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ソードワールド2.0リプレイ 賢者の書架  作者: 見倉 茂
第一章 記憶が眠る学び舎
15/17

1-12 古き学び舎~地下大書庫・神々の末裔~

 金曜日に上げるつもりだったのに間に合わなかった……

 前話(1-11)は追加部分があります。見終えてない人は戻って確認してくださいね。

リャーチャ:尋問したい尋問しなきゃ!

テンクール:やったぞー!

GM:さて、ちょっとくらいなら会話できるよ?

シュウ:生きてるんやったら、聞きたいこともあるんやけど……

リャーチャ:通訳しましてよ?

GM:えーっと、ちょっとまってねー。(リアルで時計確認し)1分間は生きているので、会話できます。


テンクール:オレは聞いたから話していいぞ?

シュウ:俺から聞きたいのは一つだけ。「冥土の土産に教えてくれや……ルミはどこにいる?」

リャーチャ:何しにきた。

GM:後はないかな?

リャーチャ:目的何?

GM:(リャーチャの質問がすっごい端的だなぁ……)1分経ったので、終わり。

フクス:「さぁね? 私のような下っ端には伝えられてないからね。キミの妹君の場所は知らないね」

シュウ:「せやろな。」

フクス「ちょっとした探し物さ。目的は……(にやりと笑って)言うのは面白くないから言わないでおこう」 そう言って剣を砕く。

リャーチャ:「死ぬなーですわ!!」(ドレイク語)

GM:剣を砕いたドレイクナイト・フクスの体は“魔力を帯びて燃え出す”よ。10秒も立たずに燃え尽き、灰も虚空に散っていく。


シュウ:「いらん事言いおって、はぁ……お前さんたちには言ってなかったが、実は俺には『蛮族にさらわれて生き別れになった妹』がいる。あいつが妙に俺に対して攻撃してたのもその関係や」

リャーチャ:静かに聞いてよう。

テンクール:「あれ、そういえば俺も伝えてなかったか?」

GM:(GMは飴をなめて。のんびりしている)

シュウ:「テン、黙っててすまんかった。同じ蛮族かも分からんかったから、話してなかったんや」

テンクール:「いや大丈夫だ、あまり気にするな。それに俺は最終的にあいつに会えればいい」

シュウ:「目的は同じって事が分かったから、まぁこれからもよろしゅう頼むわ」


シュウ:てな訳で剥ぎ取り……フクス燃えとるけど、剥ぎ取れるんか?

GM:ロールプレイも盛り上がってますが、ここで冒険者+精神ボーナスで判定をどうぞ。あ、リャーチャは問答無用でファンブルね? 剥ぎ取りは後でやるので待ってください。

リャーチャ:あ、これあれかな。

シュウ:あれやろ。

テンクール:あれだろ。


 全員が判定の前にすでに気づいていました。察し良すぎです。なお、判定は全員成功。


GM:うん、じゃあ3人には天の声が聞こえる。(リャーチャは除く)

天の声:『ひとまずはお疲れ様と、今は言っておきましょうか』

リャーチャ:ぴすぴすぴすぴす。

天の声:『真実の一端を知りたいのなら、こちらにおいでなさい』

GM:で、エレベーター制御装置の、下の階に降りるボタンがぼんやりと光り出す。


シュウ:ええと、そしたら、預けられた聖印を見るで。

GM:2つの聖印はぼんやりと光っている。リャーチャのももちろん。ただし、リャーチャには見えない。

リャーチャ:ぴすぴす。

シュウ:そしたら「……呼ばれとるようやな。あ、リャーチャ」

リャーチャ:「なんですの? みなさん急に黙り込みましたけど」

シュウ:「見えとらんやろうけど、聖印が今光っとるで」

テンクール:「だな」

リャーチャ:「え? 光ってなんてませんわよ?」

シュウ:「で、そこの機械? の下ボタンも光っとる」

リャーチャ:「何言ってるんですの?」


GM:たぶん、リャーチャのが一番ピカピカ光ってる。(GMの悪ノリ)

リャーチャ:「え?」(混乱)

シュウ:「なんや、真実が知りたければ来いっちゅうことや。どないする?」

シュウ:「多分、聞こえへんやろうけど」

リャーチャ:「え?」(困惑)

GM:では、下の階に行きますか?

リャーチャ:「ええー?」

シュウ:俺は行くで。

リャーチャ:「どこに? なんで?」よくわからない。

シュウ:「うん、まぁとりあえず下行くでー」

テンクール:「いくぞー」

シュウ:(ウサギは放置するスタイル)

テンクール:(ウサギは持ち上げるスタイル)

アシュリー:(ウサギはナデナデするスタイル)

リャーチャ:ぴすぴす。

GM:では、アシュリーがぽちっとな。


GM:では地下2階の様子。魔動機で作られた灯りがほんのりと辺りを照らしています。地下深くまで続く空間には、はるか下まで本棚や保管棚が連なって見える。棚に沿うように回廊が配置されており、螺旋を描きながら地下へと下って行っています。

シュウ:「あいつらの目的は……ここか?」

GM:ちょうど1階分くらい下ったところで円形のフロアに到達します。そして、そこには1冊の本がふんわりと浮かんでいる。

シュウ:どんな本やろ?

GM:その本が勝手にバラバラ~ッと開いて、1人の女性が現れる(転移的なイメージ)。あ、これは実体なのでリャーチャにも見えるで。

シュウ:実体? 投影的なアレじゃなくて?

