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Run away! 2

ユウトくんとユウカちゃん。

作者: 貴幸

僕にとってはある意味のデジャヴでしかないです。

何気なくTwitterを見ると知らない人にフォローされてた。


違うクラスの女子だ。


なんとなくフォローを返した。




別に話す事はなかった。






「ユウト〜お前いつまで片思い主義続けるわけ。」



「一生。」



一生カナが好きだ。



「ダメ!その気持ちがダメ!」



幼なじみの山下が必死に俺を説得しようとしてくる。

何を言われても俺がカナへの恋を終える事はないだろう。



「なんなの、田中さんの何がそんなに好きなの!?」



「一言で言うと…全部、かな。」



「わーかっこ良いともすんとも思えねぇ。」



好きなだけ言うが良い。

俺は窓の方へと体を向けた。

空は青い。

グラウンドを見ると同じ学年のジャージ女子が外を走っていた。

何組だろう。


その目にカナを発見した。



「あ、カナだ。」



「お前視力BかCじゃなかったか。」



「愛さえあれば見える」



「きめぇよ」



隣には雪もいる。



「秋なのにまだ女子外でやるんだな。」



「うちの学年女子の体育の先生厳しいらしいからな〜」



と言っても男子は本当に冬ギリギリまで外で体育するが。



「カナちゃんどこ?」



「お前は見なくていい…」



「いや、俺お前みたいに相手いる人は好きにならねーから」



「まだ付き合ってねーし!」



そしてハルトの体質からして付き合う事はない。

まだ、まだ希望はあるわけだ。



「あ、もしかしてアレ?」



「それ以上探そうとしたらそな目を潰す」



「だからこえーんだよ独占欲ありありのストーカーかよ」



少しストーカーに近いのは知っているがカナの了承は受けている(同級生。参照。)



「カナちゃんもカナちゃんだよね〜男垂らすなんて、ユウト少しかっこいいし告られたりしてねぇの?」



「しても断る」



「マジかよ〜」



「お前とは違うんだよ!」



山下は三叉している。

どうすればそこまで彼女ができて彼女に浮気がばれないのか。

俺が親切に一人一人にこいつの裏側を伝えてやりたい。



「女の子悲しませるのは嫌だからね」



「彼女を今すぐここに呼んで目の前でお前の喉に硫酸流し込んでやってもいいぞ」



「いちいち発想が怖いんだってば」



「だからお前はいだっ!!!!」



突如上から鈍器のようなもので叩かれたような痛みが襲う。


そこで今授業中で問題を解く時間だという事を思い出した。


俺と山下の顔が青くなっていく。

恐る恐る上を向くと鬼のように怖い顔をした先生がいた。



「廊下に立ってろ。」



苦笑いをせざるを得なかった。







「今時廊下に立たせる先生なんているのかよ〜」



「あんまりしゃべってると時間増やされるぞ」



「とか言いながら無言で携帯いじるお前はなんなんだ」



「山下ァ!!!!」



先生の怒号が聞こえた。

飽き足らず山下は小さい声で話しかけてくる。



「ずっと気になってたんだけどさ…」



「何、告白?」



「ちげーし、お前誰と話してんの、今日ずっと。」



山下は勘がいいのか、ただ俺の携帯を盗み見たのか。

たしかにだいぶ前フォローされた人と漫画の話で盛り上がっていた。



「…同級生だって。」



Twitterでプロフィール欄をみせる。



「この子は知らんなぁ…」



「俺も見たことない。二組だから遠いしな…」



「ユウトの事狙ってるんじゃね?」



こいつは何を言ってるんだ。

出会い厨め…



「それはないだろ…クラスはなれてたら関わりって本当にないし。」



「でもさぁ」



「横田ァ!!!山下ァ!!!」



すっかり廊下に立ってることを忘れ話くさってしまった。



「ゲッ…」



ここから三十分長く立たされたのは言うまでもない。









「ないわ〜次の授業ギリギリまで立たされるとか」



授業は終わり休み時間へと入っていた。



「次体育か…」



「間に合わないしさ、サボんね?」





「スタバでも行くか」



「さすがユウトくん!」



山下とは付き合いが長い。

こいつといると真面目でいたくなくなってしまう。

悪い癖だ。

いや、違う!一時間先生に立たされてたんです!!!









「ユウトさん、お主も悪よのぅ。」



頼んだカフェラテを一口飲む。

山下は熱いのを選んだせいか少しずつ飲んでいる。


スタバの飲み物って熱いよな…



「ちょっと冷たいのと交換してもらうわー」



交換してくれるのか…?



