表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミラクルガールは星の力を借りて  作者: ビターグラス
26 エリート & マスター
143/266

エリート & マスター 4

 カイトがリブラとの戦闘を開始しようとしている頃、メイトは閉まっているウェットブルーに来ていた。カウンターに預かった紙袋を置いて、次のことを考える。すぐにでも助けを呼ばないといけないのだが、サクラたちがどこに居るのかがわからないのだ。彼の超能力は彼自身がいる場所から違う場所に移動するにはかなり便利なものだが、人探しには向かない。彼の超能力でコピーした空間に置いてあるにはその場の地形と建物だけだ。人だけでなく、生物を超能力で探すことは出来ないのだ。だから、彼はこれから町中を歩いて探すしかないのだ。彼はまずはサクラが住んでいるアパートへと移動した。




 メイトがサクラたちを探している頃、そのサクラたちは町の中で魔法が使われたというのはわかっていた。しかし、その時に辺りを見回しても使われた魔法を見つけることが出来なかったのだ。通りすがりの町行く人に何か騒ぎが無かったか聞いて回っていた。正しそうな情報もあるが、騒ぎと聞かれてもどの騒ぎなのか、質問された側はわからないため、彼女たちが探している情報ではない情報も集まっていた。そのせいで、今カイトが戦っている場所には辿りつけなかった。そして、サクラたちは知ることもできないことではあるが、たとえ、カイトのいる位置に来たとしてもメイトがいなければ、カイトたちの戦闘に参加することは出来ない。コピーした空間の中に入るにはメイトの超能力が無ければコピー空間に入ることは出来ないのだ。サクラたちはそれを知らないまま、町の中を歩き回っていた。




 メイトはサクラの住んでいるアパートに酔ったがサクラの部屋には誰もいないのを確認して、町の中を探していた。コピー空間の中で土の魔法を使い高いところに移動して、オリジナル世界に移動してサクラたちを探す。サクラが一人でいるのか、誰かといるのかわからない以上、彼女の桜色の髪を見つける方が良いだろうと、町の中の桜色を探しているが、一向に見つからない。町の高いところと言っても、彼自身が飛んでいるわけではないのだ。ある程度高い建物から探すことになるが、塔のように高い建物なんて町の中にはない。そういった高い建物があるのは、この町の公的機関が集まる場所だ。つまりはサクラの住んでいるアパートがある区域だけだ。商業地区にも居住区よりかは高い建物があるが、それでも塔のような高さはない。せいぜいが三階建てくらいの物で、それ以上の高さの物はなかった。そのため、高いところとはいえ、他の建物に遮られて見られる場所は限られてしまっているのだ。


 メイトは早く見つけないとと言う焦燥感を感じていた。いつまでカイトが持つかなんてわからない。あの土魔法使いだけであれば戦えるだろうが、それだけのはずがない。きっと彼女の背後にはゾディアックシグナルの誰かが居るのは間違いないだろうと予想していた。カイトはメイトよりは強いだろうが、それでも一対多と言う状況になれば倒される可能性の方が大きくなる。冒険者でもない彼はそう言った戦闘には慣れていないはずだ。いくら自身の移動を自由自在に操れると言っても、人が認識できる物には限界がある。彼が負ける前に彼女たちを見つけないといけない。彼は町中を走り続ける。商業地区に行き、ギルド内でサクラたちを見ていないか、そこら辺にいる冒険者に聞いたが、誰も見ていないという。受付にいたナチュレにもそれを訊いたが、ここ数日はサクラをギルド内で見ていないと言っていた。ギルドを飛び出して、商業地区でも屋台が並んでいる道を走り抜けたが、そこにも彼女たちはいなかった。居住区に移動する。居住区の中でも商業地区に近いところではいくつか屋台が出ている大通りがある。真っ直ぐな道で、広場まで見渡せるが探している桜色の髪の毛は見つからない。彼は広場まで走る。広場から延びる道の一本に桜色の髪を持つ人物を見つけた。そして、その横には白い羽をもつ女性と緑色の髪を持つ女性がいる。


「いたっ……!」


 彼はそう呟いて、彼女たちの名前を呼びながら走った。




 サクラは後ろから自分の名前を呼ぶ声が聞こえてきたので、振り返った。彼女の前にフローが移動して警戒する。しかし、走ってくるのが見覚えのあるマントを羽織っている男性、メイトだとわかるとフローは警戒を解いた。彼が急いでいることを認めると、彼女たちも彼に駆け寄った。


「よ、よかった。ようやく、見つけた。いきなりで、悪いんだが、助けてくれないか」


 フローとラピスが、サクラを見た。彼女たちも探している物がある。そして、この二人はサクラをリーダーとして町の中を探しているのだ。二人の視線にはどうするのかと訊いているような視線だった。サクラは迷わず、答えた。


「わかりました。何をすればいいですか」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