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小さな王子様は騎士になる ①




「わぁ、すごくかっこいいわ」

「ありがとう、メリちゃん」


 目の前で嬉しそうに笑うラッザ。

 ラトが結婚してからすでに三年が経過し、ラッザは十五歳になった。そして十五歳になったラッザは正式に騎士になった。

 騎士服に身を包んだラッザは本当に素敵で! それで私の背を越しているのよね。とっても素敵で興奮してしまう。




「本当にかっこよくて、ラッザのことを皆が好きになってしまうんじゃないかって、すごく不安になるわ。本当に世界で一番かっこいいもの」

「メリちゃんも、俺にとって一番可愛い」



 ラッザは大きくなって一人称が俺になった。

 小さいころより男らしさが増したというか。私には相変わらず王子様なんだけれど、男くさい騎士たちとずっと過ごしているからか、同僚の騎士には口調がもっと砕けてたりするみたいなの。

 それを聞いて私はかっこいいなぁってなってるけど。


 ラッザの同僚の騎士にも紹介してもらったけれど、なんか猫かぶっているみたいに言われてたわね。私はどんなラッザでも好きだから全然いいのだけど。


「ふふ、嬉しいわ。ラッザ、社交界デビューの時は私をエスコートしてね。それで婚約の話もしようね」

「うん。もちろん。やっとメリちゃんのことをエスコートして社交界に出れると思うと嬉しい」



 本当にずっとずっと、それを夢見てた。

 社交界デビュー前のラッザと一緒に社交界には出れなかった。でもようやくラッザにエスコートしてもらえるの。なんて素敵かしら!!


 ラッザも嬉しそうにしてくれていて私は嬉しかった。


 ラッザは王都所属の騎士なので、ラッザとよく会えるのも本当にうれしいことよね。中々結婚しなかった私がラッザとよくあっているから噂にもなっているの。

 ……私とラッザが年の差があるから、お母さんとお父さんの結婚の時のことを皆思い起こしているみたい。





「私ね、ラッザと出会ってからの日々、あっという間だったなと思うの。ラッザと過ごす日々があまりにも幸せだったから。でもこうしてラッザが大人の男の人になって、社交界に一緒にいけること、そして結婚まで近づいていること……なんだか、すごく楽しみで、嬉しい!」


 ラッザに出会ってからの日々は、私にとってとっても毎日が幸せな日々。

 だって私、ラッザに出会う前は英雄であるお母さんとお父さんの娘であることに、プレッシャーを感じていて色々大変だったから。でも、ラッザと出会ってからは私は私でいいって思えるようになった。


 うん、恋は人生を豊かにするなって思った。



 私の言葉にラッザは笑った。

 徐々に大人になっていっているラッザは、子供の頃よりもなんか色気あるよね? 私よりもすっかり背が高いし。もっと高くなるのかしら。

 今だってドキドキしているのに、もっとかっこよくなられたらやばいわ。もっとときめいてしまうわ!!




「メリちゃん」


 私の名を呼んだラッザに口づけされたの。きゃーって感じよね! だって好きな人がキスしてくれるのよ? 興奮しないはずがないわ。


 早く結婚したいわって気持ちになってる。

 まぁ、来年には結婚できるように着実に進めているけどね!


 結婚して子供も作りたいわ。

 ソルとケーシィが次に戻ってくる時には子供が出来ていると嬉しいかも。

 そうそう、ソルとケーシィってばまだ幼いシィルネを連れてまた旅立っていっちゃったのよね。ルドさんがすごい泣いてたわ。そんなルドさんも良い仲になっている女の子が出来たみたいだけど。


 マリッサのところは息子が産まれているし、ラトのところも娘が産まれたばかりなのよね。

 私も子供が欲しいわ。

 だって姪っ子と甥っ子たちは凄く可愛いのだもの。



 メリちゃんって呼んでくれてて、本当に可愛いの。

 可愛い姪っ子と甥っ子たちが可愛くてよく会いに行ってしまうのよね。



 ラッザとの子供が産まれたら……って考えただけでも幸せな気持ちになるわよね。



 まぁ、その前にラッザの社交界デビューでエスコートしてもらわなきゃ。

 私もラッザと同じ年頃の子に負けないように、ラッザを取られないようにうんと着飾らせないと。

 



 そう思いながらどんなドレスにしようかなって選んでる。あとアクセサリーとかも。

 私、社交界デビューの時もこんなに着飾らなかった気がするのに……うん、やっぱりラッザと一緒に社交界出来る日っていうのは、私にとってどうしようもなく特別な日なのよね。




「メリッサ、幸せそうね」

「当たり前よ、マリッサ。だってやっと私のラッザと一緒に社交界に行けるのよ。ラッザが私の旦那様になる人だって、周りに示せるし、最高じゃない!?」

「わかるわ。その気持ち。私もジェズアルド様が好きだって言ってくれた後、エスコートしてもらって社交界に行ったときに最高だったもの」


 そういう話をマリッサと二人でしていたら、マリッサの旦那様のジェズアルド様が仕方がないなという目でマリッサを見ていた。マリッサは本人の前でもこの調子だものね。


 それにしても仲が良い夫婦で見ていてマリッサたちはいいわね。私もそういう夫婦を目指すわ。


 そんなことを考えているとラッザがお迎えにきてくれた。



「メリちゃん」

「かっこいいわ。ラッザ!!」



 社交界デビューのために着飾っているラッザがかっこよすぎて、思わず叫んでしまったわ!




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