵器の改善に努めた。

 アコードでは搭乗式特攻ロボットや遠隔ロボットを出撃し製造所や貯蔵施設の破壊を務めたが、聖騎士団によって鎮圧された。最期は自爆し、証拠諸共木端微塵にした。


・Hem.シェンパーピンキッス

 10代後半にも見える色気のある少女だが幾人もの男性を誑かしては殺害し、あらゆる体液を抽出しては全身に塗ったり飲んだりすることを嗜む狂人。乾燥体を粉末にして観葉植物の肥料にすることが心の安らぎだったと投獄時に述べている。感情の起伏が激しく、ハイテンションかつ扇情的な状態とネガティブかつ暴力的な状態が不定期に現れる。

 アコードでは自分に似せたオルク製の有機ガイノイドを各地方に出動させ、貴族のパーティに紛れ込む等、潜入して権力者の情報を得てから拉致、拷問していた。騎士団に暴かれ、追い詰められたとき、ガイノイド含み、自分の体内を爆発させ、自身の血や体液をその場の騎士たちに浴びせたという話がある。戦闘能力はあまり高くないが、腕や脚を改造し銃を仕込んでいたという。


・アレモロネイア.K

 脳科学の研究に携わっていたが、論文不正した結果学術界から追放される。その好奇心は倫理性のない怪物へと変貌させ、人を誘拐しては脳をいじったり、食したりしていた。神経細胞の錬成とオルガノイドの研究を独自で行っていたが、法的にライセンスのない者が許可なく個人で行うことは禁じられているので投獄される。

 アコードでは何人もの有力な情報をもつ人間を拉致しては脳を解剖し情報を採集していた。だが騎士団によって暴かれ、あっさり捕まるも脳の魔法的ハッキングによって騎士に乗り移り、隙を見て軍事組織の潜入を図った。だが不幸にも第二区騎士団長の直感でばれてしまい、永遠と思えるような生死を彷徨う拷問を受け続けた。死を望んだのか、魔王軍側が使えないと判断したのか、体内時限爆弾によって蘇生魔法も無効となる死を遂げた。


・Mv.ハレシア

 動力学を専門とする女性魔法物理学者。新型パワードスーツの開発に携わり、後に自分が装着し、ランナッドの計算と自身の計算に基づいた計画に従い、パラビオスの誘導剤をアコードの要所に撃ち込んでいた。これが後の食糧危機のきっかけとなる。パラビオスの観測や現地解析も担当していた。温厚な性格であるが、ある権力者と幼いころからのつながりがあり、性的暴行を受けたときに反抗し、勢いのままに殺害したことで罪人となった。30代独身。彼氏はいたが浮気された経験を持つ。

 アコードでは不幸にも英雄のマイケルによって撃ち落とされ、そのまま逃走するも四肢を射貫かれる。降伏しようとした際に体内の時限爆弾が作動し死去。


・デルタ.A

 不可視のデルタという異名で犯罪を犯していた魔術師。潜入し盗みや暗殺を行っていた罪を持つ。かつての専門は結界術と光学。自身や物を透明にしたり意識を逸らし死角を作ることを得意とする。魔法防壁の原理解明や応用研究に務めていたバリアのプロ。4章0話のベリアルト事件を考案・企画したのはこの人物。

 アコードではアコードでは重要施設の潜入を執行したが法王シーザーによって間接的に暴かれ、英雄のウルシア嬢によって一網打尽にされ、言葉の通り骨一本も残らなかった。


オルク帝國上層部

○スレイバル:

 べネススと契約を交わしている高位の悪魔種。元々は歴史的に悪名高い悪魔として知られており、インセル収容所に封印されていた。そこをべネススによって解放され、同時に従者の関係となった。あらゆる物体に憑依し、構造を組み替えゴーレム化することができる。飛空艇や瓦礫、街そのものを自分の肉体の一部として組み込むことも可能。竜の姿を好む。魔法も禁術レベルの上級魔法を容易に使いこなす。気性は粗く楽観的。


○べネスス・ハンガリ

 魔王軍元帥を務める軍事機関最高権力者にして最高戦力の一人。その実力は最新の軍事兵器や魔術をも凌駕し、英雄クラスでも手に余るほど。筋骨隆々の壮年に見え、いわばイケオジを彷彿とさせるダンディさを兼ね備える。オールバックの銀髪、血のように赤い瞳、灰色の肌を有するオストロノムスの魔人種。過去にロダンと戦ったことがあり、唯一勝てなかった(負けもしなかった)相手でもある。極めて厳格な性格。国と陛下への忠誠心が高く、そのためならば悪魔と契約することも厭わない。


