ユビキタスは支障をきたす
僕は飛行機での長い旅を終えて、北海道は旭川空港に着いた。
北海道に到着して早々、僕は驚きの連続だった。
雪降っていないじゃん!
というか、北海道なのに暑い!
北海道の八月が暑いとか話に聞いていない。
僕のイメージだと、北海道の八月というのは、あたりには雪が積もっていて、ノルウェーやスウェーデンのオーロラ国と同等の寒さだと思っていた。
北海道、恐ろしい。
僕は羽田空港とは大違いの小さな旭川空港の小さな滑走路を見渡した。
自然がいっぱいだ。
羽田空港は海の上に建設されたのだから、周りに自然がないのはあたりまえなのかもしれないが、旭川は山の中にある街なので、まわりには自然があるのが想像つくのかもしれない。
が、それにしても、これは田舎すぎではなかろうか。
周りに何もない。
とりあえず旭川空港の中に入ってみる。
ちいさい!
というか、僕は空港というものを羽田空港しか経験したことがないので、だいたいの空港を僕は小さいと感じるのかもしれない。
まあ、羽田空港も数時間前に初経験したのだが。
案外、飛行機に乗らないと空港にも行かないだろうか。
空港から旭川の中心街まで行くことができるバスに乗る
までには少し時間があった。
お土産でも買おう。
旭川空港は小さい。と言ったものの、お土産ゾーンはたくさんあって、もはやこれは羽田空港が広いだけなのではないか、と考えを改めさせられる。
白い恋人とか、めっちゃ有名なお土産じゃん。
まあ、お土産は帰りに買うとして僕は今食べる用のお土産を買うことにした。
お土産の定義を考えさせられる。
お土産というものは、二種類に分けられると思う。
サックリ系と、
しっとり系である。
前者はクッキーとか。
後者はケーキとか。
試食を食べて判断しよう。
どちらも食べたい。
なるほどなあ。
札幌農学校……?
ここは旭川なのに札幌のお土産なのか。
案外そんなものか。
札幌農学校はクッキーであった。
試食がある!
いただきます。
おいしい!
バターの風味がしっかりとしている。味全体が良い感じにまとまっていて、とても上品な感じだ。そしてバターだけの安直な味ではない。牛乳の味もさることながら、砂糖も素材を殺さないちょうどよいバランスだ。触感もサクサクとしていて、それでいて、シットリともしている。香りも最高だ。
北海道すげえ。
北海道すげえ!
購入だあ!
僕は12枚入りの札幌農学校を購入した。
それにしても、札幌農学校ってどこにあるのだろうか。
農業高校ではないし。
あ、
クラークか。
あのクラーク像がそれだろう。
博識だ。
僕って博識。
さて、次はどこに行こうか。
次はシットリ系のお土産を頂きたい。
いただきたい!
蔵生……?
なんだかいやらしい響きだ。
僕の考えすぎか。
しっとりサブレというものを初めてみたような気がする。
サブレって、あのサックリサクサクとしているクッキー的な、ビスケット的な、あれではないのだろうか。
そもそも、サブレとクッキー、ビスケットの違いがわからない。
クッキーはビスケットと比べて、よりシットリしているような。
クッキーとサブレはどうだろうな。たぶんクッキーの方がシットリしているような気がする。
ビスケットとサブレの違いはどうだろうな。わからないな。
名前敵にはサブレの方がシットリしているような気がするような。
どっちでもいいか。
とりあえず、蔵生というエッチなお土産を試食する。
いただきます。
おいしい!
しっとりとしているサブレというのはイメージしづらいが、なんて言うのだろうか。ケーキの生地を極限まで押しつぶして、密度を減らしたような感じだ。食べた感じでは、シットリとしているのが口の中全体で感じられた。そして、このしっとりサブレの中には生チョコが入っている。この生チョコもサブレとあうように甘さが調整されていて、サブレと生チョコで全体のまとまりが素晴らしい。軽々と何個でも食べることができる。
北海道すげえ。
北海道すげえ!
購入だ!
僕は六個入りの蔵生を購入した。
あ!
蔵生の白もある!
なるほど。これは中がホワイト生チョコなのか。
試食がある!
いただきます。
おいしい!
こっちのホワイト生チョコはさっきの生チョコとは違って、甘さが強めになっているが、けっしてクドくなるような甘さではなく、全体として落ち着いた味にまとまっている。
北海道すげえ。
北海道すげえ!
購入だ!
僕は六個入りの蔵生(白)を購入した。
あ!
バスを逃した!
旭川空港から旭川の中心に向かうバスに乗るまでの時間つぶしのつもりだったのだ。
時間をつぶすつもりだったのが、僕がつぶされてしまったのだ。
ハッハッハ。
綺麗に締まった!