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名状しがたいメイドのような物語。さく裂っ、メイド殺法っ!!   作者: トウフキヌゴシ
飛来、メイドラゴンナイト。

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15/33

メイドカーテシー

 アレクは、なるべく音を立てずに静かに、ギルドの扉を開けた。


「こちらにメイドさんはいますか」


 一瞬、ギルド内にいた人たちに緊張が走る。

 商人の姿をした自分を見て、何故かほっとしたような雰囲気になった。


「ルリちゃん、今度こそメイドさんでないお客さんだよ」


 ――メイドさんでないお客さん?

 ――そんなに沢山のメイドさんがいるのか

 少しワクワクした。


「むむっ」


 少し離れた所にあるテーブルで、ギルドの職員とお茶をしているメイドさんを発見。 

 

「ルリにお客さんのようね」

 ギルドの職員だ。 

「……? 何か御用ですか?」


 怪訝そうにこちらを見てくる黒い瞳。

 黒髪のひっつめ髪がエキゾチックである。

 西方の主流は、金髪青い目。

 祖国ではあまり見ない色だ。 


「よ、良い」


 少しの間、凛としたメイドさんの姿に見とれた。


「……ちょっとというか大分あやしくない……」

「……た、たしかに……」

 二人の小さな声。


「あっ、いえいえ」

「百八あるメイド殺法さっぽうその0、メイド立ち(スタンディング)」


 自分の知る、相手に対して最も敬意を表す姿勢を取る。

 例え、今は商人の姿をしていても一柱ひとはしらのメイドになるのだ(キリツ)。(←一柱ひとはしら:日本の神様を数える単位)

 ジラントに止められているので、メイド体型フォームでメイド服をまとうのは自粛しているぞ。


「えっ」

「メイド……」

「男……」

 何故かギルドの中の人たちがざわめく。

 ふふふ、メイド姿の自分を幻視しているのであろう。


「はっ」

 黒髪のメイドさんが何かに気づいたように、テーブルの横に立ち同じ姿勢に。

 敬意には、敬意で返す。


 ――ふふやはり、良い


 美しい姿勢だ。


 ではっ、いざ勝負っ。


「「百八あるメイド殺法さっぽうその1、”メイドカーテシー”ッ」」


 自分たちは、同じタイミングで完璧なカーテシーをした。


「……うわあ」

 職員の女性の声だ。


 ――ふふふ、両手でつまんだエアロングスカート

 180センチ近い身長。

 大柄な体格。

 エアメイド服。

 自分のカーテシーは、そう、まさに、”咲き誇る大輪の花”のように見えているはずだ。


 対して、目の前にいる女性は、

 純白のヘッドドレス。

 真っ白いエプロンとシックな紺色のメイド服。

 白い指がスカートの裾をつまむ。


「ほうっ」

 自分の感嘆のあつい息。


 まるで、一輪の、”凛と咲く百合の花”のようだ。


「……あなた、ヤルわね……」

 メイドさんの小さな声。


 自分は、その声に応えるようにカーテシーの姿勢を崩さない。


 クスリ

 

 小さく笑うメイドさん。

 お互い何か通じ合うような空気が、周りに漂う。


「なんだこれ」

 隣にいたギルドの女性職員が、何とも言えない声を出した。 



メイド殺法さっぽうその1、”メイドカーテシー”

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