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第5話「反撃」

あの時、好奇心だけで彼女を作った。問題は、同じようなモノを、急造で作った事が問題だった。勿論、あの状況を誰も想定は出来ない。


それでも、彼女が負けたのは自分の責任だ。

それでも、何か出来た事はあった筈。

それでも、いや。


どのような言葉を並べたところで、結果は変わらない。だからこそ、次に失敗しない方法を考えればいい。


元々、今まで何かに興味を持てなかったのか。それは、いつも結果が見えていたから、勉強にしろ、運動にしろ、アニメにしろ、漫画にしろ、小説にしろ。


だけど、今回はそうではない。先が見えない。いや、分からない。それは知識や知恵という枠を越え、世界の仕組みの真相が関係している。


なら、発想を変えるか。



とある会議室の円卓に、5名の人物が円卓に集っていた。その面々は、世界を裏で支配する重鎮。世間には、決して現れず、密かに暗躍している者達ばかりだった。


「先日、アトランティスが再び観測されました。場所は前回と同様、日本です」


「また?」


「やはり、ステロペだけでなく、私たちも参加するべきだった」


「アイツが待たなかったのが悪いのだろ?」


「それでも、彼女が復活したのは、1人で出来た事ではない。やはり、我々全員が(おもむ)くべきでは?」


「はぁ?わざわざ全員で?」


「ステロペの戦闘データから、あの子はマスターのキーを隠していた。もしかしたら、他にも」


「それでも、人間の観測者全員が行くのは」


4名が各々の意見を述べる中、1人の白髪の女性が、瞳を閉じたまま腕を組み、沈黙を守っていた。


「どう思います?マイア姉さま」


1人が彼女に呼びかけると、彼女はゆっくり目を開く。


「あの方が亡くなり、あの子が我々の代弁者となった。しかし、あの子は、人の子に加担し、1つの文明を滅ぼした。結果、神々の1席が剥奪(はくだつ)された。


今は人間の体を模して、同じクラスだった者から命令を受け、辛酸(しんさん)を舐めてきた。今こそ、あの方の汚名を返上する時ではないだろうか?」


他の4名は、無言で頷き、一斉に全員が席を立つ。すると、青い光沢を帯びた光と共に、青、緑、黄、橙。各々の本当の姿に変化していく。


「では、決まりだ。アトランティス。いや、我らが妹。メロぺに――鉄槌(てっつい)を」


マイアは、天使のように白い翼と、銀色の兜と鎧をまとい、2つの蒼い瞳から光を放った。



観測された場所は、前回観測された廃墟の裏に広がる森。5体は空から彼女を捜索する。橙の機体が、他と距離を取ると、背後より2つの光が射す。


「ん?」


光に気付き、光る方角へ素早く移動するが、そこには何もない。


「気のせいか?」


その言葉を発すると、背後からガザガサと茂みが揺れる音がした。瞬時に反応し、ナイフの形状をした光を投げ飛ばす。しかし、そこにも何もない。


「?」


首を傾げる背後に、深紅の頭部が逆さに現れ、それと同時に雷鳴が(とどろ)く。


4体は、音に導かれると、そこには背後から刃物で貫かれ、丸焦げになった橙の機体の亡骸が横たわっていた。


「どうやら今回は、準備万全のようだ」


マイアは3体に、互いの背後を守り、四方から見渡せる陣形になるよう指示を出す。4体は臨戦態勢を整え、待ち構える。


そよ風が木々を(なび)く、その音が4体には不気味に聞こえる。しかし、次の瞬間。


――ダァ――ン!


その銃声は、マイアの背後からだった。3体は一斉に銃声の方向に振り向くも、相手の姿はない。しかし、元からその方向を向いていた者は、ビクビクと震えている。


「どうしたの?」


「い、今、マスターの姿が」


「マスターだと?」


「は?そんなわ」


――ダダダダン!


「けっ――」


「「「っ!」」」


マイアの右側に居た、黄色の機体は、バイザー部分を4発撃ちぬかれ、その場に音をたてて倒れた。反射的に残りの3体は、発砲した方向へ、一斉に射撃。


けれども、そこには誰もいない。


「こんな事って」


緑の機体は、想定外の出来事に恐れ、後ろに後退する。


『――』


その真横に、突如深紅の機体が現れた。慌てて、マイアと青い機体は、敵に発砲する。しかし、相手は、緑の機体を強引に引き寄せ盾にした。


マイアと青い機体が、発砲を止めた瞬間。


――ダダダダダダ。


深紅の機体の乱射で、青い機体は蜂の巣となり、その場で崩れ落ちたのだった。

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