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ミラクルガールは星の力を借りて  作者: ビターグラス
14 美しさのための闘争心
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美しさのための闘争心 3

  アクアリウスは手に持った瓢箪を使い、そこから前に戦闘した時のように液体を放出させた。色は透明だが、サクラはその液体に触れないように移動する。色のない液体は水である可能性が高いが、ただの水をばらまくとは思えない。サクラの元の世界では透明でも、かなり危険な液体が沢山あったのだ。しかし、この世界の常識しかないオブが、二人の戦闘の間に入り、相手に攻撃を当てようとしていた。彼女は放出された水を彼女の超能力でかき分けるようにしてかき分けようとした。彼女の超能力は、オブの拳の届く範囲に対象がいなくとも、物理攻撃を当てることが出来るという物である。その超能力を彼女は透明な液体にぶつけたのだ。その瞬間、その場で液体が発火して、宙に広がっていた液体全体に炎が移った。その瞬間に、一瞬だけ強烈な光がオブとサクラの目を焼いた。ラピスはその光を見てもオートゴーレムの中にある光を調節する機能が働いて、目に光が焼き付くなんてことはなかった。そして、目くらましを受けていない彼女だけが、相手の位置が見えていた。目くらましの火が上がったその瞬間だろう。相手はサクラの目の前に移動してきていた。サクラもそれに気が付いていたのだが、相手の攻撃に反応することは出来ない。彼女は腹に蹴りを入れられ、後ろに飛ばされる。足が地面に着いているのだが、それだけでは勢いは止まらず、彼女はステップを踏みながら後ろに下がらせられていた。彼女の口から空気が漏れた。


 その光景を見てしまったオブは自分のせいだと理解した。しかし、悔やんでいる場合ではない。この町の異常の一つの原因を倒せるチャンスなのだ。彼女はサクラに無得ていた視線を相手に向けようと、先ほどまで相手のいた場所を見たが、既に相手はそこにいない。視線を彷徨わせていたのだが、横から音が聞こえて、その方向に視線を向けた。サクラが相手の拳を持っていた武器で受け止めて、はじき返していたのだ。アクアリウスの目にはオブは映っていないのだ。彼女は確かに強いのだが、それは一般人と比べてだった。サクラは変身した状態であれば、オブより強い。そして、何よりミラクルガールであることが、アクアリウスにとっては将来邪魔になることは間違いないと考えていた。そのため、サクラを先に倒さなければいけないのだ。オブもラピスもサクラさえ倒してしまえば、殺すのも簡単なことだ。


「くそっ! 舐めてんじゃねぇぞ……」


 口ではそう言うものの、自身の弱さを自覚していた。今のままでは勝てないのだ。彼女が変に手を出すと、サクラの邪魔になるのは確実だ。彼女もそれを理解しているからこそ、そこから動くことが出来ないのだ。拳を強く握り、体が震えるほど悔しい。サクラのことを助けたいのに、そのための力がないことが、彼女にとってはかなり悔しいことだった。サクラは自分より年下だというのに、彼女と肩を並べて戦うことすらできない。彼女はその場から全く動けない。サクラの戦いぶりを見守ることしかできなかった。


 サクラはオブがそんなことを考えていることは全く知らず、アクアリウスの動きに付いて行く。今の状態が相手の本気だというのなら、この戦闘で勝利するのは自分だとサクラは信じていた。しかし、この序盤で、全力を出してきているとは考えにくかった。そもそも相手はまだ魔法を使用していないのだ。魔法が使えないという可能性はないとは言えないが、この町で過ごしている間に、魔法を使えなかった人はいなかった。つまりは、相手も魔法を使えると考えるのが当然だ。相手の実力の底はまだ見えない。瓢箪から液体が出てくるのは知っているが、その液体を彼女は何か認識できない。元の世界にもあるような液体ならいいが、そんな都合よく元の世界の液体が出現するとは思えない。同じ性質の液体はあるだろうが、サクラの持つ元の世界の常識とは違うもののはずだ。それを理解していても、彼女はとりあえずは攻撃するしかないのだ。相手のことを知るためにはまずは攻撃するしかない。彼女も魔法は温存して、ハサミで攻撃している。相手の瓢箪から放出される液体を回避しながら、相手の懐に入ろうとしているのだが、それを許すほど相手は弱くも甘くもなかった。それでも、彼女は諦めずに攻撃を続ける。しかし、その間に相手の攻撃を何度もぎりぎりでガードしたり、回避したりしていた。カウンターで来る攻撃はどうしても防御も回避もギリギリになってしまう。


「さすが、ミラクルガール。意外とタフだね。でも、ずっとこうしてるわけにもいかないでしょ」


 相手は視線を一瞬移動させる。その先にいるのは、オブとラピス。サクラはその視線の意味が理解できてしまった。彼女がそれに気が付いても、相手は既に瓢箪の口を二人のいる方向に向けていた。ラピスは離れたところにいるが、オブは確実に瓢箪の射程圏内だった。オブもそれに気が付いたが、体はすぐには動かない。サクラが焦り、相手の瓢箪を持つ手を叩いた。しかし、びくともしない。瓢箪からはかなりの勢いで、透明な液体が放出された。向かう先はオブだった。

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