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小さな王子様と参加する姉の結婚式 ②




「ああぁあああ、ジェズアルド様と結婚できるなんて。夢みたい。いや、夢ではないのは分かってるんだけど、心臓がやばいわ」

「マリッサ、落ち着いて。夢じゃないわ。あとそんなにドキドキしていたら、初夜まで持たないわよ」

「初夜……あぅ」

「マリッサ……本当に大丈夫?」



 結婚式当日。

 マリッサはとてつもなく、うろたえていた。

 まぁ、十年以上好きだった人と結婚出来るって本当に夢みたいな話よね。



 顔を真っ赤にして固まるマリッサは可愛くて、思わず笑ってしまう。

 でも私もラッザといざ結婚ってなったらマリッサと同じような感じになってしまうかもしれないけれど。



 ウエディングドレス姿のマリッサはとっても綺麗だった。

 何より、好きな人とこれから結婚するということで幸せなオーラを醸し出していた。




 その様子を見ていると、誰だって笑顔になるものである。ちなみにお母さんに関しては、子供たちの結婚式を見るのが初めてなので、なんだか興奮しきっていた。

 ……なんだか興奮して落ち着かないから、魔物退治してくるわ。などといって朝から魔物をぶちのめしてきたっぽいけれど、何でお母さんは興奮すると暴れようとするんだろう?



 私たち兄妹の結婚式の時に、毎回そういう感じになるのだろうか? 私が結婚する時にはもう少しお母さんにはぜひとも落ち着いてほしい。



 ジェズアルド様との結婚だからと落ち着かない様子のマリッサをどうにか落ち着かせて、私は参列者席に向かった。ラッザも来ている。結婚式に参加するための礼服を着ているラッザはとってもかっこいい。私はそういうラッザと一緒に居れるだけですごくうれしかった。


 ちなみに私の隣に座るラッザを不思議そうに見ている人もそれなりにいた。まぁ、身内ばかりの席だものね。ラッザは私の将来の旦那様なのよって見せびらかしたい気分になった。



 マリッサとジェズアルド様の結婚式はとても素敵だった。マリッサが緊張しすぎていて、正直どうなるのだろうかとはらはらしたけれどね。だって誓いの口づけする時にマリッサってばちょっとふらついていたもの。多分好きな人と口づけをして落ち着かなかったのね。


 結婚式には私たちの友人や同僚、あとジェズアルド様の同僚やお母さんとお父さんの知り合いたちとか、沢山の人たちが参列していた。本当は陛下も来ようとしていたらしいけれど、止められたらしい。

 陛下はお母さんが敬愛している元王女のサーラ様のお兄さんなので、私も昔からよく知っている。近所のおじさんみたいなイメージである。でもサーラ様たちは参加しているのよね。本当にお母さんってばサーラ様のこと大好きで、すごく興奮した様子だった。




 素敵な教会で、大好きな人と結婚式をあげる。

 そんなマリッサの様子を見て、私もいつかラッザと……とそんな気持ちになった。



 結婚ってとても素敵なことだ。

 好きな人と家族になって、好きな人と一緒にいるための儀式。

 王侯貴族は政略結婚も多いから一概には言えないけれど、結婚ってとても素敵だなって思った。


 マリッサはこれからジェズアルド様と一緒に幸せになるだろう。そのうち子供が出来たら姪っ子か甥っ子が出来るってことよね。

 ラッザが大きくなるまでの間に出来そうな気がするので、その時が楽しみだと気の早いことを思ってしまう。






「メリちゃん、マリちゃんの結婚式素敵だったね」

「ええ。とっても素敵だったわ」


 結婚式が終わった後、ラッザと一緒に馬車に揺られる。

 私とラッザはこのままフロネア家の屋敷に戻るの。ラッザはお泊りをよくしているのよ。もちろん、部屋は違うけれど。



 それにしてもラッザの言う通りマリッサの結婚式は素敵だった。

 ずっとマリッサは幸せそうで、見ていてとっても楽しかったしね。





「僕も……メリちゃんと早く結婚したいな」

「ふふ、私も同じことを思っていたわ。ラッザとの結婚式もこんな風に周りに祝福されて、幸せな結婚式にしたいなって。ラッザと結婚するって考えただけで私幸せで、なんだか興奮しちゃうわ」

「メリちゃん、まだ先なのに想像で興奮していたら本番大変だよ? 皆の前で誓いの口づけするんだよ?」

「……そうね。なんか考えただけで幸せだわ」


 思わず想像して一瞬押し黙ってしまった。

 それにしてもラッザとの結婚を考えるだけで本当に幸せだわ。それにラッザも私と同じで私と早く結婚したいと思ってくれていることも、嬉しい。


 ラッザの気持ちがこのまま変わらず、私のことをラッザが好きでいてくれたら。そしたらその幸せな未来は確定でやってくる。




 ――本当にその日が楽しみで仕方がないと、そんな風に私は思ってならない。

 次に兄妹の中で結婚するとしたらラトかしら? などと私は思っていた。けれど、マリッサの結婚式から少したってから、少し予想外のことを聞かされた。




 

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