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ミラクルガールは星の力を借りて  作者: ビターグラス
11.5 少女たちの休日 1
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少女たちの休日 1-1

  フローの盗賊討伐の依頼から一日が経った。フローが依頼を達成したことは、彼女たちが報告をする前にナチュレに知られていた。それは難しい話ではなく、フローの治癒の後、すぐにナチュレが盗賊団がアジトにしている場所に暇そうな冒険者たちを向かわせたのだ。そこで盗賊が倒れているのを発見し、既にフローの依頼が達成されているのを確信しているのだ。そして、盗賊たちは領主の館の近くにある牢屋に捕らえられた。領主は死ぬまでその牢屋から出さないことを刑とするようだ。そして、フローには盗賊討伐を達成した報酬が支払われた。ギルド内では、サクラに続く、凄腕の新人が現れたと噂が流れているのだが、フローはそんなことは知らない。


 フローの体調は万全になり、今日もサクラの部屋に来ていた。そこにはラピスもいた。今回、サクラは怪我をしていないということを確認できて、喜んでいるようだった。しかし、フローが大怪我をした話をすると、ラピスはフローに視線を送った。


「大丈夫だ。もう、ピンピンしてる。翼も広げられる。後遺症もないから」


 フローは少し話しづらそうにしていた。彼女が自分を心配することが少しむず痒いのだ。二人は友達の友達と言ったような関係で、親しいと言えるかはわからない間柄だ。それでもラピスは誰かに傷ついてほしくはない。サクラと仲が良いなら余計そう感じる。親しい人が怪我を擦れば、サクラも悲しくなるのは必然だ。彼女にはそんな思いもしてほしくはないのだ。フロー自身が大丈夫と言うなら大丈夫だと、ラピスはそれで話を終わらせる。


「それで、ですね。二人に集まってもらったのは他でもありません」


 サクラが二人の前に立ち、人差し指を立てて、二人の注目を集めた。フローは眉を上げて、何を言うのかと彼女の言葉を待ち、ラピスはサクラの顔を真剣に見つめている。


「今日は三人で女子会をしましょう!」


「女子会……?」


 フローが首を傾げて、片目を瞑り女子会に付いて考える。それが何なのか彼女は知らないのだ。ラピスは自分の記憶を探り、女子会についての情報を集めようとしていたが、その単語もそれに関連しそうな言葉も記憶にないことが分かった。


「サクラさん。女子会とは何ですか」


「……三人で仲良くお喋りすることだと思います、多分」


 サクラ自身もただ思いつきで言ったことで、実際に女子会なんてものをしたことはない。元の世界でも友達と話すことはあっても、女子会と言う名目で何かをしたことはない。彼女の知っている女子会は物語に出てくるものだけだ。そして、それは女子だけで集まって、楽しく会話したり、遊んだりすることだということしか知らない。


「話をする、と言うことか。ここで?」


「カフェとか行きましょう。そして、何か飲みながら楽しくお喋りするんです」


「はぁ、わかりました。とりあえず、サクラさんに付いて行きます」


 ラピスは何もわかってはいないが、サクラがやりたいと言えば、それに付き合おうと思っているため、反対することはない。フローもそれは同じだ。彼女と一緒に何かしたいと思っているのだ。とにかく、話を一人でまとめたサクラに付いて行き、ウェットブルーにいくことになった。この町には他にもカフェはあるのだが、彼女が知っているのはウェットブルーだけだった。




「こんにちは。お邪魔します、マスターさん」


「いらっしゃい。今日はご友人も一緒なのですね」


「はい! 私の大切な友達です!」


 サクラたちはカウンター席に座った。それぞれにメニューを渡したのだが、サクラが持っているメニューを三人で見ていた。マスターはそれをみて、メニューを二冊下げた。美少女が三人顔を額を合わせて、メニューを見ている様子は癒しのオーラが出ていた。


「サクラはいつもここに来ていると言っていたが、よく注文するのはどれだ」


「いつもはリトルコーヒーです。苦すぎなくて、とてもおいしいんです」


「じゃあ、私はそれを貰おう。マスター、リトルコーヒーをください」


「かしこまりました。少々お待ちを」


 マスターはマグカップを出して、コーヒーを作り始めた。その間に、ラピスとサクラがメニューを見ていた。今更だが、サクラたちは特に空腹というわけではない。昼食は既に食べたし、元々間食をするような生活スタイルでもない。サクラはメニューと睨めっこした結果、リトルコーヒーを頼んでいた。サクラが注文するタイミングでラピスも同じものを注文した。結局、三人とも同じものだ。マスターはそれわかっているかのように、既にマグカップを三つ用意していた。


「それで、楽しくお喋りだったか。女子会ってのは何を話せばいい?」


「え、えと、それはわからないです。実は、私も楽しくお喋り以外のことは知らないんです」


「……ふむ、そうか。なら、適当に楽しく過ごそう。それでいいんじゃないか。無理に理想の女子会をすることもない」


「いえ、サクラさんがやりたいと言っているのです。楽しくお喋りしましょう!」


 ラピスが両手を握りながら、机を叩きそうな勢いで、手を上下にしている。ラピスが珍しく興奮していた。フローだけでなく、サクラも彼女の初めて見る態度に驚いていた。

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