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ミラクルガールは星の力を借りて  作者: ビターグラス
13 二つの魔獣討伐
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二つの魔獣討伐2

「くっ」


 叩き落された彼女はすぐに立ち上がる。翼を広げて空へ。彼女が宙に止まると、彼女の足に何かが巻き付いた。彼女はそれを鉄球で叩き折る。巻き付いた枝を足を払って地面に落とした。持っていた鉄球をいつもより剣身が長い剣を作った。手に馴染む長さではないため、違和感がある。


 フローは前の盗賊との戦いで、使える武器の少なさのせいで、追い込まれていたのを反省していた。サクラと一緒にいない日には彼女は一人で他の武器を扱えるように練習した。フローが堕ちる前に住んでいた町では武器と言えば、彼女がよく使っている剣だけだった。彼女が鉄球の武器を使えるのは堕ちたときに地上で使っている人を見かけたからだ。それを扱っているところを真似て使っているだけで、使いこなしているわけではない。つまりは彼女の使える武器は片手剣だけだった。それだけではこれから先、冒険者として、サクラに並ぶこともできないとわかった彼女は他の武器を使えるようになろうと思った。そして、武器を作り出す以外にも超能力の使い方を考えたいとも思ったが、今は武器を作り出す以外の使い方は思いついていない。だから、彼女はとりあえず似たような武器から慣れていくことにしたのだ。そのためのロングソードである。片手で扱えるぎりぎりの重さだ。空を飛ぶ彼女には空での移動の制限もつく。しかし、それも特訓である程度は理解できていた。彼女はトレントの攻撃であろう木の触手とでもいえるそれを剣で薙ぎ払う。彼女に触れることは出来ない。


 彼女が空で戦っているため、五体の豚の魔獣の狙いは全てサクラになってしまった。しかし、サクラはそれくらいでは驚かない。相手の魔法の対策が出来ている以上、突進されたり噛み付かれたりしなければ沼に落ちることもない。突進なら土の壁を作れば防御することもできるだろう。ただ、五体の豚に囲まれているため、二三体は視界から外れてしまう。そのため、後ろからの不意打ちの対処はぎりぎりになってしまう。それでも、彼女は同時攻撃すらも捌く。変身している彼女は何も言わずに魔法を使うことが出来る。魔獣が突っ込んでくるのに合わせて土の壁を作り出した。その壁に豚がぶつかる瞬間に、そこから水を放出した。水は豚を捕まえ宙に浮かんだ。それを助け出そうとしたのか、ふらふらと浮かぶ水のたまに一匹の豚が突っ込んでいく。サクラはその水を凍らせようとしたのだが、彼女の作った水の球は豚が二体入った瞬間から灰色に濁っていく。それは豚の纏っている泥だった。水が濁り、地面に落ち、水は地面に染み込んでいく。水での豚の確保は難しいらしい。エクスプロージョンを使えば、こんな魔獣は一撃で丸焦げにできるだろうが、それをここで使うと森が火事になりかねない。ただでさえ、魔獣の住処が変わって異常事態になっているのに、森を火事に擦ればさらに魔獣の生息域が変わってより大変なことになるかもしれない。サクラの元の世界でも人間が住む場所を広げすぎて、動物の住む場所が無くなっているなんて話もある。このファンタジー異世界で、元の世界のような問題を起こしたくはない。そんなことを考えながらも、彼女は豚の攻撃を土の壁で防いでいた。水と火が駄目ならあとは風だろうか。土の魔法で檻を作ったとしても、この世界の魔法の仕組みを考えると、それを維持するのは難しいだろう。つまりは、どうにかしてこの泥の鎧を着た豚を倒さなくてはいけない。


 豚が突撃してくるのを土の壁を作らず、突風の壁を作る。それは豚に対して、向かい風になるように風を強風を吹く魔法だ。それでも豚の進む力の方が強いため、少しずつ前に進んでくる。地面がぬかるんでなければ、とっくにサクラに到達していただろう。しばらく強風に晒された豚は泥の鎧が固まり始めていた。強風に寄り水分が飛ばされて、泥の鎧が固まってしまっているのだ。その泥は既に本来の役割を果たさないだろう。彼女は豚の真上から見えない刃を叩き落とす。その刃は先ほどまでとは違いすんなり胴を真っ二つにした。泥に弾かれることもなく、断末魔を上げることもなく、一匹の豚は真っ二つになった。強風に押し流されてぬかるんだ土の上を滑っていく。その方法で全ての豚を真っ二つにして、ようやく豚の討伐が終わった。豚を倒しても床のぬかるみは戻らなかった。後は木の触手だけだと思ったのもつかの間、森の中で騒がしくしすぎたのか、それとも森を荒らしたのが気に食わなかったのか、彼女たちの周りには沢山の魔獣がいた。既に囲まれている。


「フロー、一旦逃げましょう!」


「どうやって? 完全に囲まれてるんだ。逃げ道も作らないとない!」


 フローは木の触手と戦いながら、サクラに返事をしていた。サクラも辺りをもう一度見渡す。光景は変わらない。フローの言う通り逃げ道も作らないと逃げることすらできないだろう。


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