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多言失言遺言  作者: シャバゲナイト老婆
first season
6/49

ゴッドは最高なお金

真面目に書きました

 飛行機というものは、意外と乗ったことがなかったりする。

 たとえば、東京生まれ東京育ちの人ならば、やれ北海道だ、やれ沖縄だ、やれ外国だ、と思考することがなければ、東京内や東京近郊でこと足りてしまうし、旅行に行くとしても新幹線や、ところによっては船を使うという考えもあるだろう。使うこともあるだろう。

 ところ僕に考えても、意外と飛行機に乗ったことがなかったりする。

 やはりそれも一重に僕が東京生まれ東京育ちだったから。

 という訳ではない。

 ただただ、飛行機に乗る機会がなかっただけだったのだ。

 ふーん。

 まあ、そんなものなんだろうね。

 そうそう。

 というわけで僕は飛行機に乗るのが初めてなのだ。

 そして僕は搭乗手続きをして荷物を預けたり、あのピーとなるゲートを通ったり、あの飛行機を待つ椅子に座ったりしたりした。

 したりしたりしたのである。

 そして僕は今飛行機の中にいる。

 あのよくわからない飛行機に入る前に必ず通らなければならない空中に浮いていて床がグワングワンしているアレを抜けると、パンを口にくわえたキャビンアテンダントとバッタリ遭遇して運命を感じたり、横に座った人がカワイイ女の子だと思ったら、僕と同い年よりも少し上の年齢といった人で運命を恨んだり、あの運命を感じたキャビンアテンダントの人が他の人にも挨拶をしているクソビッチだということに気が付いて、この世の中が無常なものだと嘆いたりした。

 さてさて、そうして、そうして。

 出発しちゃう。

 携帯の電源を切る。

 天井からモニターが出てくる。

 フムフム、なるほどなるほど。

 顔文字で言うところの

(・_・D フムフム

 であろうか。

 もちろん嘘である。

 もう僕の顔には飛行機に対する恐怖心が出ているだろう。

 もう僕の顔には飛行機に対する緊張感が出ているだろう。

 もう僕の顔には飛行機に対する好奇心が出ているだろう。

 顔文字で言うところの

(。◕ˇдˇ◕。)/

 であろうか。

 なんだろうか。

 この顔文字。

 初めて見た。

 この顔文字はどういう状況で使うのだろうか。

 さて、さてさて。

 飛行機が動き出した。

 おっそ!

 なんだよ飛行機。楽勝じゃないか。

 越訴!

 越卒!

 楽匠!

 落掌!

 托生!

 僕は飛行機の安全注意を確認する。

 天井に設置されたモニターを見て、いざというときのために備える。

 横に座っている人は天井のモニターを見ていない。

 ないがしろにしている。

 おいおい、もしも万が一の時があったとしたら、困るのは君の方だよ。

 いや、万が一のことがあったら僕も困るのだが。

ε- (´―`*)フッ

 飛行機は滑走路を曲がっても、なお、進んでいく。

 グングンと、人を馬鹿にしたような低速で低俗な進みを進む。

 バーカ!

 “それでは、快適なフライトをお楽しみください”

 ぐうううううううん。

 あああああああああああああああああああああああああああ

 速い速い速い速い!!!

 裏切ったな!!!!

 死ぬ!

 異常事態発生!!!

 ストップして!!!!ストップ!!!!!!!

 停止!!!!

 緊急停止!!!!!

 ああああああああああああああああああああああああああああああああ

 速すぎて体がちぎれそうだ。

 頼む、頼む。

 飛行機の中で僕だけが唸り声をあげている。

 どうやら飛行機に乗っている人は僕だけのようだ。

 残りは人外。

 妖怪?

 浮いた。

 飛行機は浮いた。

 東レが作った馬鹿みたいに大きな炭素の塊は浮き上がった。

 金属?

 Gが凄い。

 左の方が重力のかかりが凄い。

 左の金玉の方が重力のかかりが凄い。

 重力?

 体が変な感じになる。

 恐怖しかない。

 あ。

 端的に言って、早い話が、とどのつまりで、僕はおしっこを漏らしたのだ。

 おしっこを漏らしたのさ。

 フフン。

(´艸`*)

 まあ、パンツが濡れたほどでしかないので、実際、実質的には、ノーカウントだろう。

 もう嫌だ。

 飛行機はおしっこを漏らした僕を乗せて、グングンと上っていく。

 上昇していく。

 次第に、安定したようだ。

 シートベルト着用サインが消える。

 プッ。

 え?これ安定しているの?

 不安定じゃない?

 陸よりも不安定じゃない?

 僕は口の中で飴玉をコロコロと転がす。

 トイレに行きたい。トイレに行ってパンツを脱ぎたい。

 この湿った僕を脱ぎ捨てて乾いた新しい僕に生まれ変わりたい。

 だが、だが、だ。

 この不安定な飛行機の中で立ったら、僕は転がってそのまま飛行機の外に放り出されてしまいそうだ。

 それとも立った途端に床が抜けてそのまま飛行機の外に放り出されてしまいそうだ。

 コーラを飲みたい。

 ビールを飲みたい。

 ソーダを飲みたい。

 二酸化炭素を含有した発泡のある何かを口に含みたい。

 僕は腰に備え付けてあった小さなカバンから、ソーダ飴を取り出す。

 食べる。

 ソーダ飴というものは、だいたいが、ソーダの味をしない。実はソーダですよ!という感じの味しかしない。

 ソーダ飴というものは、だいたいは、発泡の味をしない。

 発泡の感覚を一切しないのだ。

 僕は空を見上げた。

 見上げた。といっても、横が空なので、見上げた。という表現はおかしいのだろうか。おかしいのだろう。

 だが、空はいつでも見上げるものだ。そう考えるならば、空を見上げた。という表現が正しいのだろう。きっとそうだろう。

 さて、僕は、持っていた携帯で外の写真を撮った。

 だいぶ飛行機に慣れてきた。

 だが、トイレには行けない。

 床が抜けそうだから。

 飛行機から放り出されそうだから。

 僕はキャビンアテンダントに話しかけられた。

 逆ナン。というやつだ。

 運命を感じた。

 飲み物をくれるようだ。

 いかした娘だ。

 僕は断った。

 もちろん、これ以上おしっこを漏らしたら大変だというものもある。

 もちろん、飲み物をこぼして服が濡れて、パンツも含めて全ての服装が濡れたというのもある。

 もちろん、そこまで飲み物を欲している気分では無かった。という気分もある。

 だが、僕はなによりも、お金がかかると思っていた。

 その、飲み物に。

 横の席の人がタダで飲み物を、ドリンクゲットをできたのをみて、僕は理解した。

 無料かよ!

(; ・`д・´)

 いや、もちろん、顔には出していない。

 帰りの飛行機では、飲もうかな。

 コーヒーを飲もうかな。

 リンゴジュースを飲もうかな。

 リンゴジュッチュを飲もうかな。

 飛行機はまだまだ進んでいない。

 仙台にすら届いていない世の中だ。

 世知辛い。

 飛行機前半終わり!

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