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2時 ユニークモンスター



【ステータス】

名前:なし

種族:時計魔人

性別:男?


レベル:1(NEXT:0/1)

HP:101

MP:101

物理攻撃力:101

物理防御力:101

魔法攻撃力:101

魔法防御力:101

速度力:101


【称号】

「多機能時計」「No.564219部隊長New」


【スキル】

「目覚し」「針」「収納New」「鑑定New」


【魔法】

「時魔法アラーム」


【装備】

武器:長針(黒)、短針(黒)

防具:スポンジ手袋(白)、スポンジブーツ(白)




「ぷっ……ハーハッハッハッ、なんだこの魔物!?メッチャうける!ヒッー腹痛い、腹痛い!わ、妾の腹筋を捻じ切るきか!?」



 魔王様は今まで我慢していたのか、急に足をバタバタとさせ、腹を抑えて大笑いし出した。



 くっ……何だよ……俺だって訳がわからんのに……そう言えば、小説とかだと更に鑑定で称号やらスキルを細かく視れたような……試してみるか




【称号】


「多機能時計」

時計に与えられる称号。「スキル:目覚し」「時魔法アラーム」「スキル:針」を修得。


「No.564219部隊長」

魔王により任命された称号。No.564219部隊の隊長。スキルや魔法の効果に部隊の魔物を選択できる。「スキル:収納」「スキル:鑑定」を修得。




 なんだこれっ!?時計に与えられる称号!?舐めてんのか!魔人扱いすらされてない!ならこの世界にある時計は全部スキル持ちなのかよ!?




【スキル】


「目覚し」

時計スキル。自己の判断により進化を促せる。進化条件は不明(十人十色)。


「針」

針系の武器を上手に扱える。


「収納」

異次元に物を収納出来る。取出しも可。


「鑑定」

鑑定出来る。



 はい、出ました!なんだ時計スキルって!?しかも意味が分からん!!…………いや理解できる、条件は不明だけど進化出来るって事か……しかも自分の意思で……これは面白いスキルかもな……


 鑑定と収納は良いな。収納はアイテムBOXってやつだ。安心・安定のスキルだな。


 針は……なんだこれ?そう言えば武器も所持してたな。長針、短針って……まさか俺の眉毛の事か?

 俺は恐る恐る眉毛の辺りに手を当てた。すると、両手に黒い針が2本握られた。



 ぎゃぁぁぁぁあああああ!?



 眉毛が武器になったよ!?なんだこれ!?体の一部が武器とか!?取り外し可能なのかよ!!なんだよ、この珍妙な体!!



「はぁ…………」



 もう疲れてきた。後は魔法を確認するか。



【魔法】


「時魔法アラーム」

時魔法。魔法発動時、危険がないか察知し教えてくれる。消費MP10。



 これは時計魔法じゃないんだ……急に真面目な内容になったな。覚えてる奴も結構いそうだな。




「よし、なら貴様には特別に名を授けてやろう!」



 気づいたら魔王様は先程までの大笑いを止め、不敵に笑ってこちらを見下ろしていた。

 そういえば俺、名前なかったな……こっちの世界での名前か……どうせならカッコ良い名前がいいな。



「は、はい」


 俺は息を飲んだ。ゴクリ。



「決めたぞ!お前の名前は……レックスだ!!」



「えっ……あっ、はい……」



 う~ん、悪くないけど微妙だ……この珍妙な体でレックスって名前は違和感しか出てこんがな。もしかして魔王様はセンスがないのか?



「気に入らないか?他だとゴリラニウス、ポポンタロス、ユーカーキースなんか考えたのだがどうだ?」



「レックスでお願いします!」


 即答した。



 なんだよ!ユーカーキースって!?もしかして床キスの事言ってんのか?勘弁してくれ!この体はまっ平らで凹凸がないから、転倒=床キスなんだぞ!!



「よし、なら貴様の名はレックスだ!!行けレックス!!」


 魔王様はビシッと指を指した。



「えっと……どこへ……です?」


「決まっておろうが!No.564219部隊は【はじまり平原】所属の部隊だ!そこで勇者や冒険者共を駆逐するのが仕事だ!!」



 魔王様の号令が響く。



「………………嫌だ……」


 俺は小さく呟いた。



「何?」


「嫌だと言ったんだ!勇者となんか戦えるか!!俺は温々(ぬくぬく)と、安心・安全・安定の職場を希望する!!」



 どこの世界に好き好んで勇者と戦い馬鹿がいるんだ!そんなチート野郎、もっとドラゴンとかヴァンパイアとか強そうな奴が戦えばいいだろうが!




「こ、こやつ……妾に逆らいおってからに…………ええいっ、つべこべ言わずにさっさと持ち場に向かえ!!」



 魔王様の怒号が響く。



「くっ、そんな不安・危険・即死の職場嫌に決まっているだろうが!こんな職場、今日限りで辞めてやる!!」


 俺は死にたくないんだ!!



「貴様今日生まれたばかりだろうが!」



「うるさい、この貧乳魔王!」



 俺は魔王様から逃げるように一目散に駆け出した。



「…………いい度胸だ……時計の分際で……妾のチャームポイントを侮辱するとは…………」



 後方から、とんでもない魔力が放たれる。実は鑑定のスキルを魔王にも使ったのだが【鑑定不能】の文字しか出てこなかったのだ。

 どんだけ強いか想像も出来ん。



「クリスタル・○ォール!」



 魔王様が叫ぶと、俺は見えない壁にぶつかった。



「べふっ!?」



「くっくっくっ、魔王から逃げられると思っているのか?」



 しまった!ゲームでも魔王からは逃げられない!そんな常識すら失念していたとは……不覚……


 魔王様は不気味に笑いながらゆっくりと歩み寄ってくる。



「貴様には妾の新技の実験台になってもらおう!」


「…………マジかよ……」


「スキル【ターゲット】と、【闇魔法ブラックホール】、【転移魔法テレポート】の3つを合わせた妾の秘魔法……!」



 魔王様が両手を上に翳している。ヤバイ……死ぬ……



「喰らえっ!ゴールデン・トライ○ングル!!」



 俺の周囲に宇宙が広がりだし、星々が俺を囲むように三角形に軌跡を描く。


 俺は最後に捨て台詞を吐きながら、それに飲み込まれていった。



「ゴールド○イントの技を使うんじゃねぇぇええええっ!!あっ……」



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