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ミラクルガールは星の力を借りて  作者: ビターグラス
15 アクアリウス
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アクアリウス 1

 鎖に拘束されていた瓢箪が震え、鎖とぶつかり合ってがちがちと音を立てた。そして、その拘束から無理やり抜け出し、宙へと浮かぶ。その中から、紫色の液体が放出され、それが瓢箪から何かが生えているかのように一本の太い鞭のように集まる。そして、そこに二つの窪みが出現した。


「ここまでやられるとは思ってなかったんだけど、これで本当の本気を出せる……!」


 紫の液体が大量に放出して球形になり、瓢箪を包む。その球体は徐々に大きくなり、その球体に三つの窪みが出現した。それがアクアリウスの顔に見えた。


「つまり、貴様を倒せば、この戦いも終わりってことだな。単純だな」


「できるんなら、な。この状態を倒せると思うなよ! 私は神。物に憑いた神なんだ! 人ごときが届く領域だとおもうんじゃねぇ!」


 アクアリウスから紫色の触手がいくつも伸びてくる。その触手に触れると、フローの手に合ったような火傷になるのはそれに触れなくてもわかることだろう。フローはそれを見ても、戦意は変わらないどころか、強くなっていた。それは、この戦闘の最終目的が見えたからだ。しかし、彼女は瓢箪がそう簡単に壊れないことを理解していた。どうやって倒すのかが問題だ。




 アクアリウスが本性を現しているしているころ。サクラはフローの戦闘を後ろから見ていた。体の痛みはかなり引いて、そろそろ戦闘に参加できるようになっていた。そして、瓢箪にみずがめ座の力があるというのは理解できたのだが、本体が見えない以上、空の鍵を突き刺すにはあの紫の液体を何とかしてなくさないといけないだろう。この空の鍵を直接刺さなければ効果は出ないだろう。


 サクラはとにかく戦闘に参加するために、フローが戦闘しているところに混じろうとしたのだが、フローもアクアリウスも空中で戦っている。サクラは空を飛ぶことは出来ない。ジャンプで一瞬の間なら宙にいることは出来るのだが、空を飛ぶことは出来ない。つまりは、この戦闘には参加できないのだ。


「なぁ、サクラ。オレと力を合わせれば、空でも戦えるかもしれねぇ」


 オブが少し落ち込んだような様子で、彼女の後ろに立ってそう言った。サクラはいきなり話かけられて肩をピクリと動かして、振り返った。オブは表情そのものは落ち込んでいるようだったが、その瞳にはまだ、戦意が見えた。オブの作戦は単純なもので、彼女の遠距離でも物理攻撃を当てられるという超能力を使い、サクラを彼女の超能力で作り出した見えない手の上に乗って戦うという物だった。しかし、その方法で戦闘する場合、サクラは落ちないようにしないといけないだろうし、オブは彼女の動きに合わせて動く必要があった。オブの超能力は遠距離に届くというだけで、遠くに攻撃すると言ってもその攻撃範囲が、彼女の拳や足と同等の大きさにしかならない。つまり、この作戦を行う場合、オブの掌の上にサクラを乗せ続けるというのと同じことだった。


 その作戦の難しさを全て理解しているわけではないのに、サクラはその作戦を了承した。オブもそこまで難しいとは考えていないようだ。オブはこの戦闘で活躍することを優先しているようにも見える。ラピスは最初に着た位置からほとんど動いていなかった。彼女も紫色の球体を見ているはずなのに、逃げようとも戦おうともしていない。頭に何も描かれていない鍵を両手で握り締めながら、この戦いを無表情で見ている。


 ラピスは、この戦闘に参加したいと考えていた。しかし、彼女は参加できない。それは彼女は自分が動けなくなることを恐れているからだ。彼女は、一番最後まで動ける状態を維持して、誰も戦えなくなった時に、全員を抱えて逃げる気なのだ。オートゴーレムは三人程度であれば、簡単に持ち上げられる。その分、魔気の補充が後に必要だが、逃げることさえできれば、サクラでもフローにでも頼むこともできるだろう。生きてさえいれば、次に挑むこともできるだろう。そう考えていた。だから、彼女は戦いたくても戦闘には参加できないのだ。それでも、鍵を握り締めているのは、戦っている三人に勝ってほしいからだった。




「フロー! 私も戦います」


 サクラが宙を歩いていた。見えないが、彼女の足の下にはオブの超能力で出現している彼女の掌がある。オブがサクラを支え続けられる時間がサクラの空中での時間制限と考えていいだろう。フローはその奇天烈な作戦に驚いていたが、サクラが隣にいるだけで、心強さを感じていた。その心強さが彼女の闘争心で縛られていた心を緩める。しかし、サクラは自由には動けない。紫色の触手が二人を狙う。元々、その触手は二人や三人程度は相手できるほどの量が出現しているのだ。アクアリウスは大した脅威ではないと考えてしまっていた。

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