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12時 魔王


予約投稿するつもりが、間違えたっす……でも18時にも投稿します






「ふむ……やはり失敗だったか?」


 辺りを暗くし玉座に腰掛ける金髪紅眼の胸が少し残念な美少女は呟く。



 彼女の名はフラーク・ミュラン。第759代魔王である。別名、天体を操る【天星王】と呼ばれている。


 しかし彼女の本当の凄さはそれではなかった。天体を操る魔法は彼女の力の一部に過ぎなかった。


 彼女の本当の力は、【スキルと魔法を組み合わせる】事にあった。それこそが魔王という種にのみ与えられた固有スキル?であった。


 同時に発動させて魔法の威力をあげるとか、そんなレベルの次元ではなかった。グチャグチャに混ぜ合わせて、全く別の新たな魔法を構築するのだ。



 人や魔物はそれを畏怖を込めて【秘魔法】と呼んだ。



 レックスがフラーク・ミュランから最初に喰らった重力負荷は、光速で即座に敵を沈める【グレート・○ーン】と呼ばれる秘魔法である。


 魔王からは逃げれない!という不可視の制約結界【クリスタル・○ォール】。これも秘魔法だ。


 【闇魔法ブラックホール】は広範囲魔法で、敵と周囲にあるもの全てを次元の狭間に飛ばす闇魔法最大の呪文であるが、使い勝手がかなり悪い魔法であった。しかし彼女はそれすらも改造したのだ。

 それが広範囲でありながら対象者だけを指定の位置に転移させる【ゴールデン・○ライアングル】という秘魔法(仮)だ。

 これに関しては、ただスキルと魔法を合わせただけ感があるので、ミュランは秘魔法にするか保留にしている。




 ともかく、この秘魔法を破るのは勇者であろうと容易な事ではなかった。



 歴代魔王はこの秘魔法を最低1つは会得していた。寧ろ5つ以下の魔王が大多数ではあったが、それでも強大なその秘魔法にちなんで、歴代魔王は【山脈王】であったり【樹海王】であったりと別名で呼ばれるようになるのだ。



 ただフラーク・ミュランは違った。紛うことなき天才であった。既に90もの秘魔法を開発しているのだ。それは歴代魔王の秘魔法であったり、全く別の新しい秘魔法であったりと様々であるが天才に変わりなかった。




「ふむぅ……妾もまだまだか………」


 ミュランは小さく呟く。


「!?…………誰だ?」


 ミュランは突如何かの気配を察知する。




「完全に気配を消したつもりだったのですが……」


 暗闇よりゆっくりとミュランに近づく男の姿があった。



「お前か……アガト」



「はっ、お久しぶりです我が王よ」


 男は即座に跪き頭を垂れた。

 


 男の名はアガト。頭より銀角が生え、真紅の肌に漆黒の長髪を束ねた悪魔(デーモン)であった。その身には髪と同じ漆黒色の服を纏っていた。




「ふむ、直接会うのは何年ぶりかのぅ……迷宮はどうした?」


「はい。私の迷宮は現在冒険者共が入ってきていない為、部下達に任せております」


「そうか……そういえば聞いたぞ、勇者を1人倒したとな。流石は妾の忠実なる僕。No.1の部隊長だけある。」


「とんでもございません。あの迷宮には第2代魔王【魔具王】様の創造された秘宝が数多く治められています。それを守護するのは当然の責務です」


「そうか……妾の秘魔法【魔眷召喚(デーモン・コール)】にて作成しただけあってアガト()流石だ」


「(アガト)()?」



 ミュランは少しだけばつが悪そうな顔をする。



「お前も知っているであろう……妾の【魔眷召喚(デーモン・コール)】にて作成した魔物は全部で11体。その11体はNo.1~11の部隊長に任命し各々、各大陸最大の迷宮を守護してもらっておる」


「左様です」


「だが、理性があり、知的で、自己の判断で動ける完璧な悪魔(デーモン)は……アガトお前と、タグイヤ、エメス・アニエス姉弟、ルティの5体だけだ……」


「……左様です。後の者は人格と言いますか、魔格に問題がありますね。我らの中で最強であるジ・オメガに至っては完全に魔獣と化してます」



「半数以上がそれでは流石に問題があると思ってな……妾は新たな秘魔法を開発したのだ」


「なんと!?88の秘魔法から更に新たな秘魔法を開発されたのですか?」


「ふむ。正確にはもう1つ作ったから、今は90の秘魔法だな」


「さ、流石です……ミュラン様。【天星王】の名は伊達ではありませぬな」


「だがな……その新たな秘魔法【魔人降臨(デビル・アドヴェント)】にて作成した魔物なんだが、これまた……失敗かもしれぬ」


「と、言いますと?」


「これを見てくれ」



 ミュランは1つの水晶玉を具現させると、アガトの眼前に浮かせた。

 アガトはそれが遠くのものを見る為のものだと即座に理解し、水晶を覗き込んだ。



 水晶玉に映るものを見てアガトは驚愕した。



「こ、これは……!?」


「……どう思う?」



 ミュランの問いにアガトは黙り込んだ。その場にしばしの沈黙が流れる。


 そしてアガトはゆっくりと口を開いた。




「…………時計ですね」



「そう、時計なんだ……」




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