メイドお茶会
ダバダ~ダ~ダ~
ダバダ~ダバダ~
華麗なるメイドの午後は一杯のコーヒーから始まる。
「ふふ、百八あるメイド殺法その3、”メイドお茶会よ」
テーブルの上にはきれいなお茶菓子やケーキ。
私はコーヒー派だから紅茶は入れないわ。
フッフ~~~ン
ワイワイガヤガヤ
と、騒然としたギルド酒場の一角に瀟洒な空間が広がった。
「あっ」
「うん、あれが当ギルドの名物、”メイドさん”だ」
「”メイドさん”?」
「そう」
「え~と、”メイドさん”が自分でお茶を入れて飲んじゃうの」
「ああ、彼女は今、”ローニン”中だ」
「ローニン……」
「入れる主人がいないん……」
「しかも一緒にお茶してくれる友達もいない……」
「「「ひいっ」」」
ビイイン
スカートから取り出したカトラリーのフォークを飛ばす。
三人の目の前のテーブルに突き刺さった。
「あ~、はいはい、ルリそこまでよ」
エリザベスが止めてきた。
「……ふんっ」
「ゴブリンキングの討伐の確認が終わったわ」
「スタンピードも事前に防いだから、さらに特別報酬ね」
「ドラゴンの討伐も含めて大活躍よ」
「そうそう、この町の領主が直接、褒美を渡したいって言ってるわ」
「ふ~ん、で、エリザベス、お茶をしていきなさい」
「え、今仕事中で」
「していきなさい」
「……わかったわ、でも友達になったわけではないのだけれど」
――これで、ぼっちメイドお茶会ではないわっ(キリッ)
領主の館に行くことになった。
メイド殺法その3、”メイドお茶会




