メイド自宅警備員
あの決闘から一週間。
私は部屋に閉じこもっていた。
「ううっ、何がいけなかったの」
私は小さくつぶやいた。
グビッ
カップ酒を一口を煽る。
「もう十八かあ」
大体、十六歳くらいで結婚するから、いき遅れ寸前である。
グビリッ
もう一煽り。
「酒が尽きた」
周りを見回す。
小さな部屋だ。
ベットの前には小さなテーブル。
テーブルの上には、空のコップ酒や缶ビール。
缶ビールには煙草の吸殻がいっぱい詰まっている。
酒のあての袋。
部屋の端には脱ぎ散らかした私服。
流石にメイド服はハンガーにかけて壁に吊るしてある。
パサリ
いつもは丸く束ねている黒髪が、ブラジャーの上に落ちる。
新しいショーツが無いので裏返して履いていた。
ふううう
酒臭い息を吐く。
かさり
煙草の箱を振った。
「煙草も切れた」
「買いに行くか」
「あー」
ブラジャーとショーツ姿の自分を見下ろした。
――洗濯した服が無い
「まっ、いいかあ」
下着姿にロングコートを羽織って、近所のコンビニに行こうと扉を開けた。
「生きてる~、ルリ~」
エリザベスが立っていた。
その時、一陣の風が吹く。
ヒュ~
ヒラリ
ロングコートの前が大きく開いた。
「……痴女がいる……」
エリザベスが小さくつぶやいた。
とりあえず部屋に戻った。
「ハイハイ、これ食べなさいよ」
「どうせ酒と酒のあてしか食べてないんでしょ」
エリザベスがギルド弁当を差し出してくる。
「あ、ありがとう」
「しっかし、相変わらず汚い部屋ねえ」
「得意のメイド殺法で何とかできないの」
「出来る」
「けど、めんどくさい」
ロングコート姿でもらった弁当をもそもそと食べ始めた。
余りにも残念な私の姿を見て、
「ハア~、あんた、どの口で彼氏(ご主人様)が欲しいなんて言ってんの」
「この口」
「い、痛い痛い」
エリザベスに口を引っ張られた。
「食べたら、ギルドに顔を出すわよ」
「みんな心配してるんだから」
「はあい」
食べた後シャワーを浴びた。
「百八あるメイド殺法その9、”メイド着衣”っ」
いつもの一分の隙も無いメイドに早変わりである(キリッ)。
「はああ~~」
エリザベスが、テーブルの上の酒のカップの山と私の完璧なメイド服を見比べながら、深いため息をついた。
ギルドについた。
「くっ」
「レイカアア、迎えに来たよお」
「ありがとおお、ご主人さまあ」
レイカとショタ美少年男爵がいた。
レイカは地道にクエストをして順位を上げるつもりのようだ。
「ご主人様は、ひどい領地を良くしているんでしょう」
「うん、実家を追い出されて、押し付けられたんだよね」
びくうっ
少年が、一瞬ものすごい表情をした。
彼の領地は右肩上がりに発展しているらしい。
着々と実家に対する、”ざまあ”が進行しているようだ。
「もう少しで、領主館も出来るから、帰っておいで」
「はあい」
美少年男爵とレイカがイチャイチャし始めた。
「か、帰るうう」
「ルリ、待ってええ」
もうしばらく引きこもった。
メイド殺法その9、”メイド着衣”




