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シェリーの昆布巻き配信'sアーカイブっ!(ひきころ短編集)  作者: わけわかめ
1:『8層ダンジョン』編

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17/26

#17 [欺瞞]RTAの女王式ダイエット法[要出典]

全部の階層書くと長くなるし地味異変予定だったしで少し割愛です

スマンナ

 地味異変の第三、第四階層を超えて第五層目。時間こそかかったが繰り返されるリザードマンとの戦いは楽しく士気は上々。アイスソードの切れ味も未だ衰えず。口角もニヤリと上向いている。

「さぁさぁ今度の異変は何かなぁ?」

 もはや熱気はシェリーの体力(やるき)を削ぐ理由にならない。溶岩の流れ、岩壁の鉱石を観察。蝙蝠の飛ぶ姿を視認して異変のないことを把握。リザードマンの奴らもいつも通りとなれば視認できる異変はなさそう。

>岩盤落とし

>マグマパンチ

>ヤク中蝙蝠の復讐

「やめろよ私の装備アイツの素材からできてんだから!」

 かのボイリングブラッドmixクリーチャーエナジーはシェリーのお家芸。燃えれば燃えるほど強くなるアレは[B-adrenaline]の素材を中心とした[レイジング・シャドウ]のスキルと最強合法エナジードリンクと名高いエナジードリンクの合わせ技。限定不死(食いしばり)がなければ制御どころか生存すらままならないじゃじゃ馬構成だが、シェリーにとっては日常茶飯事。タイムは命より重いのだから。

「それじゃあ五回目ぶっ殺すよー」

 こちらを感知したリザードマンが飛翔し襲いかかってくる。いつも通り。なので今回は趣向を凝らし双剣でクロスガード、振り下ろされた斧を真正面から返して怯ませる。

>もはや作業

>ここまで来たら検証作業だろうな

>これはガバの予感

「ガバって堪るか!?」

 口はどこまでも熱く、けれど身体は冷静に。切り上げ、ようとしたとろに槍を差し込まれ二の足。ワンテンポ置くとすぐこれだ。コンビネーションは申し分なく憎たらしい。

>やりますねぇ!

>いまの刺突、俺でなきゃ見逃しちゃうね

>普通に見えてたんだよなぁ

「俯瞰視点だとそりゃあねえ!」

 となれば槍を処理した方が早いか。鉄剣を上にジャグり銀細剣を投擲。斧持ちは防いだがその分間が空いた。

>いやシェリーもおかしいから…

>投げた剣を移動先で拾うな

>1人キャッチボール

「曲芸師になれば環境は簡単に壊せるぜ!」

 戻されつつある槍を踏み上へ。鉄剣をキャッチし今度はクロスエッジ。脳天に花の咲いた槍リザードマンは地に伏すと同時にポリゴン爆散、死んだのだ。

>やめてくれよ…

>嫌な事件だったね

>何世代前のゲームの話だwww

仕様(システム)外の動きするには特に重要だからね!」

 味方を倒され怒り狂ってい顔を赤くしている剣リザードマン君の動きは単調。縦振りは横に回避、横振りはスライディングでお返しの切り上げ。リーチの関係上致命症には至らないが(ダメージ)は蓄積できている。

>(したく)ないです

>ゲーム壊して何になるんですか?

>そりゃお前決まってるでしょう

「タイムを縮めるために決まってんでしょ!」

 しかし斧持ちの大振りな攻撃が織り混ぜられれば話は別。回避の択は多けれど、間違った方に向かえば首が飛ぶ。頭が割れる。それで済めばまだいいが……とりあえず『見せられないよ!』は確定だろう。

>更新の余地を残さない走者の屑

>チャートを詳細に残して後続を作る走者の鑑

>なおチャートは非人間向けの模様

「大丈夫だって私ができたんだから実機再現済み!」

 だから攻撃を受けるわけにはいかない。走り、避け、たまには反撃。そうして何度も何度も、繰り返す。

>もっとガバれ

>じゃあお前実機の性能言ってみろよ

>実機もPLもイカれてんだっての

>参考にさせろ

「やだね、私はミスら──ァッ!?」

 故にガバは起こる。俊足(スキップ)の不発、そして被弾。それも刃への擦りではない、ただの…尻尾の牽制に。

>やったぜ

>ぶっ飛んでて草

>あ、これ死亡コースでは?

「やっべやっべやっべ……!?」

 シェリーの向かう先はマグマの河。完全に空中へと投げ出されてはベクトル操作などできようがない。できてせいぜいが重心移動で激突の衝撃を殺す程度。

>落ちろ!落ちたな

>とろけるシェリーBB待機

>既に無様に足掻くシェリーBBver33が完成してるんだよなぁ…

「終わった──」

 マグマの中に着地(・・)。シェリーの背中に衝撃(ダメージ)。いつもならこれで終わっていただろう。

>おつ

>まぁここまでノーミスだったのがおかしかったし…

>……あれ?

