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第1章「自由研究?」

序章「夢?」


両親から物覚えがいいと言われていたが、“覚えた”という感覚が幼い時からなかった。目にしたその内容が写真のように、頭に映像として“残る”。


そう、残るという言葉がピッタリだった。その感覚を誰かと共有できず、中学生になったある日。不思議な夢を見る。


その夢は、普段から見るモノとは明らかに異質だった。誰か別の人間の視点で、何かを見ている感覚。自分の意思とは関係なく、勝手に動く。


最初は抵抗したのだが、何をしても結果は変わらない。だから、諦めてその誰かの視点を見続ける事にした。その誰かは、窓のない白壁の部屋に居た。


独特なデザインの机と椅子に、鉄?いや、何かしらの合金に覆われたベットのようなモノ。正直、同じ時代とは思えない。まぁ、夢なので気にしても意味がない。


そろそろ周囲の景色に飽きてきたところで、誰かの視点は、机に広げられた設計図に移動する。その設計図は、人の形をしたモノで、見た事のない文字が、至る所に書いてある。


宇宙服?いや、中にもぎっしりと何かがあるし、ゲームやアニメで見た事のある骨格のようなモノもあるからロボットなのだろうか?


今まで、何かに興味を持った事のない自分にとって、新鮮な感覚だった。頭、胴体、両手、両足で形成された一つ一つを食い入るように、眺める。


『問題は魂か』


大人の低い男性の声が、聞こえた瞬間。


「ほぇ?」


間抜けな声を発しながら、自分のベットの上で目が覚めた。


「あれ、出来るかな?」と、家の天井を見つめながら、ポツリと呟く。


2000年7月23日の朝。この日を境に、自分の生活が大きく変わっていく事となる。



1章「自由研究?」


まず、あの設計図に書かれた部品探しから始まるのだが、何処の何かも分からないモノを探すのは、不可能。だから、それっぽいモノで、代用するしかない。


父親が車を作る工場に勤めていた為、ゴミ同然の廃材を貰える人を紹介してもらい、何度もその廃材の中から一つ一つ部品を見付ける作業が、続く。


夢を見たのは、7月22日、中学生は夏休み。なので、思う存分に作業に没頭できた。しかし、作業から1ヶ月が経過した頃、ようやく頭の部分が出来た。


そこまで完成した時、今更ではあるが、このロボットは、どうやって動くのだろうか?コンセントもなければ、充電するような箇所もない。


夢の人物が言っていた『問題は魂』と、言うように、思考を司る所もない。つまり、このままだと、自分はロボットというよりも、等身大の人形を作る事になる。


ま、自由研究には申し分ないので、意味は、あるか。


「今日は、もう寝よ」


自室の片隅で行っていた作業を止め、部屋の明かりを消し、自分のベットに寝転がり「ん―」と、体を伸ばしながら、項垂うなだれる。


「どうしよう?」


『何を悩んでいる?』


「このまま作るべきか、止めるべきか」


『何故止める?』


「それはこのままだと、鉄屑てつくずの人形しか」


あれ?今、自分は誰と話している?


鉄屑てつくずは酷い、これでも意思はあるのだけど』


間違いない、女性の声が聞こえる。


「一体どこから?」


慌てて部屋の周囲を見渡すも、人影はない。窓の外に目を向けた自分の背後から『こちらだ』

と、返答があった。


確か、そこには―。


「嘘だよな?」


『嘘?』


先程まで動く気配など全くなかったそれが、声を発していた。それだけではない、暗闇の中、鈍く光る紅いモノアイが、こちらを覗いていた。


「ど、どうやって?」


『先程言っていた動力源の事?それなら“ルミナ システム”を使用しているのだけど』


「ルミナ システム?」


『知らない?でも、ならどうやって?』


怖い気持ちを抑えつつ、自分は、あの日見た夢の話をロボットに話す事にした。


『成程。と、言いたいけど、納得できない事が多分にある。でも』


「?」


『私が、復活できるのなら、君にゆだねよう』


「君じゃない。石頭いしず 龍飛りゅうひだ」


「そうか、私はアト――。いや、メイだ」



暗闇の空間。『観測!観測!』と、赤く点滅するサイレンとともに、一つの影が動く。


「ほぉ、久し振りに何を観測した?」


その影は、音の鳴る方角にあるモニターを操作する。


反逆者リベリオ反逆者リベリオ!』


「何?まさか、本当に彼女が?」


モニターに映る観測したモノの名前を見て、その影は不敵に笑った。

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