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ミラクルガールは星の力を借りて  作者: ビターグラス
17 トップ冒険者の伝説
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トップ冒険者の伝説3

 サクラが熱湯の球の中で、カニをゆでている間、カニはなぜか大人しくしていた。熱湯に触れただけで死ぬはずがないのだが、動かないと死んだと思ってしまう。しかし、カニは自ら熱湯の中に入ったのだ。即死するのに、その中に入るというのは生物としておかしいだろう。そう考えたところで、あのカニが異常種だと言っていたのを思い出した。異常種だとそう言うこともあるかもしれないと思うが、水の中でも相手の足は地面に着いている。完全に死んでしまえば、その体を足で支えることは出来ないだろう。それを待ち続けるしかない。しかし、魔法を常に使い続けるというのは難しいことだ。魔法に込めた魔気が無くなれば、水は消えてしまう。サクラは魔法を完全に理解しているわけではないため、魔法を出して置ける時間についてはあまり理解していない。魔気という魔法の元みたいなものを使って魔法を出せる。その程度の理解だ。元の世界の科学の原理と似たようなところがあるため、感覚で魔法を理解しているだけだった。そのため、いつ使った魔法が斬れるのかは理解していない。これくらいの魔法ならこれくらいだろう程度の予想はこれまでの戦闘経験でわかるが、完全に理解しているわけではなかった。その証拠に、今、彼女が作り出した熱湯の球が消失して、中のカニが動き出したのだ。


 サクラは少し焦りながらも、カニとは一定の距離を空けるように移動する。カニの体表面の色は赤いが、それがダメージになっているような動きはしてない。むしろ、茹でたせいか、相手の動きが俊敏になっている気もする。彼女のその感覚は間違っていない。茹でた、と言うか、体の表面を熱湯で洗ってしまったために、体に付いていた土などが全て落ちたのだ。だから、足や腹部の部分がやせたように見える。足も最初に見たときより、その先端が尖っている。サクラはそれに気が付いていないが、彼女にとって大切なのは、相手が素早くなったということだけだ。逃げてばかりでは居られないと、彼女はカニの様子も気にしつつ移動していた。未だ、カニの甲羅に直接攻撃していないため、その甲羅の硬さがわからないのだ。毒があるという情報があるため、近づかないようにしていたが少し柄づいて攻撃するべきなのかもしれないと思ったが、その前に土魔法をぶつけてみるべきだと考えを改めた。


 その考え通り、彼女は土の魔気を使い、カニと同じくらいの大きさの岩を生成した。彼女は自身の正面に作り出したそれを、相手の上に移動させ、それを落下させた。その岩の塊は確実にカニの甲羅にぶつかり、轟音を辺りに響かせた。カニは両手のハサミを掲げて、地面に体を叩きつけられている。しかし、落ちてきた岩に抵抗するように体を持ち上げて、岩を持ち上げる。しかし、岩は未だに落下する動作を続けていた。カニは鳴き声など上げないが、苦しそうではある。彼女はこのチャンスを逃すまいと、次の魔法の準備をする。茹でたことで、少しは攻撃が通りやすくなっていると予想して、彼女は風の刃を作り出し、それを相手の足に向けて発射した。風の刃は、相手の一番前にある足に向かって飛んでいき、少し抵抗はあったものの、相手の足を斬った。完全に斬り離すことは出来なかったが、体を支えきれなくなる程度には足の機能を奪えたようで、岩に抵抗する力もなくなり、地面に伏せた。しかし、カニは諦めていないのか、カニは未だに両手を使って岩をどかそうとしているようだ。近づかなくても討伐できるとなれば、近づかずに攻撃した方が良いだろう。彼女自身は確かめていないが、毒があると言われている相手にわざわざ攻撃することもない。彼女は二つ目の岩を作り出し、一つ目よりも少し小さな岩を二つ作り出して、相手の両手にぶつけてハサミを封じる。地面にハサミを押さえつけた状態で、風の刃を作り出して、何度も斬りつけることでハサミを分離した。ハサミが付いていた手は上にあげられたが、その先には何もなく、ただ棒を振っっているようにしか見えなくなった。カニは焦っているのか、残っている足で地面を掻くように動かしているが、岩から逃げることは出来ない。彼女はこれ以上、カニの魔獣は抵抗できないだろうと、弾丸の魔法を放つ。相手の目を潰し、ボロボロになった甲羅に何発も銃弾の魔法を打ち込んだ。既に耐久力を失ってしまっていた甲羅は、その弾丸を弾くこともなく容易く、体を貫いた。最初に生成して、カニの体を押させていた岩を分裂させてそれぞれの破片を弾丸へと変えた。それを相手に落とす。相手の体は穴だらけになった。カニはそれでも足を動かして立ちあがろうとしていたのだが、それは適わず、地面に体が引き寄せられるようにして倒れた。ようやく、勝った。彼女はそう思って息を吐いた。しかし、油断しては行けなかったのだ。カニの後ろから何かの影が出てきたのだ。

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