「──生きてるって素晴らしー!」

 けれど生存。理由(カラクリ)は簡単。マグマの実体(はんてい)が無くなっていたのである。故にシェリーは水底に激突しただけで済んだのだ。

>チッ

>なんで死なねーんだよ

>俺は許せねえよ……死んでると思ったのによ…………

「私がこんなので死ぬわけねえだろバーカっ!」

 階層を埋め尽くすマグマ全てから危険性(ダメージ)が取り除かれているとなればあとは簡単。広がった足場を最大限活用して討伐完了。

>勝利、解散!

>待てや!

>まだ終わってないんだよなぁ

「ちゃんと見守ってほしいな♡」

 ラブリーな声でおねだりして前進。第六階層に到ty「あっっっっっっっ熱ぅぅぅぁぁぁ!!??」

>うるせえしあっっっっつ!?

>こりゃダメだ

>早く逃げてくれシェリー 俺たちが死ぬ

>共有配信を切ればいいのに…

>黙れ皮ナシ…

 気温がおかしい。この階層を喩えるのならばサウナを超えたサウナ、ドサウナ。割とマジで死人が出るレベルの熱さで笑えない。

「待って待って待って暑すぎるんだけど何ぃぁぁぁぁぁ!!??」

 しかも地面から火柱が噴き出すオマケ付き。今度の異変がマグマの当たり判定消滅でない以上、当たったら即死はまぁ免れないだろう。あとやっぱり熱い。

>どこが変なのかなぁ〜☆

>こいつ察しが悪すぎる

>もはやこいつが病院行くべきだろ

「殺す進むさっさと逃げる!」

 戻ってきたレイピアを投擲、反応される前に斧持ちを一撃で処理。残り二体。融ける前に殺れば融点の低さは問題ではない。

>はい上手い

>コレだよなぁ……

>早くして!!!

「わかって、らぁっぶねぇ、ってふざけんな!」

 最短距離、に向かい俊足(スキップ)──を使おうとしたところで目の前に火柱(そくし)滑走(スライド)に派生させて回避。しかしその先には槍が。勢いそのままにブリッジ回避。

>また生き残ってる…

>ラッキー?いいえ実力です

>さすシェリ

「オラァ喰らえぃ!」

 柄を掴んでベク変ムーンサルト・メテオ派生。つま先から踵に重心変更し槍持ちの脳天を地面へ植えた。速攻でアイスソードで収穫しポリゴン爆散。残り一体。

>何すかそれ…

>あなたカウンター技持ち?

>いつも思うけどその技術どこで学んでんだよほんとに

「熟成された長年の経験と研ぎ澄まされた勘で受信した電波学習だ!」

 口からは出まかせばかり、しかしその腕は本物。血液(エナドリ)気力(カロリー)が混ざって、全身を凄まじき速さで駆け巡る。最早誰も止められない。

>お前ニンジャかよ…

>リアル=ニンジャ!?

>存在するかよそんなもん!

「アハハハハハハハハッ!」

 硬直も跳躍(クライム)でキャンセル、ミスリルブレイドに装備変更。着地狩りに来た哀れな剣持ちに反撃の回転斬り。フルスイングな一撃をお見舞いすれば守りの腕ごと完全粉砕。容易く(クビ)を吹っ飛ばす。残り0体。次の階層への洞穴が晴れた。

「はい私の勝ちさっさと逃げま──」

 からの全力逃亡、そして火柱。千数百度のマグマが噴き出ししシェリーの命を狙ってアンブッシュ。ゴウランガ、シェリーの命運もはやここまでか…!

「────生きてる!」

 いいやシェリーは緊急ブレーキ!カロリーがニューロンを燃やし反応、マグマが鼻先十数cmで停止したっ、ワザマエッ!

>はい

>なんで死なねえんだよ

>笑顔で突っ込んで焼きシェリーになって欲しかったのに…

「バッカもんそんなことしたら私が熱いでしょうが!?」

 今度こそ洞穴に駆け込み階層踏破。足を踏み出す度に気温が下がっていく。ドサウナ、サウナ、温泉、ぬるま湯が如く。

>あー…戻ってきた

>そろそろ共有配信に戻しても良さげ?

>いけるいける

「いやー、マジでキツかった…………」

 ……下がる。まだ下がる。体温──から下へ。地下室、氷室、冷凍庫。氷点下など余裕で超えて。感じに覚えのある極寒が肌を撫でる。

>あれ?

>なぁお前ら 共有しても大丈夫って言ったよな

>そ、そっす、ネ……

「寒っっっっむぅ…!?」

 シェリーが洞穴を抜けると そこは……

「マグマが……凍っとる……」

 性質反転。氷の中にマグマが通い、リザードマンが冬眠している 完全なる……氷結火山だった。

 

 

Tips,○○シェリーBB


シェリーは配信者。

故に切り抜かれる。

そして素材にされる。

シェリーが変な行動をする度ファインダーが、視聴者が切り抜いた配信映像はBBに加工されパブリック化。

特に人気なのは神殿の破壊者シェリーBB、視聴者を殺戮するチョコ悪魔シェリーBB、クソ乱数に完全勝利したシェリーBB。

破壊者は言わずもがな顔と勢いが人気。

悪魔シェリーは根強くしょっちゅう本社を壊している。

乱数勝利シェリーは……まぁ、うん。そういうことである。

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