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ミラクルガールは星の力を借りて  作者: ビターグラス
45 五つ
254/266

五つ 3

 五人はそれぞれ、バラバラに移動する。それぞれがオフィウクスと得意な距離を取る。彼に一番、接近したのはフローだ。彼女ははハサミを分離して、彼に近づいていく。そして、彼に斬りかかろうとしていた。ラピスはいて座の武器が弓矢であることは間違いないので、とりあえず、オフィウクスの横に来るように移動しながら、弓を引いた。すると、弓を引いたところに淡く光る矢が出現していた。ほのかに三土井色とわかる程度の色がついていて、それは彼女の頭に流れていたその弓の使い方がそのまま目の前で再現されていた。それはつまりは、このまま適当な方向に矢を放っても、最終的にはオフィウクス飛んでいくということだろう。


 ヘマタイトは、空を自在に移動できるという効果を確かめるために、ジャンプした。すると、ジャンプの頂点で足場が地面に出現して、その場に立つことが出来た。下を見ても、そこには何もないのだが彼女の足は確実に足の裏に真っ平な地面を感じることが出来ている。そこから階段を下りるようなイメージして、足を前に出すと、斜め上に進むための階段があるのが足の下にあるのがわかった。つまりは、このペンダントは魔法と同じように足場をイメージすることで次の足場が出てくるというわけである。オブは相手からの攻撃が来なければ、彼女の手に付けたグローブの力は確かめようがない。彼女は超能力を使うために、オフィウクスに走って近づいていく。


 そして、サクラはそのメイスを片手で持ちながら、彼女もオフィウクスに近づいていく。走りながら超能力を使用して、自身の能力の上限を上昇させる。上昇させたと言ってもすぐにはその上限いっぱいの能力を使って戦えるわけではないのだ。彼女はその力を少しずつ使って、体を慣らしていく。体が壊れるわけではないが、その力を制御しきるためには、その力に慣れていかなければいけない。全ての能力を上昇せた状態で戦えば、その力に意識が付いて行かないのだ。だが、彼女は昔から跳躍力の上昇は無意識の内に使っていたため、それだけは制御できるようになっていた。


 フローが彼に斬りかかるときには、既に彼女はジャンプしていた。フローのわかりやすい軌道のハサミをオフィウクスは体を反らして、簡単に回避する。だが、彼の後ろには既にジャンプして、メイスを後ろに引いて彼を殴りつけようとしていた。彼の視界にはサクラがいるはずもない。だが、彼はその彼女が振るったメイスもするりと避けたのだ。体が地面に対して平行になるくらいに、角度がついているというのに、バランスを崩すこともなく、彼はその状態で、彼女たちに反撃しようとしていた。だが、彼は反撃するのをやめて、体を下に移動させる。変な動きだが、彼が移動しなければ、彼は光の矢に体を貫かれていただろう。光の矢は彼の体のあった場所を通りすぎると、すぐに消滅した。そして、彼は三撃を回避して油断していたのだろう。彼は真上から何かに押しつぶされた。彼にその圧がかかるときにはフローもサクラも近くにはいなくなっていた。真上から来た圧はオブの拳だ。ミラクルガールに変身しているため、彼女の見えない拳はかなり大きくなっているのだ。攻撃はいくつも自分に迫っている中で、魔法でもない見えない攻撃を完全に感知することは出来ずに、彼は攻撃に当たってしまった。そして、そのまま彼は地面に叩きつけられ、押しつぶされる。地面に彼女の拳の跡が付いていて、その中心に彼が倒れていた。だが、彼の前面には白いもこもことした雲のような物が出現していた。彼は押しつぶされてなんかいないのだ。彼は地面に落とされただけで体にはダメージを追ってはいない。だが、それはミラクルガール全員が理解しているのだ。


「ヘマタイト!」


 オブがそう声を掛ける前に、ヘマタイトは魔法を使用していた。それもそのはずで彼女とパーティーを組んでいくつもの依頼をこなしてきたのだ。彼女が何かを言わずとも、彼女との連携なら自身があった。彼女の周りには土の塊が出現していいた。ヘマタイトの大きさを超えるほどの岩が三つ。それ以外にも、大小さまざまな岩が空に浮いている。彼女がヘマタイトに向けて、指をさすと、岩たちは彼に向けて落下していく。その光景をオフィウクスは見ていた。雲のシールドがある限りは、その岩を防ぐことは簡単だと彼は思っていた。


「ファイアーッ!」


 突然、そう叫んだのはサクラだった。既に地面にいる彼女はメイスの先端をオフィウクスに向けていた。メイスの先端には、炎が燃えている。そして、その炎が火炎放射器のように正面に炎を吐き出した。

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