○フォングラード・アディマス

 帝國の防衛大臣。そのためべネススとはかかわりがあるらしい。不敵な笑みや皮肉が似合う外見30代の男であり、掴めない人物。当然戦線に出ることはないが、若い頃は魔術師として世界大戦の戦線に出撃していた経験を持つ。他の貴族とは格が違うようで、魔王陛下と直で対談できるほどの権力を有している。指輪をしていることから婚約者がいることはうかがえる。


・ヘルゼウス・アルフォーナ・メルクリウス(故)

 第25代目魔王。歴代魔王の中では上位で魔法の才能に優れており、また政治や武術にも長けていたという。先代の遺志を継ぎ、世界の統合とアコード王国の制圧を目論んでいたが長年にわたる戦いの末、ラザードによって破れ命を落とす。世界が生み出した邪神ともいわれるくらいの怪物であったという。しかし帝國の民からの支持は高かった。一夫多妻で数多くの子を作っていたが、アルステラとヴェノスを除き殺害された。

 ※本編では63代目と書いてますが、正しくは25代目です。申し訳ありません(何が違うんだと思われそうですが)。


・アルステラ(同上)

 第28代目オルク帝國帝王。第二王女。ヘルゼウスの娘なだけあって、歴代魔王の中で最上レベルの魔法的実力を有している。女性が王になる事例は今回に限った話ではないが、例年通り支持は薄く不満の声もある。派遣罪人はじめアコード王国の制圧の指示を出した張本人。金と黒の袍服のような装いに、流れるような白磁色のワイレンロング、血色の瞳が特徴。兄ヴェノスに倣い、錬金術等の学問は相当博識。


○ヴェノス(同上)(故):

 第26代目魔王。第一王子。ヘルゼウスの息子。魔族で唯一魔力がほとんどなく魔法が使えなかった突然変異。だが知能に関してだけは天才の域であり、特に錬金術に強い関心を抱き幼いころから多様に渡る研究を続けていたという。

 魔王に即位するも何を血迷ったのか裏切り、亡命をした。その後、理由は不明だが世界を破滅させようとしたと王国の記録で記述されており、結果ラザードらによって暴動を鎮圧された。投獄後、処刑されこの世を去った。だが、彼が遺したものは現在多大な影響を与えており、少年期の研究記録と設計図がパラビオスはじめ、魔王軍の技術に利用されていたり、造られた複合獣のフレイル・コーマが解き放たれ、世界的危機に陥らせたりした。また、彼をとの繋がりがあった者もいるようである。

 


【六大賢者(エリシア除く)】

・希神の大賢者:

 世界樹と妖精界シェイミンの守護神を務めるエルフクイーン。全知の女神と形容されており、命を芽吹かせ、枯らせる力を持つと知られている。エリシアとは仲が良く、たまにエリシアの方から遊びに行く時もある。最近は連絡がこない。


・龗雨の大賢者:

 カミウミの海巫女。黒鬼の一族であり、双黒の胤裔の一人とされているが、メルストのような能力を有しているかは不明。水や海と海の怪物・神を司るといわれ、かつリーベルト共和国の繁栄に貢献しているが、ロダンやエリシア曰く厄介な相手で極力関わりたくないという。


・煌月の大賢者:クラロ・ルナイト

 パラサティヌス教団教祖。盲目であり、黒い布で両目が覆われている聖女。魔王軍や政府にも所属し、協力的に行動している。エリシアよりも遥かに膨大な魔力量かつ精巧な魔法の実力を有している。口数は少なく、感情の起伏もないに等しい。そのため氷の人形のようだと他の大賢者から評されている。誰にも素性を明かさず、六大賢者の間でさえ未だ謎の多い人物。だがべネススとはそれなりのかかわりはあり、ヘルゼウス魔王にも慕えていた。


・緋叢の大賢者:

 フリークスバーグこと蒸気大国ヴァネロッサ・ウィンダムの天主として国を管理している。女神に最も近い人物とされ、数々の神話を歴史上に残しているが、大量絶滅や天変地異の大体が彼女の気分一つで起こされている。大賢者のやべーやつ。


・硫弩の大賢者:

 虚構伝説ともいわれており、実在すら怪しいとされている。この大賢者に関して歴史的な記録はほぼないが、信仰している集団は世界各地におり少なくない(ただアコードにはあまりいない)。


【その他】

・ドルマ盗賊団

 リーデッド男爵に雇われた盗賊団。バルクの酒場でメルストによって退治された。いわばかませ役として登場させていただきました、ありがとうございます。


・リーデッド男爵

 盗賊団を雇用し、奴隷オークションにもよく参加している典型的な悪人貴族。騎士団によって捕まり、いまは牢獄の中。


・ブルデ一味

 ルマーノの町に潜入していた少数精鋭の盗賊団。ロザリーの家を放火した犯人でもある。厄介な組織だと言われていたがジェイクによってあっさり殲滅した。なんだったんだ君たち。


