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ミラクルガールは星の力を借りて  作者: ビターグラス
10 メイトの秘密
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メイトの秘密 1

 サクラに火が迫るが、彼女の体は硬直したまま動けない。その時、サクラの体に何かの負荷がかかる。彼女は既に目を瞑っていて何が起きたのかわからなかったが、目を開けると今までいた場所とは違う場所に来ていた。辺りを見ると彼女の後ろにはメイトがいた。今、自分は助けられたのだと理解したが、体は動かない。未だ恐怖に縛られているのだ。


「大丈夫? 怪我してないな。間に合ってよかった」


 メイトは恰好つけたわけでもなく、サクラを地面に降ろすと、銀髪の女性からサクラを守るように彼女の前に立つ。


「どういうつもりなのかな。ミラクルガールは敵でしょ?」


「同意は出来かねる。これでも彼女の先輩なんだ」


「そっか。ボスのルールには反するけど邪魔だから仕方ないよね」


 銀髪の女性は瓢箪を振り回す。するとそこから先ほどと同じように透明な液体がばら撒かれる。メイトはそれを既に見たことがあったのか、彼はその液体に当たらないように液体を避けながら相手に近づいていく。一瞬で相手との距離が詰まる。彼は本物のナイフで相手を刺そうと突き出したが、そのナイフは回避される。そして、そのナイフとすれ違うように、瓢箪の口が彼に向けられていた。その口から出てきたのは粘性の緑の液体。それをもろにかかった彼は全身がねばねばし始めた。胸の辺りにかかり、それが徐々に下に移動している。その液体のせいか、動きが鈍くなる。その状態で相手は彼に向けて瓢箪を叩きつけようと振り回す。メイトはその攻撃を捌いていた。持っているナイフで相手の瓢箪が自分に当たらないように攻撃を逸らす。しかし、そのまま徐々に後退させられている。あの緑の液体は見た目はそこまで動きを制限するようなものに見えていなかったが、彼の動きを見る限りそれだけ効果のある者なのだろう。


「悪くない。ずっと前から君はいたぶりがいがあると思ってたんだ。でも、これで 終わりにするよ。彼女も寂しそうだしね」


 相手は後ろにいたサクラと戦闘していた女性にちらと視線を送っていた。そして、再び瓢箪の口が彼に向けられた。そこから何が出てきたとしても、その攻撃を回避することは出来ないだろう。


 サクラは彼の戦闘を眺めている内に恐怖心から解放されていた。しかし、あの間に入ることは出来ないと思っていた。しかし、彼女は自分が新しい鍵を持っていることを思いだした。彼女はウェットブルーのマスターに謝りながら、その鍵を自身の胸に突き刺して、鍵を開けるように捻る。すると、その鍵が光輝き、彼女の胸から外れる。光ったまま鍵は形を変えた。まずは下に長い棒状になり、上の方には尖った三角形の何かが付いた。光が弾けるように消えると、そこにそこには槍があった。頭の部分はドリルのように渦を巻いている。それを彼女は使い方も知らないまま、彼を助けるためにその槍をすぐにメイトの方へと投げた。その槍はドリルを回転させて、土の中を掘り進むように空中を掘り進む。その速度は彼女が普通に槍を投げるよりも遥かに速い。槍は確実に相手の瓢箪を捕らえていた。しかし、槍が直撃したはずなのに、相手の瓢箪は貫けなかった。相手の手から離すこともできない。せいぜい相手の手を弾く程度だ。そして、手を弾かれた相手はその槍を投げたサクラに視線をやった。


「へぇ、まだ戦えたんだ。ミラクルガールは危険だからね。ここで潰させてもらおう」


 相手はサクラの方へとゆっくりと歩いてくる。その間に槍が彼女の元に戻ってくる。彼女はそれを両手で握り、先端を相手に向けた。相手が瓢箪の口をサクラに向けようとしたその時、相手の後ろで最初に戦っていた女性が倒れた。その音を聞いた銀髪の女性はその方向へと視線を向けた。そして、その女性が倒れているのを見ると、サクラとメイトを気にすることなくその女性の元へと駆け付ける。倒れた女性を横抱きすると、銀髪の女性は何も言い残さずにその場を去っていった。サクラは素直に命拾いしたなと思った。そして、メイトは銀髪の女性を負うこともなく、戦闘態勢を解く。それからメイトはサクラの方を見た。


「そうか。その鍵を持っていたのか」


 わざとらしくメイトはサクラに聞こえるようにそう言った。そして、彼はポケットから、サクラの持つ鍵と同じものを取り出した。


「これも使えるはずだよ。持っててくれ」


 サクラは戸惑いながらその鍵を受け取った。それを受け取ったままの体勢で、不安そうな目をメイトに向けた。その視線を受け取った彼は、少しの間目を瞑った後、次に目を開いたときには何かを決心したようだった。


「サクラ、君には話しておかないといけないことがある。君のミラクルガールの素養を観察していたんだけど、十分だと思う。だから、このことを話さないといけないんだ」


 サクラは彼の真剣な瞳を見て、本当に大切なことなのだろうと感じたため、彼の話を聞くことにした。

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