プロローグ 暗闇の中で光る希望
プロローグ 暗闇の中で光る希望
The hope shining in the darkness
「ヤバいことになっちまったな……」
暗闇に染まる地下シェルターで、俺は腕を組みながらそう呟いた。
発電所が破壊されたため、この都市が光を失っている。予備電源のおかげで、かろうじて周りが見えるようになるが、それが切れるのも時間の問題だ。
壁にあるパネルが、無情にもカウントダウンを進めている。残された時間は、あと50時間しかない。
「くそっ、一体どうすればいいんだ!」
策が思い付かない軍服の女性が、怒りに任せて机を強く叩くが、ただの無駄口にすぎなかった。
「もしこんな時に、魔法が使える人がいたらなぁ……」
力尽きた菜摘は、適当にそう呟いた。その言葉に、俺は思わず目を丸くする。
「そうか、もしかしたらあいつらに頼る時が来たのかもしれない……!」
「えっ、それってエンタジア大陸のみんなのこと?」
「ああ、その通りだ。ここまで来たらそうするしかないだろう」
座っている俺は椅子から立ち上がり、軍服の女性に声をかける。
「なあ、プロテクトカプセルはまだ使えるか?」
「使えるかと言えば使えるが……一体何をするつもりだ?」
軍服の女性は困惑の目で俺を見つめる。どうやら彼女はまだ、俺の作戦を知らないだろう。まあ、無理もないか。
「聞いて驚くなよ。ここから先は、すげえどんでん返しを巻き起こす時間だ!」
俺は得意げにそう言うと、かつて一緒に戦っていた仲間たちのことを思い返す……