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名状しがたいメイドのような物語。さく裂っ、メイド殺法っ!!   作者: トウフキヌゴシ
ああっ、ご主人様。

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メイドメディック

「はっ」

 ルリは、後ろから包み込むように抱きつかれた、アレクの腕の中で目を覚ました。

 ご主人様と結婚(専属契約)したメイドヴァ―・ヴァンシー。

 メイドヴァ―・ヴァンシーが放った漆黒の、”メイドレーザー”を受けて意識を失っていた。


 メイドレーザーが通った後の地面は黒く焦げている。

 ”聖域メイドサンクチュアリ”の後だけ地面が円形に残っていた。


 自分の体をおおうように背中から出された、メイドラゴンシールド。

 これも黒く焦げついている。


「ア、アレク……?」

 そっと振り向きながら声をかける。


 ブシュッ


 その時アレクが、全身から血煙ちけむりをあげて後ろに倒れこむ。


「アレクッ!!」


 ルリは、倒れていくアレクを抱えて地面に横たえた。

 シールドの他、鎧も黒く焦げている。

 高温にあぶられた火傷がひどい。



「駄目っ、アレク」


 ルリは、スカートの中からポーションをあるだけ出して、バシャバシャとアレクの体にかける。

 火傷は何とかなりそうだが、末端の毛細血管が破裂しているようだ。

 全身の内出血もひどい。

 ルリは知らないが、龍闘気ドラゴニックオーラ二段階開放の反動である。

 事情を察した、ジラントが自分のインベントリからポーションを取り出してルリに渡した。

 ビンには、意匠化されたホワイトプリムをつけたドラゴンの紋章。

 メイドゥ―ン王家の紋章である。


「これは、ハイポーション」

 とても貴重なものだ。


 ――逝かないで、アレク


 ジラントと飛んだ谷底の河や水晶の谷。

 ()()()()()()()()()街を歩いた何気ないデート。

 ギルドの酒場での、”メイドティーパーティー”。

 ルリの脳裏に二人の思い出がよぎる。


「……まだ、”ドジッコメイド”もプレイしていないのよ……」

 ルリがハイポーションを口に含んだ。


 ――帰ってきてアレク……!!


「ん」

「んう」

 ルリは、口うつしでアレクの口のなかにハイポーションを流し込んだ。




 ポタリ、ポタリ

 ――ああ、雨が降っている

 ――暖かい雨が


「ルリさん……」

 アレクがゆっくりと目を覚ました。

 ルリの顔が上に見えた。

「……泣いてるの?」


「よかった……」

「アレク……」


「うん」

 アレクがゆっくりとルリの頬に手を当てる。

 ルリが愛おし気にスリスリと頬ずりした。


 しばらく、アレクはルリの膝枕のままでいる。


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