・オスニエル・ドリンカー

 魔法生物学の研究に勤しむどこかの大学の教授。虫型魔物は他の進化系統と異なることからこの惑星起源ではないという説を唱えたらしい。尚、この説は論文ごと否定されている。現実は非情である。


・フィリップス・アウレオール

 世界最高レベルのアルケミストのひとり。錬命学(医療生体や医薬、現代で言うバイオテクノロジー関係)の先駆者であり、数々の偉大な研究実績をもつ。本編ではメルストが引っ張ったアーティファクトやジャーナルの中で登場している。


・ウィスタング・サンジェルマン

 天空の黄金郷ことグランドール国に住む権力者。世界初の"黄金錬成(アルス・マグナ)"を為した世界有数の偉大な錬金術師にして世界一のカジノはじめ複数の企業を運営する最高経営責任者(本編より)。


○フレイル・コーマ

 終焉の渾沌獣(エキドナ)、世界の不都合という異名をもつ怪物。その正体はヴェノスが開発した複合獣(キマイラ)。15年前世界規模で打ち倒したものの、ないはずの骨の欠片から復活を遂げた。

 以前はあらゆる魔物や人間に化けたり、環境に溶け込める擬態能力を持っていたが、本編ではそのような要素は一切失っており、パラビオスの肉体をベースとしたものとなっている(姿の詳細は4-12-5より)。全長約15メートルだが、背を丸く屈んでいるためそこまで大きくは見えない。とはいえ二足歩行時の体高は脚を折りたたんでいて7メートル程度と異世界基準でも比較的巨体を誇る生物である。

 数多の命と複合しているためか、口調もバラバラであり、思考も一貫していない。しかし破壊衝動が優先していることは明らかであった。人を蟻のように一気に潰すことを好む。

 メルストと同じ双黒の力を持っており、コーマなりのスタイルで無限エネルギーを利用していた。それはワープ機能や細胞一個だけでも瞬時に完全再生する能力はじめ、1000 kJ/mol程度の結合エネルギーを与えても耐えられる圧倒的な物理化学的ないし熱力学的耐久性の向上、星を砕く純粋な力への変換は勿論、どこか遠くの銀河一帯を呑みこむブラックホールを生み出したり、ビッグバンを引き起こそうとしたほどでもある。中二がすごい。

 複数の魔物や種族問わず魔人族をDNAスケールでキメラ化させたが、元々は一人の人間であり、ヴェノスの関係者だった。ヴェノスの死後、解放されたコーマはオルク帝国を襲撃。オルクの軍事力を前に対処しきれなかったが、好戦的なコーマから手を引き、国外に出た。世界各地で暴れていることに危惧した世界各国は当時40代半ばだったロダンやラザード、シーザーを筆頭に4人の大賢者と7か国の主要国、2ヶ国の軍総出でコーマを打倒した。死の大陸とも言われるヴィスペルにて仕留めることはできたが、なぜ約15年の歳月を経てアコード王城の地下に死骸の一部があったのかは不明。当時のコーマはパラビオスの力をもっていなかったため、不完全体だったともいえる。

 誰よりも自由を好み、自身と世界の解放を望んだ。

 最期はメルストの原子ごと分解しエネルギーへと変換する力によって分解され、熱エネルギーへと換わった。それが核弾頭を爆発させ、爆発諸共宇宙の彼方へと押し返した。今度こそ、細胞一個どころかチリの一つも残らずこの世から姿を消したと報告された。

 余談だが、モデルはいろいろ取り入れてはごちゃまぜにしているも、発端はFear, and Loathing in Las VegasさんのRave-up Tonightという曲を拝聴したときにこのキャラを思いついた。

 個人的に大好きな人物でもある。


○神様

 メルストに異世界転生のきっかけを与えたらしい存在。白い髭と髪を生やした老人の姿であり、黒い布で痩躯を纏っている。主人公の魂をメルスト・ヘルメスの肉体に仕方なく移した。目的は不明だが異世界の未来の希望を望んでおり、本当なら自分がメルスト・ヘルメスとして降り立つ予定だったという。落ち着いた口調であり、無類の酒好きで、歌も好き。囚人の肉体をメルスト・ヘルメスとして改造したが、どのようにそれを行ったのかは不明。メルストの視覚野に映し出されていただけで、実在する存在かも不明。

PCクラッシュにめげず、第二部のプロットや序章の執筆はちょっとずつですが書いております。

次回(仮)「設定集2.異世界について」

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