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野球少女は天才と呼ばれた。  作者: 柚沙
伝説の幕開け
3/26

変化球




光のいる城西女子野球部は創立1年目ながら、エースとして圧倒的なピッチングにより相手チームを完全に抑え込み、遂には福岡県大会決勝戦まで勝ち上がってきた。



女子野球部は5年前位から少しずつ増えており、3年前から最初から九州大会だった予選も福岡県予選が出来るほどまで女子野球部が増えてきた。



ここまで圧倒的なピッチングの光対策でスピードボールの練習を各高校やってきているみたいだった。



それがどうしたと言わんばかりに、光は普通の投手よりも回転の多いノビのあるストレートと、ツーシームの2つの球種のみを使い、抜群のコントロールでコースに投げ分けてテンポよくアウトを重ねていっていた。



ここまでの福岡県予選でツーシーム以外の変化球を一切投げずに決勝戦まで来ている。



変化球を投げない理由を知るものは誰もいなかった。

監督やキャッチャーの天見さんで聞いてもいつもはぐらかしてばかりだった。



光は笑顔でいつもプレーしていて、野球に対して誰よりも真摯に打ち込み、相手を舐めたり手を抜いたりするような事はなかった。


だからこそ、変化球を投げない理由が分からなかった。


相手を下に見て変化球投げなくても抑えられるという自信でそうしてる訳でもなく、それならなぜ?と対戦相手も味方でさえも疑問に感じていた。




そう思っていたのは身内にもいた。




決勝戦の前日の夜に家の練習場で、バッティングマシーンで軽く打撃練習を終わった光を掴まえて疑問をぶつける事にしたみたいだ。



「おねーちゃんはなんで変化球を試合で投げないの?」



光は一瞬目を丸くしたが、状況がすぐ呑み込めていつものように笑顔に戻って龍の質問に素直に答えた。



「変化球を投げないのは、私が1番になる為なんだよー?」



龍は姉の言ってる意味が全然分からなかった。元々天才肌で且つ、独特な鋭い感覚なところを素直に言葉にするから周りにも理解されないところも多々あるみたいだ。




「なんて言うかなぁ。目指してる所がみんなと違うというか、もっと先の世界にあるから今はストレート系統で、明日勝って全国に行ったら変化球使ってみようかな?絶対に打たれないけどね!」



光がは自信満々に明日の試合を勝って、しかも全国も余裕だって言い張っていた。



龍は明らかに調子乗っていると思われてもおかしくない姉の言葉をなんの迷いもなく受け入れていた。




「明日の試合も見に来るんだぞー?おねーちゃん優勝しちゃうからね!」




いつものようにニッコリと笑って練習場を後にして行った。



そして光は次の日、福岡県大会決勝戦を1ー0で勝利。しかもノーヒットノーランを達成して全国大会へ駒を進めた。



ここまで5試合に登板して全ての試合を完投。



35回投げて被安打3、四死球0、自責点0、失点3で決勝戦含む2試合をノーヒットノーランで勝利。


打者としての成績は19打席12打数10安打3本塁打で.833という打撃でも最高の成績だった。



福岡女子野球大会で投手と打者両方で最優秀選手に選ばれ、全国の女子野球ファンと全国大会で当たる相手チームに大きな衝撃を与えることになった。



そして、全国デビューが決まったのだがこれ以上に光はとてつもないことを成し遂げていくのであった。


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