7時 レベルアップ
不意打ち投稿
改めてステータスを視たがおかしくないかい?
まず1つ目、俺だけ上がり具合が低い!スライムとファントムメイジなんか計15はステータスが上がってるのに対して俺だけ計+7!不公平だ!!
次にHPとMPの様式が変わってる。恐らく左が現在の数値で、右が最大値なんだろう。そして俺だけ現在のHPが10とか、これまたおかしくないかい!?
……もしかして貧乳魔王様のクリスタル・○ォールとゴールデン・○ライアングルの影響か?それなら納得だ。死ななかっただけマシと言える。
レベルアップでHP・MPが回復しないのが残念だ。下手したら俺はもうじき死んでしまう。
3つ目が、武器・防具にも数値が出てきた。分かりやすいが、俺の手袋と靴ってなんなんだ……針もそうだが体の一部でもあり武器防具でもある。水陸両用的な?……それは違うな。
最後が魔石だ。3匹とも0だし意味が分からん。鑑定しても「魔石」としか出てこん。
「取り敢えずレベルアップしたが、訳が分からんな……」
「おぉ~」
「おぉ~」
俺が小さく呟くと2匹は驚いていた。
「さ、流石……隊長さんです……し、進化おめでとうございます……」
「ん?どういう事だ?お前らもレベルアップしてるぞ」
「…………んなバカな……進化出来る魔物なんて「隊長」か「名前付き」ぐらいのもんっす」
「そ、そうです……わ、私たち魔物は、本来持って生まれた力しかありません……わ、私たちは人間を倒しても進化出来ません……そ、それこそ隊長さんとか……だけです……」
「でも間違いなくお前らもレベル2になってるぞ?鑑定で視たから間違いない」
「…………ほ、本当に?」
「ああ、隊長を信じれ!」
「じゃ、じゃあ私達も強くなれるんですね?」
「そうだろうな(じゃなかったら俺が困るし)」
「…………でも、だったら、なんでなんすかね?」
「ん~確かに…………部隊長の称号に、魔法とスキルの効果を部隊に選べるってあるからこれかな?」
「で、でも……他の……ただの魔物が進化した話は聞いたことがありません……」
「その前に1ついい?レベルアップと進化って違うの?」
「た、隊長や……な、名前付きの方は……つ、使い分けますが……」
「俺らただの魔物はレベルアップしないんで、同じ意味で使います」
「……なら俺のスキル「目覚まし」かもな。これは進化を促すスキルみたいだから…………そうか!部隊長の称号とこのスキルが合わさってお前らもレベルアップしたんだ!!」
「ど、どういうことです……?」
「まず1つ目が部隊長の称号だ。これは魔法とスキルの効果を部隊の魔物に選択出来る。2つ目が目覚ましのスキル。これは進化を促すスキルだ。つまり、俺は無意識に「目覚まし」のスキルをお前らに使ってた訳だ!」
「な、なるほど……」
「…………お~マジっすか~」
スライムは表情を変えずに驚いている?
おいっ!そこのヤル気なしスライム!これはかなり凄いスキルなんだぞ!(今気付いたけど……)これがあれば俺達は強くなれる!
つまり生き残れる確率が格段に上がる訳だ!!それなのにだ!相変わらずファントムメイジはオロオロしてるし、スライムからはヤル気が感じられん!
逃げる時だけ積極的になりやがって……
まぁいいか……最後の方は俺も含めて皆頑張って、初戦闘もなんとか切り抜けられた訳だし…………取り敢えず、この場を離れるか……
「よし!2匹とも、改めて魔物の村に向かうぞ!」
俺は指示を出しながら立ち上がった。
「あっ…………に、人間達から……そ、装備を剥がさないんで?」
確かに。戦利品は必要だな。魔物の村でもお金がいるかもしれないし……売れそうなもんはとっとかないとな。
「なら、人間達から装備を……」
待てよ……スライムにもファントムメイジにも手がない……って事は……俺か?俺が剥がさないといけないのか?マジかよ!?死体の装備剥がすとかトラウマもんだわ!
マジでもう最悪だな……今日の俺、星座占いなら間違いなく最下位だわ……
「…………はぁ~」
マジで、タメ息しか出てこんな……
俺はビビりながら人間達の装備を剥がして、鎧と剣を収納した。収納と頭の中で念じたら、鎧×2、剣、大剣、盾が空に吸い込まれるように消えていった。
超便利!いやぁ、やっぱ収納・鑑定スキルは便利だわ。使い方も何となく解るし。
これは流石に貧乳魔王様に感謝しないとだな。
やることも済んだので、その場を立ち去ろうとしたら、足元に小さな小瓶が転がっていた。なんだこれ?
拾い上げて鑑定を使ってみた。
HP回復ポーション(小)……HPを50回復させる不思議な液体
ふむ。恐らく人間が取り出そうとした回復アイテムなのだろう。俺は2匹に了承を得て飲むことにした。
HP10→60
ふ~……これで1発デッドは無くなったっぽい。今度こそ本当に北にある魔物の村を目指すことにした。