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ミラクルガールは星の力を借りて  作者: ビターグラス
11.5 少女たちの休日 1
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少女たちの休日 1-2

 リトルコーヒーが三人の前に出てきた。三人とも同じくらいの量を啜り、マグカップを置いた。フローは目を閉じて、リトルコーヒーの味を楽しんでいるようだった。ラピスはサクラをみて、女子会が始まるのを待っていた。サクラはそんなラピスに視線を返すだけで、彼女が何かを言おうとしていると思って、口を閉じていた。そのせいで、三人の間には言葉の一つも出てこない。フローが目を開けて、二人を見たところでようやく彼女が喋った。


「何してるんだ?」


 黙ったままの二人を見て、そんな疑問をストレートに投げかけた。二人は視線を合わせる。サクラが何も言わなかったので、ラピスは自分が話した方が良いのかと口を開いた。


「いえ、女子会が始まるのを待っているのです」


「あ、その、もう始まってますよ、多分」


 サクラはまさか、まだ始まっていないという解釈をされているとは思わず、少し早口でそう言った。ラピスは指を顎の辺りに持って行って、考えるような仕草で彼女は呟いた。


「そうなのですか。その、何か楽しい話をするべきなのでしょうか」


「いや、そのやっぱり何も考えないで楽しむことにしましょう」


 結局は、最初にフローが言ったことを採用するような形になり、フローが満足げにコーヒーを啜っていた。結局、女子会が何かはわからないが、三人で楽しく過ごすことがでいればいいやと彼女もコーヒーを啜る。それを真似するように、ラピスもコーヒーを啜った。


 結局、三人は特に騒いだり、止まらないお喋りをしたりしたわけではなかった。それでも、三人とも楽しそうに笑っていた。コーヒーも飲み終わり、ウェットブルーを出た。その後に何をするか考えていないサクラは二人を連れて、商業地区に移動した。


 相変わらず、活気のある場所でそこかしこで大きな声が飛び交っている露店の並ぶ道を歩いていた。ラピスもフローもサクラに付いて行くだけで露店の商品を見ている様子はない。サクラが気になる商品を見つけて、立ち止まると二人も止まり、その露店の商品を一緒に見るだけだ。


「二人は何か、見たいものとかないんですか。一緒にみましょうよ」


「そう言われても、なぁ」


 フローは空を見て、何か見たいもの、と探していてもそれが空に見つかるはずもない。


「ラピスは可愛い服とか見たくないですか?」


「いえ、私はサクラさんが見たいものを一緒に見たいので」


 ラピスに好かれているというのは嬉しいのだが、自分のことだけでなく彼女のことも知りたいと思うのは当然のことなのだが、ラピスはそれをわかっていないようだ。フローは未だに自分の見たいものを空に探していた。二人の様子を見るだけで、今はまだそういう関係に慣れていないのかもしれないと、自分を守るような言い訳で納得するしかなかった。とにかく、二人は付いてきてくれているので、自分の見たいものをみようと思った。


 露店の通りを過ぎて、しっかりとした建物の中に店があるエリアにきた。大声こそないが、人の出入りは多く、ここもしっかり活気があった。サクラはその内のアクセサリーが商品棚に並んでいるのが、大きな窓から見えた。カワイイものがありそうな店だと感じて、三人はその店に入った。


「おぉ、可愛いアクセサリーです!」


 彼女たちが入った店の名前は、ヴェンドシスターズ。ヴェンド姉妹が経営している店だ。店名もそのままである。壁際には全て、棚がきっちりと並べられており、その棚には綺麗なアクセサリーが綺麗に並べてある。窓からの光を受けて、輝いているように見えるものもあった。並べられている商品のほとんどがネックレスが指輪だったが、綺麗な模様の入った食器や可愛い生物をかたどった小さな陶器の置物もある。そして、店の真ん中に置いてある机の上には、花をかたどった装飾の付いた髪留めが並んでいた。


 サクラだけでなく、ラピスとフローも店内を見回していた。どれもキラキラしていて、彼女たちも見慣れないものばかりのようだ。サクラは元の世界ではこういう場所には入ったことが無かったため、このキラキラした空間は新鮮だった。


「サクラさん。これ、綺麗ですね」


 ラピスが指を刺したのは、棚に掛けられた小さな宝石の付いたネックレスだった。窓の光を受けて小さな宝石が輝いているように見えた。


「そうですね! とても綺麗です。ラピスに似合いますねっ!」


 テンションが上がった二人はそのネックレスを見つめていた。この綺麗なネックレスに触れる勇気は二人にはなかったため、見るだけだった。その後ろでフローは空色の指輪を見ていた。宝石は付いていないが、指輪には羽の絵が彫られているのだ。その繊細な絵が彼女は気に入ったらしい。しかし、売り物である以上、彼女も勝手に指にはめることはなかった。


「それも綺麗ですね。羽の絵が描いてあります! フローにぴったりの指輪ですね」


「そ、そうだろうか。こういう物は付けたことが無くて」


 サクラの誉め言葉にまんざらでもなさそうに頬を少し赤らめている彼女は中々レアだった。

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