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小さな王子様は騎士になる ②



「メリッサ様がラッザティラ様と……」

「噂は本当だったのね」


 ラッザと一緒に会場に足を踏み入れたら、すごく噂になっていたわ。

 私とラッザは特に隠していなかったけれど、正式にこうやって噂になるととっても嬉しいわ。



 好意的な目が多かったけれど、ちょっと嫌な目で見てくる子もいたわ。社交界デビューしたばかりの女の子ね。もしかしてラッザが素敵だからラッザに惚れてしまっているのかしら。

 そう思うと、ふふんって気持ちだわ。だって私のラッザがかっこいいからみんな好きになるのよね。

 

 笑いかけたら、睨まれたわ!

 でも全然怖くもないけどね。お母さんが怒っている方が怖いし。



「なんだかメリちゃんに視線集まっているね」

「あら、ラッザへの視線の方がすごいわよ」

「メリちゃん、いつも綺麗だけど今日特に綺麗だから」

「嬉しいわ! ラッザも世界で一番かっこいいわよ」


 二人でそんな会話を交わしながらくるくるとダンスを踊った。ずっと二人で踊ってたの。

 あと婚約の話も公式の発表したわ。私のラッザなんだって、周りに言えるのすごくいいわよね。



 ラッザは本当に素敵だもの。

 大きくなっても、小さいころと同じように私の事を好きだってまっすぐに伝えてくれるし。本当にかっこいい。


 私はダンス中もじーっとラッザのことばかり見つめてしまった。

 だってかっこいいもの! こんな素敵な人が目の前にいるのに、他の人なんて見れるわけないわよね? これは常識よ。



 ラッザも私のことをじっと見つめてくれていて、本当にドキドキしたわ。




「ふふ、ラッザのことはずっと見つめていても飽きないわ。本当に永遠に見つめていたい気持ちだわ」

「俺もメリちゃんのことはずっと見てられる。可愛いし、綺麗だから」

「はー、至近距離でそう言われると照れちゃうわ」

「そうやっていつまでたってもメリちゃん可愛い」

「ラッザもかっこいいわ! ラッザと私が結婚するんだって、将来を約束しているんだってそれを周りに示せるのがすごく嬉しいの」

「俺も」




 


 ああ、ラッザがすごく至近距離で優しい目で私を見ていて、ときめくわ。ラッザの社交界デビューっていう特別な場所で、私とラッザが主役みたいな感じで……すごく嬉しい。



 私にとってここは、夢見てた場所の一つだもの。



 ラッザのお友達たちにも沢山ダンスの後にお祝いの言葉を言われた。まぁ、そのあたりの人たちは私とラッザのことを知っている人ばかりだけど。

 私のことをにらんでいた女の子には、遠回しに嫌味を言われちゃったけれどね。私の方がラッザよりもずっと年上だから、ふさわしくないのでは? みたいな。でもラッザがすぐに追い払っていた。


 ラッザは貴族としての言い回しとか、嫌味とかにも敏感というか……その辺はよくフロネア伯爵家にやってきていたからお父さんとかに聞いていたみたい。

 ラッザがはっきりとした言葉で私を守ろうとしてくれているのも嬉しかった。私一人でもこういう女の子をどうにかするぐらいできるけれど、やっぱりなんというか、好きな人に女の子扱いされるというか、守られるのってとっても素敵なことなのよ。



 やっぱりラッザは私にとって王子様みたいなものよね。

 



「ラッザ、かっこいいわ。私を守ってくれてありがとう」

「当然だよ。大体他人に俺たちのことを色々言われる筋合いないしね。メリちゃんに俺が合わないって言われるならともかくさ」

「いや、それも嫌よ。本当に想像の中の私を愛している人なんてどうでもいいじゃない」

「うん。でももっとメリちゃんにふさわしいって思われるように、結婚までに結果を出す」

「かっこいいわ、ラッザ!!」



 私とあんまり関わったことがない人が、私の事を想像して……その想像の中の私を好きだっていう人もいるのよね。正直全然関わったことないのに、私のことを好きだって婚約を申し込んでくる人ってちょっとって感じ。まぁ、私は昔からラッザしか見えてないのでそんな風に思われてもどうしようもないし。


 あまりにも真剣な人には好きな人がいるのでって誠意をもって断ったけれど、その言葉を言ってもなんかなかなか私が結婚しないからそれが嘘だって思いこんで暴走している人とかもいて何なのかしらって感じだった。



 ラッザは今も素敵だけど、私との結婚までの間に騎士として結果を出そうとしてくれている。うん、素敵よね。その意気込みをしているラッザのことが愛おしいって思って仕方がない。





 私はラッザと一緒に生きていくのよね。

 ラッザが私のためにそうやって結果を出してくれようとしているのならば、私だってラッザにふさわしくあるためにもっと自分のことを磨かないとね。素敵になったラッザには女の子だって寄っていくだろうし、それでも私を見てもらえるように、自分磨きは大事なのよ。




 そういう気持ちでいっぱいになった。



 

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