「もう飲んぢまっただろー」



「店員知り合いだから大丈夫よーん」



卑怯者め。


Twitterを開く。

返信がきてた。

本当にこの子が俺に気があるのだとしたら申し訳ない。

俺は、カナが好きだ、好きだ。



『ユウトくんって好きな人とかいるの?』



「えっ」



案外山下の言ってる事はあってるのでは…



「ユウト〜聞けよ店員さん変わって……どうした?ユウト。」



「シズル〜…」





「付き合えば良いだろ〜ってかさ、あんま置いてたらその気で考えてるって思われるぞ、はやく返せ。」



「でも好きな人いるっていったら悲しむだろ…でも付き合いたくはないし…」



「お前すぐ断るって言ってたじゃないか」



本当にこうなるとは思わないだろ、普通。

会った事もないのに…

俺が彼女に何をしたって言うんだ。

なのにフるのはかわいそうすぎる。



「ほら、かせ。」



「あ、おい!」



パタパタとスマホをうち始める。



「はい。」



『内緒かな。』



「お、お前にしてはまともな返しだな…」



カフェラテはもう残り少なくなっていた。

というか相手は授業中にTwitter開いてるのかよ…



「ゆっくり考えろよ、彼女からの告白は近いだろうし」



わかってる、わかってるけど…










「うおっ…」




『ユウトくんの事が好きです。』




突然DMできた。

え、どうすれば…



『俺、君と会ったこと無いし、あんま考えられない。』



ああ…胸が痛い。




『じゃあ合えば良いですか』








放課後、図書室に来た。

やばい、緊張する。

どんな子かもわからない。

名前は、ユウカちゃん。



「横田くん!」



後ろを振り返る。

ユウカ、だろうか。

肩まで髪があるかないかくらいの髪型だ。

普通に可愛い。



「あ、えっと、こんにちは。」



「こんにちは。」



汗がダラダラと流れる。

こ、告白されるのか…?



「好きな人、いるんですよね。」



「えっ!?」



誤魔化したはずなのに。



「秘密、なんているって言ってるのと同じじゃないですか。」



山下のあざ笑う顔が頭に浮かんだ。

騙しやがった…



「彼女さん、可愛いですか?」



「い、いや、彼女じゃないです。」



何故か敬語になる。

そしてカナを彼女と間違われていた事にはにやけた。



「断られる覚悟で来ました、好きです、付き合ってくれませんか…」



どうすればいいのかわからない。

図書室の片隅、誰にも聞かれないこの場所で俺は人生初めて告白された。



「こんな事言うのもアレだけどさ、その…友達じゃダメなのかな。」



「え?」



「俺、あんたの事何も知らないんだよ。だから付き合ってって言われてもその…ピンとこないし、断る理由も実はないんだ。ならさ、友達になってくれないかな。」



「え、でも…」



「君の事を知りたいんだ。」



苗字も何も知らない。

この子のいろんな事を知ったらもしかしたら俺はこの子の事を好きになるかもしれない。

カナを、諦めれるかもしれない。



「佐藤悠花です。友達から…よろしくお願いします。」



笑った彼女の笑顔は可愛かった。









我ながら最低な事をした気分だ。

これじゃああの子は俺の二の舞じゃないか。

もっと彼女には似合う人がいたのではないだろうか。



「ユウト!帰ろう!」



お前が一番の原因だ。



「うん。」



「ユウト、告られたって本当?」



心臓を鷲掴みされたような気がした。



「なんで知って…!!!」



「良かったじゃん。めったに無いよ告白される事なんて。」



「あ、うん…」



何にも動じないんだな。

俺が告白されたって自分には関係ない事だもんな。



「彼女さん、可愛い?」



「付き合ってないよ。」



「断ったの?」



なんでそうグイグイ聞いてくるんだ。



「断った…っていうか本当あったの初めてだったから、友達から…って。」



「もったいなーい」



カナは数歩先を歩く。

パッとこちらを向いてきた。



「でもなんか安心しちゃった。」



安心…?

カナはニコリと微笑んだ。



「何がだよ。」



「内緒〜」



君以外と付き合う気にはまだなれないんだ。


…まだ。



「カナのせいだからな!」



「何がよ!ユウトのバーカ!!!」




今日も君の笑顔が眩しい。







ユウトはまだカナの事諦めれてません。


佐藤悠花ちゃんをよろしくお願いします。

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