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00 幼なじみの告白
それは、高校二年生の春の出来事でした。
「あの、実は俺……」
「あのさ、俺、実は……」
佐藤理子は、両隣りに住む二人の幼なじみから、それぞれ告白をされました。
一人は、栗色の髪に緑の目を持つ王子様のような子で。
一人は、黒髪に黒い目を持つ綺麗な若侍のような子で。
二人とも、真剣な表情で、濁りの無い純粋な目で、まっすぐに見つめられ。
「前世が魔王でさ」
「前世で勇者やってたみたいなんだ」
告白を、されました。
「……」
理子は、笑顔で首を傾げます。
とりあえず、思ったことは一つでした。
――二人とも、病院行ってこようか!