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第2話 簡易契約

光が十分に弱まったのを見計らい、凛が自らが召喚した悪魔の姿を確認しようと目を開くと、そこにはTVでも見たことが無いような美少女が立っていた。


凛はまず最初に、少女の生身の人間では有り得ないくらい整った顔に目を奪われ、そして次に年頃の青少年には刺激が強過ぎる大胆な衣装に目を奪われた。


なんと少女は上半身は黒のビキニのみ、下半身は同じく黒のショートパンツとニーソックスしか身に着けていなかったのだ。


水着のようなゴム製ではなく、皮製のボンテージ風の衣装を普段着のように着こなしている。


身長は凛のおでこくらいまでしかないので、恐らく160cm前後だと思われる。


瞳の色は青で、肌は白人のような真っ白な肌であり、そこには日焼けやシミなどは欠片も見当たらない。


さらに、髪は薄い桃色というこれまた人間では有り得ない色にも拘らず、絶妙に似合っている長い髪をストレートに下ろしている。


だがしかし!この少女の一番の特徴は、容姿や格好でなはく、その身に宿した『羽』と『尻尾』である。


なんと目の前の少女には、その身が悪魔であることを証明するかのように、人間には絶対に存在する筈のない器官が付随していたのだ。


肌の色は白なのにも拘らず、背中から直接生えていると思しきその羽は何故か蝙蝠のような漆黒の羽であり、お尻から生えていると思しき尻尾も羽と同様に漆黒に包まれ、その先端はハートのような形をしていた。


「初めまして。私は夢魔族のリリムよ。人間の君にはサキュバスって言った方が分かり易いかしら?それはそーと、遅くなっちゃってゴメンね?この私を差し置いて君の召喚に応じようとする大量の夢魔(ビッチ)を薙ぎ払ってたら、思いの外時間が掛かっちゃって……」


リリムと名乗った少女は、首をちょこんと傾げつつペロッと舌を出して凛に謝った。


「えーっと、俺の名前は渡瀬凛……です。リリムさん、これからよろしくお願いします」


色々と気になる発言だったのだが、リリムのあまりの可愛さに凛は突っ込む機会を逸してしまった。


とはいえこのまま黙っている訳にもいかず、辛うじてそれだけは口にする。


「リンね。これからよろしく!とゆー訳で、早速だけど一つ良いかしら?私たちはこれから大事なパートナーになるんだから、リリムさんなんて他人行儀な呼び方じゃダメ!どうしても敬称を付けたいなら『リリムちゃん』なら許してあげてもいーよ?」


リリムは凛の鼻頭をツンと突き、呼び方を変えるように促す。


「い、いや。流石にそれはちょっと……じゃーリ、リリムって呼ぶことにするよ」


凛は目の前の少女に『リリムちゃん』と呼び掛ける光景を想像し、彼女いない暦=年齢の自分にはハードルが高過ぎると辞退した。


「まぁ良いでしょう!それじゃー改めてよろしくね、リン!」


「あ、あぁ!こちらこそよろしく、リリム」


凛はリリムの差し出して来た右手を見て握手を求めていることに気付き、少し顔を赤くしながらもその小さな手を握り返した。


手汗とか掻いてないだろうかと心配しつつ初めて握った女の子の手は、とても小さく暖かかった。






「先生!今の俺って、リリムを召喚しただけで、まだ契約した訳じゃないんですよね?これからどーすれば良いんですか?」


凛は少々名残惜しみつつもリリムの手を離し、契約の仕方を横にいる希望に尋ねた。


「そーですねぇ。召喚した悪魔によってそれぞれ条件が違うので、一概にコレとは言えません。まぁ、彼女はサキュバス族ということなので、大凡の見当は付きますが……」


希望は微かに顔を赤くしつつ、言い難そうに言葉を濁した。


「……?」


凛は希望の反応の意味が分からず首を傾げる。


「簡易契約なら今この場ででも出来るよ?ってゆーか、あんまりのんびりしてると、ゲートが閉じて魔界に強制送還させられちゃうかも……」


リリムは光が弱くなり始めた召喚陣を指差し、残り時間が少ないことを凛に伝える。


「む、それは不味いな。この場で出来るならさっさとやっちまおう。それで、俺はどーすれば良いんだ?契約書にサインとかするのか?」


「下位以上の契約をする時はそれも必要だけど、今からやるのは私を人間界に留める為だけの簡易契約だから、もっとシンプルよ。リン、悪いんだけどちょっとの間だけ目を瞑ってて貰えるかな?」


「……?あぁ、分かった」


凛はリリムが何をしたいのかサッパリ分からなかったが、契約者に危害を加えるようなことはしないだろうと、言われるがままに目を閉じる。


「スー、ハー…………で、では……い、頂きます!!」


リリムは深く深呼吸をした後、意を決して凛の顔を両手で挟み、そのまま唇を重ねた。


「……んんっ!?」


凛はほのかに湿りつつも暖かく、それでいて柔らかいナニカが自らの唇に押し当てられている感触で、漸くリリムに何をされているのかを悟り、驚きと共に目を見開いた。


既に悪魔との契約を終え、少し離れた所から凛たちの様子を窺っていたクラスメイトたちが「キャー!」とか「あぁー!」とか悲鳴を上げているが、凛はそれどころではなかった。


美少女にキスをされて嫌な訳はないのだが、心の準備が全く出来ていなかった為、反射的にリリムを押し退けようと全力で肩を押したのだが、何故か腕に全く力が入らず、リリムの身体はビクともしなかったのだ。


お陰でそのまま彼女にされるがままになってしまい、年頃の少年少女の悲鳴は益々ヒートアップしていくのだった。


「んっ……んんっ……ぴちゃ……ぴちゃ……ごくんっ!」


リリムは凛の抵抗が無くなったことに気付くや否や、舌を差し出して絡め始めし、お互いの唾液が混ざり合った物を美味しそうに嚥下した。


「はわわ……」


そして、そんな2人のすぐ傍に立っていた希望は真っ赤にした顔を両手で覆いつつも『私の生徒がちゃんと悪魔と契約出来るかどうか見届けなくちゃ!』という建前の下、目の前で繰り広げられる凛とリリムの濃厚なディープキスを指の隙間からバッチリ見続けていたのであった。






1時間にも2時間にも感じられた1分後、快感と虚脱感と共にリリムに精力を根こそぎ吸い尽くされ、ついに凛は立ったまま気絶してしまった。


「ア、アハハ……ごめん、リン。初めてだったから、ちょっと吸い過ぎちゃったかも……ど、どーしよ?」


リリムは精力を吸われ過ぎて若干顔色が青白くなってしまった凛が床に倒れないように抱き締めて支えながら、傍に立っていた希望に助けを求めた。


「と、とりあえず保健室に運びましょう。どなたか手伝って下さい!」


希望はリリムの呼び掛けで我に返り、腕力のある男子生徒数人に手伝って貰いつつ、凛を1階の保健室へと搬送して行った。

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