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ミラクルガールは星の力を借りて  作者: ビターグラス
17 トップ冒険者の伝説
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トップ冒険者の伝説 2

 サクラは森の中に来ていた。目標の魔獣がどこに居るのかはわからないが、森の奥というわけではないだろう。こういう依頼が出てきたのは森の奥から強い魔獣が出てきているからだ。目撃情報がどこらへんだったという情報はあるが、サクラ自身が目標を見つけるには彼女自身が移動して見つけるしかないのだ。それは彼女も理解していて、変身せずに森を歩いていた。町に近い森だからと言って、弱い魔獣ばかりと言うわけではない。既に、森の中に入れば、強力な魔獣が既に出没しているのだ。彼女は魔獣を見つけ次第倒すことにした。見つけた魔獣を放置して、町に被害が出るというのは馬鹿らしい。


 サクラはある程度、森の中を歩いた。魔獣との戦闘はあったものの、そこまで戦い甲斐のある魔物はいなかった。強力な魔獣が来ているとは言っても、サクラの能力でであれば、苦戦する相手ではなかった。そして、彼女は森の中に不自然な大きさの岩があるのに気が付いた。その岩は、彼女の背丈よりは大きそうに見えた。岩の近くにある木の葉の生えた部分に届きそうなほどの大きさだ。彼女が近づいていくと、途中でその岩が動いたように見えた。サクラはそれがもしかすると、討伐対象の魔獣なのかもしれないと思った。少しずつ近づいていくと、岩が確実に動き出した。岩が垂直に上に持ち上がり、その横からいくつかの足が細い足が伸びていく。その足が地面に落ちると、ドスンと言う音と共に周りにあった木々の葉が揺れていた。その魔獣は両手のハサミを高く上げると、体を震わせた。体が木々に当たり、辺りの木々についていた枝が折れて、バキバキと音を鳴らしていた。さらに木々が揺れ、その魔獣がサクラのいる方向に向こうと、方向転換していた。その際に、邪魔だったのか、周りに遭った木々をハサミを振り回して、へし折った。相手の正面辺りに落ちた折れた樹の幹をハサミで持ち上げると、その幹をバキリとへし折って、横にぶん投げた。その木はまだ折れていなかった気にぶつかり、その木を折る。そして、相手はサクラを正面から捉えていた。彼女の中ではカニは横にしか移動できないものだと思っていたのだが、このフォレストキャンサーは彼女の常識から外れていたらしい。彼女に向かって正面に進んできた。サクラはその瞬間に、気持ち悪さを感じて、何も言わずに、無言で振り向いて走り出した。彼女が逃げると、それを追って、カニが木々をへし折って進んでくる。辺りにバキバキという音が響き渡っていた。さらに、カニはハサミを振り回しながら進んでいるため、折る必要の無き木々まで、折れている。そのため、カニが走った後がわかりやすくなっていた。サクラは走りながら、冷静さを取り戻していき、少しだけ後ろを振り向くと、そのカニのハサミが自分に伸ばされれば、今にも届きそうなくらいの距離に移動してきていた。彼女はすぐさま変身して、体を反転させた。カニもそれを理解したのか、足を止めた。相手の口元に薄い灰色の泡がブクブクと出てきていた。カニも戦闘態勢になったのだろう。サクラはキャンサーの鍵を胸に差して、ハサミを出現させて、またそれを左右にばらして二刀流にした。


「カニがでかくなると気持ち悪いですね。元の世界ではおいしい食べ物だったんですけどね」


 サクラはハサミを出したのだが、それを使わずカニ目掛けて、大きな岩を魔法でふっとばした。魔獣はそれを自身のハサミを叩きつけて壊した。砕けた岩の破片が相手の体に当たったが、全く聞いているようには見えない。彼女は次に水の魔法で高圧で放水するイメージで魔法を使った。カニは水を全く気にしていないように。ゆっくりと足を動かして、サクラに近づいていた。サクラは相手の攻撃範囲に入らないように、相手が動いたら自分も動くという立ち回りで何とか相手の攻撃を受けないようにしていた。しかし、それで安心できる相手ではないだろう。相手も何らかの遠距離攻撃の手段を持っていないとも限らない。魔獣が魔法を使わないという思い込みは、彼女自身の足元を掬うかもしれないのだ。彼女は次に、水を魔法で出現させた。目の前のカニ一体ほどであれば、包み込める程度の大きさだ。その水を彼女は火の魔気を使って温度を上昇させる。水の球の中でいくつもの気泡が浮き上がり、その水の球から湯気が立つほどの熱湯になったところで、相手にそれをぶつける。カニはそれを気にしていないかのように前に進み、自ら水の球の中に突っ込んだのだが、すぐに後退して水の球から抜けた。サクラは、水の球から触手のように何本もの水の手を伸ばしていく。それはアクアリウスが使った技に似ている。沸騰したお湯がカニの体を熱した。

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