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多言失言遺言  作者: シャバゲナイト老婆
lazy season
4/49

ジョブズの仕事

とりあえず回数たくさん書いておけ的な

「まずい。」

 そう言いながら祖父は戻って来た。

「USBないわ。」

 やはりUSBはどこかに無くなってしまったようだ。

「データのバックアップは?」

「パソコンごとゴミに捨てた。」

「なぜ捨てた。」

「というより、身辺整理ということで捨てられた。」

「もうそれ半分、老人虐めじゃないか。」

「ばあさんはアンチウインドウズだったからなあ。私がマックを使っていれば捨てられなかったのかもしれないが。」

「とても老人の発言とは思えないな。」

「まあ、とりあえず、覚えている限りで思い出すから。それを元にして会ってくれ。」

「というより、そんなの覚えていないものなの?遺言書にも書くようなほどの人なんじゃないの?」

「年寄りのボケる速度をなめるなよ。」

「なめられた!」

「それは私のセリフじゃない?」

「ボケ老人が気にしないでいいよ。」

「なるほどなあ。」

 祖父はとりあえず最初に覚えている人を書いてくるから。といって自室に戻っていった。


 祖父、カムバック。

「とりあえず、この住所まで行けばいいから。」

 そういって祖父は紙を渡してきた。

 そこの住所は北海道だった。

「え、僕って今から北海道に行くの?」

「そうよ。」

「もっと近場なかったの?いきなり北海道とか辛いんですけど。」

「ゴタゴタうるせえな。ガキが。」

「急に怒る!」

 最近はキレる老人が増えてるというのをテレビで見た。

「じゃあ、これは飛行機のチケットね。明日の朝九時発だから。」

 そういって祖父は飛行機のチケットを渡してきた。

「マジかよ。」

「マジに決まっているだろ。ここでさらに揉めたらストーリー的に全然進まないだろ。少しは理解するべきだよ。孫よ。」

「もうメタフィクションの世界はいいよ。」

「こんな、陳腐なメタフィクションは要らないって訳か。」

「誰も陳腐とは言っていないけど、流石にこれはメタフィクションの大安売りというか、質が悪いというか。メタフィクションの名を汚しているような気がしてならないよ。」

「一理あるね。」

「じゃあ、僕はとりあえず北海道に行けばいいのね。」

「後悔はさせないよ。私の74年の人生に誓える。」

「おじいちゃんって今86歳でしょ・・・。」

 年寄りはすぐサバ読む。

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