表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名状しがたいメイドのような物語。さく裂っ、メイド殺法っ!!   作者: トウフキヌゴシ
飛来、メイドラゴンナイト。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/33

メイド(ラゴン)ジャンプ

 愚かな王になるなら、”武器”を集めなさい。

 普通の王になるなら、”金”を集めなさい。

 賢い王になるなら、”メイド”を娶りなさい。


 メイドゥーン王国、初代国王、”イヴァン・メイドスキー”、建国セレモニーの挨拶より 

 

 遥か西方に、”メイドゥ―ン”と言う国がある。


 国土の半分を険しい山に囲まれた国だ。

 この山には竜の住処がたくさんあり、良質の騎竜の産地となっていた。

 強力な竜騎士団が有名である。

 しかし、この国には、他に、イ〇れた、もとい、ユニークな特徴があった。



 眼下には穏やかな田園風景が広がっている。

 今自分は、飛竜に乗って空を飛んでいる。


「どこかに、よいメイドはいないものか」

 自分は、相棒の飛竜の背中で小さくつぶやいた。

 飛竜の背中には大きめの鞍。

 鞍の後ろには色々な商品を載せている。

 自分の名前は、”アレク”。

 飛竜で行商の旅をする飛竜商人だ。


 ……表向きは、

 

 本名は、”アレクサンドル・メイドスキー”

 メイドゥーン王国の第三王子である。

 メイ竜騎士ドラゴンナイトだ。

 我が祖国、”メイドゥーン”の、イ〇れた、もとい素晴らしい特徴は、”メイド”を国是とし、国民全員が、”メイド好き”というものだ。

 国民の四分の一、女性の半分がメイドである。

 ちなみに、街には剣術道場ならぬ、”メイド道場”が乱立し、お互いのメイド殺法のしのぎを削っているのだ。


「自分は、メイドが大好きだっっ」


「たくさんのメイドさんに会うために、旅に出たくらいだものっっ」


 大空に大きな声で叫んだ。

 正確に言うと、メイド探しである。


 ―ふう―


 相棒の飛竜、”ジラント”が呆れたようにこちらを見てきた。


 ―やれやれいつものことかー、と言うところか。


「む」

 街道が見える。

 街道を走る豪華な馬車を、馬に乗った盗賊と思しき者たちが追いかけていた。


「助けるぞっ」


 貴人の側にメイドあり


 馬車にメイドさんが乗っているかもしれないっ。


「メイ竜騎士ドラゴンナイト体型フォームっ」

 特殊なインベントリから、

 メイドラゴンナイトメイル。

 メイドラゴンナイトシールド。

 メイドラゴンランス。

 が出てきて体に装着される。


 頭には、ホワイトプリム。


 メイ竜騎士ドラゴンナイトは特殊な職業ジョブだ。

 メイドを深く信奉するために、頭にホワイトプリムを掲げるのである。


 メイドゥーン王国の初代王妃がメイド姿のドラゴ、ピ――――

[システムエラーが発生しました。 セーブされたところまでロールバックされます]


 ――を掲げるのである。


 ヒラリ


 飛竜を急降下。

 盗賊たちの頭上へ。

 

「メイド殺法さっぽうその43、”メイド(ラゴン)ジャンプ”ッ」

 

 ズドオオン

 

 長大なランスを構え、馬に乗った盗賊たちに襲いかかった。

 メイドを信奉するメイ竜騎士ドラゴンナイトは、男性でありながら、メイド殺法さっぽうを使えるのである。

 さる、筋骨隆々のメイ竜騎士ドラゴンナイトは、()()()()()()()()()すら使いこなす。

 当然その性質上、エプロンドレス(メイド服)を着ていないと使えないぞ。


「うわああ」

「りゅ、竜騎士かっ」

「あ、頭にホワイトプリムッ」

「に、逃げろお」


 盗賊たちを追い払った。

 豪華な馬車が止まる。


 近くに飛竜である、”ジラント”が下りてくる。

  

「あ、ありがとうございました、ですわっ」

 執事に扉を開けられて、金髪縦巻きロールのお姫様が下りて来た。

「お礼がしたいので、我が家にお越しになってくださいまし」

 少しうるんだ目でこちらを見てきた。

 しかし、

 ――うむ、メイドさんがいないなっ

「いえ、礼には及びません」


「せめてお名前だけでも」


「名乗るほどのものでもございません」

「それでは失礼っ」

 飛竜に乗って飛び去った。


 ふむ、きれいな姫君であった。

 ――しかし、せめてメイドになってから出直してきて欲しいな


 とりあえず、メイド以外は、”アウト、オブ、ガンチュウ”のアレクである。





メイド殺法さっぽうその43、”メイド(ラゴン)ジャンプ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