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幻想奇譚

写らぬ鼈甲色

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

鼈甲色のステンドグラスが好きです。

絶対に閉じ込められないので好きです。

最近は洋館とステンドグラスに心を奪われております。故に少し足を伸ばし、大正ロマンの光景に沈めたいと思うのです。

私の前には置型の振り子時計がどっしりと佇んでおります。時を刻む静かな秒針の音は今はなく、共にあるのはこの一時の静寂のみ。それこそ、あの時代の光景をそのまま留めた様に。

思わず手を伸ばし掛けて、おずおずと引き戻します。歴史的建造物なのです。人の手に触れられれば一瞬にして崩れてしまわれますでしょう。

ですので代わりに写真を撮ることに致しました。蔦の模様を描く装飾と、金色に輝く刺繍が何時までも残り続ける様に。

カシャリと機械的な音をたてて、枠に収まったのは鮮明な一幕。瞳に写した様な、ありのままの光景。その絵画のような一幕に、思わず息を飲みます。

きっとこの先にも、この時計の様に在りし日の輝きを齎して下さるのでしょう。そう思い順路の看板を探しに周りを見回した時の事で御座います。

甘く、柔らかい、鼈甲色の光が差し込みました。今この時が早朝でも、宵闇でも構わず黄昏に変えてしまいそうな巨大な色眼鏡。ステンドグラスで御座います。それがこの壁一面にぴったりと埋め込まれております。それはかつて私が惑わされた様に、心に染み込んで魅了なさるのです。

どれ程惚けておりましたでしょうか? ふと我に返ると、私は携帯端末のレンズをそっとその色硝子に向けておりました。

鼈甲飴のこの世界、時が経てば甘く蕩けて消えてしまうこの微睡み、それを何時でも振り返って浸りたいというのは、私だけでは無いと思うのです。

故にまた、カシャリ、と機械的な音を立てて、この端末に閉じ込めようと致しました。あの振り子時計でさえ、鮮やかな写りをお見せしたのです。ならばきっとこの光景も……。

沸き踊る気持ちをどうにか抑え、自分が撮影した一幕を再度見返します。けれども……。

「……っ」

無いのです。全くと言って良いほど。ステンドグラスの輝きも、小さなシャンデリアの柔い光も、ありありと写しているはずなのに、その甘さ、柔らかさが全くと言って良いほど感じられないのです。

撮り方が悪かったのでしょうか? 再度レンズを向けて、シャッターを下ろします。けれども写し出されるのは同じ光景ばかり。柔らかさを飛ばし尽くした輝かしい白ばかり。

ええ、それならば。

私は黙って端末を鞄に押し込めると、目を大きく見開きます。何も考えず、あるがまま、拝見するままに、この光景を瞳に焼き付けます。

感じたものまで写真に閉じ込める事が出来ないのは当然のこと。ならば私の脳裏に焼き付けて、何時までも閉じ込めておきましょう。

教会の話がまた書きたいです。

また彼奴らを出したいと思ってます。


やってはいないけれども、気になる乙ゲーがあるんですよ。

攻略対象うんぬんよりも、世界観が好きなので、世界観に浸る為にやろうか気になってます。


※乙ゲーの攻略対象ガン無視のするプレイヤーってなんなんでしょう?


まぁ、その聖地?に行ってきたんですよ。

相変わらず綺麗でした。

焦げ茶で、鼈甲色で、蜂蜜色で、世界観そのまんまでした。


写真OKなんで撮影したんですけど、映らないんですよ。

鼈甲色の光って、すぐに白く変化してしまう。

そんなところも好きです。

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