ゆうやけこやけ、帰り道
ゆうやけこやけ、帰り道
カラスの鳴き声、赤とんぼ
ひび割れた放送は聞きなれた
『ゆうやけこやけ』を流してる
ゆうやけこやけ、帰り道
みんな誰かと手をつなぎ
一緒に笑って帰ってく
おうちの鍵を握りしめ
並んだ影を、見つめてた
ゆうやけこやけ、帰り道
ひとりぼっちの河川敷
橋の下には夕焼けも
指さす人の目も届かない
ゆうやけこやけ、帰り道
道に伸びてく、長い影
隣には誰もいないけど
伸びてる影は二つある
だから、ほら、一人じゃない
ゆうやけこやけ、帰り道
帰りたいよと、影は言う
のっぺりとした空の下
いっしょに帰ろと、手をとった
ゆうやけこやけ、日が暮れた
ここから先は、立ち入り禁止
そんな声が、聞こえたけど
いっしょに帰ろと手を引かれ
オレンジの世界へ踏み込んだ
ゆうやけこやけ、帰れない
あたりは一面オレンジで
ひとっこひとりいやしない
カラスの声すら聞こえない
周りにはたくさん影がいて
「いらっしゃい」って笑ってる
だから、ほら、寂しくない