プロローグ
時を語るなら、この物語は固定観念に囚われてはいけない。
「アドゥワビ歴362年。
月が二つ浮かび 時にはその引力に引かれ 海の水が噴水のように伸びていく現象さえあるような世界。
そして、そんな世界にも 悪と呼べる者たちが
今も世界を征服せんと村を、生物を、植物さへ根絶やしにする勢いじゃ。
さて、語り部はこのくらいにして。
急ぎ、世界の魔を打ち払ってくれる勇者を召喚する時じゃ!」
建物の中は蝋燭の光のみで二人の人物を浮かび上がらせている。
「補助いたします、ネネツ師匠!」
ネネツと呼ばれた者はサッともう一人の行動を手で遮る。
「お前は万が一の事だけを考えておればよい。力を使い果たすのはワシだけで十分よ!」
そういうとネネツはフードを脱ぎ、そのとがった二本の角を露わにしたかと思うと
一本を折り布で包みこむ。
「オウノヨミ・ハミダル。これを持っておきなさい。ワシの魔力を蓄えてある。後の事は頼んだよ・・・」
「師匠!」
言うが早いかオウノヨミを遠のけると魔法陣を展開しその身に宿る魔力を全てつぎ込んでいく。
「魔を払え邪を払いたまえ、打ち勝つ力を持つ稀人よ!召喚に応じよ!」
魔法陣は一層輝き天井を貫くほどのまばゆい光が天を貫いた。
まばゆい光がゆっくりおさまりその中心には剣を携えた剣士風の男が立っていた。
それと同時に倒れ伏せるネネツの姿を見つけるとすぐさまオウノヨミは駆けつける。
「師匠?!・・・眠ってる。」
剣士はそれを見て察しがついたように語り掛けてくる。
「その、お師匠さんが オレを召喚したってことで解釈でいいかい?」
剣士は前にもそういう経験があるような口ぶりで話す。
そして、もう目の前まで迫っていた魔獣が扉に爪を立てている。光の柱をみて集まってきたのだ。
「説明は後でいい、最初からピンチな状態なんてね!」
剣士は見事な剣裁きで集まってきていた魔獣を一掃していく。
息を整え剣士は状況を確認する。空は薄暗く、木々は腐れ落ち 軋り捨てられた魔獣の死骸は煙につつまれ消えてしまった。
「その魔獣たちは魔王の手下。召喚を邪魔しようとしたようですが間に合ってよかった・・・」
そう、この世界は魔王が世界征服せんと日々、争いが絶えない世界だった。
「ま、魔王か・・・そいつを倒すために呼ばれたんだな?」
「理解が早くて助かります。お名前をうかがっても?」
「スォーン。・・・スォーン・オルガンだ。」
名前を名乗り終えると地響きがなり大きな影を作っていた。
「がぁはははは!勇者召喚を止められなかったのは残念だがここで仕留めれば同じことよ!」
巨大なオークの姿をした魔物がこん棒を二つ携えてスォーンと対峙する。
「四天王のクラブ?!気を付けて!先ほどの魔獣とは強さが!」
「ご名答!そして、しねぃ!」
四天王と呼ばれたオークはそのこん棒を力任せに振り回す。
スォーンは剣で受け流しつつ四天王に切りかかるが切り口はみるみる回復する。
「いてぇなぁ!攻撃する隙もあたえてやらねぇぞ!」
四天王クラブは二つのこん棒を地面に出たらめに打ち鳴らす。
「な、なにをして?!」
するとさきほど先ほど倒した魔獣が煙を集めたように収束、復活・・・いや、むしろ数が増えている。
「聞いたことがあるわ、あのこん棒はダグダの棍棒と呼ばれる神器!長引くと厄介よ!」
「そうさお嬢ちゃん、博識だねぇ。」
四天王は魔獣で囲みながらスォーンをせめ立てていく。こりゃたまらんと距離をとるが元の建物までもう距離がなくなっている。
「あの四天王とかいうやつの回復はなんなんだ・・・打つ手はないのか?」
「勇者スォーン!少しだけ耐えててください!」
そういうと建物内へ入っていくオウノヨミ。
「私だけの力では召喚は不完全・・・何か…何か!」
建物にあった伝書にかみつく勢いでとびつく。すると上の方から落ちてきた本が開き魔法陣の描かれたページがめくれる。
「・・・勇者の近くに転移する魔法陣???これだ!」
「時求めるは魔を払い邪を払い、打ち勝つ力を持つ稀人、迎えとる道を作り出せ!」
展開された魔法陣は床に焼き付き光の柱が再び天を貫いた。
一つ違っていたのは光は彼女を包み込み天へと吸い込まれて行ったのだった。
この物語は高校時代からあたためて20年以上眠っていた物のリメイクになります。
AIによる構想補助は受けましたが本文は頑張って自分だけで描こうと思ってます。
構想用のBGMなども作ったりしてます。
https://suno.com/s/e6mMlhmlB76SrSst