GM:実体です。

リャーチャ:(顕現か)

女性:「よく来てくれました、皆さん。蛮族を退けていただき、助かりました」

GM:あ、この人の事を知りたかったら魔物知識判定をどうぞ。


 この魔物知識判定はまさかの全員失敗、セージ持ちなら成功の目は十分にあったのですが……とはいえ、こんな時のためのゲストNPC。必要な情報はアシュリーを経由して情報を提供します。

 今回登場させたNPCはオリジナルの魔物「“星紋の観察者”ゾディアック」、ティダン・シーンの使者です。データ的には10レベルの封印形態と、20レベルの本気形態を持っています。


シュウ:(とりあえず片ひざついて)「これは……失礼いたしました」

リャーチャ:「神って存在したんですのね、本当に」

ゾディ:「あ、そういうのは良いよ。面倒だし」

テンクール:(跪いておくかな)

シュウ:「(ドスの利いたニコニコ顔で)リャーチャ、今は黙っとけな」

ゾディ:「さてと……私が知っていることは多いのだけど、まずはそちらが知りたいことから答えてあげるのが筋かしら」

シュウ:(軽っ)

GM:何が聞きたい? って感じで小首をかしげます。


シュウ:「あ、そうなん? ええと……多分な、リャーチャが知りたがっていた事は知っとる可能性が高いと思う。つまり、フクスたちの目的な? ただ、俺やテンの知りたい情報までは、どうやろね?」

リャーチャ:「あ……ええ。それは知りたいですわ。」

ゾディ:「うん、彼らの目的はこの本だね」 と最初に浮いていた本をひょいっと見せます。

リャーチャ:「それは何の本ですの?」

ゾディ:「これは“星紋の魔導書”。星々の動きさえも操る魔術を記載した本よ。たぶん、そちらのタビットのお嬢さんは読めるわね。使えないだろうけど」

リャーチャ:「この本をあの蛮族は求めてましたの?」

GM:で、データを公開。

リャーチャ:「失われた魔法体系……こんなの聞いたことありませんわ!」ぱらっと読んで伝えた体

GM:ゾディ:「だって、私しか使えない魔法だし? 他の人が使えるように頑張って書いていたのがこれよ」

リャーチャ:「確かにこれは蛮族が欲しがってもおかしくありませんわ。」


シュウ:「封印指定の意味がなんとなく分かったわ……バロネスはあんたも含めてここを封印したんかね?>アシュリーさんに」

ゾディ:「それはあるわね。あいつらの本当の目的につながるし、話せば長くなるけど、良いかしら?」

シュウ:「ん? あいつらの本当の目的……って何か知っとるんか?出来れば、教えて欲しい」


 始まりは魔法文明時代の中期。過去のザルツ地方に群立していた諸王の中に、ドレイクの魔法王がいました。ザルツ地方の統一を目指していた王ですが、人族には圧政を強いていました。圧政に耐えかねた人族は立ち上がり、その中心人物となった人間が魔法王を討ちます。その彼こそが、シュウの父が使う剣術、「魔装剣・ヤークトフント派」の開祖です。

 しかし、蛮王は最後の最後に、側に置いていた人族の女性に魔術をかけます。自分が復活する鍵とする魔法を。その奴隷の血を引くのが、シュウの母親の血筋です。血は絶えず残り、各種族に薄く広がったり途絶えたりしつつ今の時代まで残っています。テンクールの幼馴染も傍流の隔世遺伝、直系はシュウの妹、ルミになるのです。

 さて、ヤークトフント派と蛮王の血縁者の戦いは、王が倒された後も続きます。各地に散った蛮王の血縁者はフクスの氏族として王を復活されるために動き、対するヤークトフント派は、彼らを討つために旅をすることを強いられます。フクスの氏族は彼らを敵として憎み、狙うので定住ができなくなったのですね。

 そして、シュウの父親と母親の代になって……おおよそ30年ほど前のこと、シュウの父親がザルツ地方を訪れた時、シュウの母親がフクスの氏族にさらわれる事件が起きました。


シュウ:その時にルミも一緒にさらわれた感じやったっけ?(GMに確認)

GM:いや、まだうまれてねーよ! 助けて恋が産まれる系だよ!

シュウ:そっちやったか!


 既に狙われることが判り切っている2人、母親も何だかんだで魔法使いとして優秀でしたので一緒に旅をすることになりました。そしてシュウが産まれ、その後にルミが産まれるのですが、ナイトメアである妹を産んだ母親は産後の肥立ちが悪く、旅を続けるのは厳しい状況になります。父親には当時、敵対していた蛮族がおり、彼女の元にいると逆に危険でした。

 ですので、友人で会ったニールダの神官に彼女と子供2人を預け、討伐の旅を続けることになりますが、妹は父親が旅立った数週間後にさらわれ、母親はそのショックとそれまでの体調不良が合わさって亡くなってしまったと。


シュウ:(最後のやつだけ中の人が知ってた)

GM:で、星紋の魔導書を狙う理由ですが、星宿が整っていないと復活の儀式が行なえないんですね。最後にあったのが30年前。

リャーチャ:クトゥルフ勢に動揺が広がった瞬間!

シュウ:せ、星辰と星宿やから全然違うで(動揺)

テンクール:そうだ奴らが出る事なんてありえない!

GM:次に合うのは120年後なのですが、鍵を手に入れたフクスの氏族は待ちきれず、星の動きさえ制御する魔法、星光魔法を手に入れるために、この遺跡を襲撃したのです。(そしてスルーを続けるGM)これが今回の顛末です。


ゾディ:「あー、長かった。あ、お茶飲む?」

シュウ:「お、おうお疲れさん。(軽っ) まぁそれはそれとして、アシュリーさん」

アシュリー:「はい、どうしましたか?」

シュウ:「俺らが出来る範囲として、本と、このゾディアックのお嬢さんは、ここにずっといるとしたら、フクスの氏族に狙われ続けることになる」

ゾディ:「というか、ここに所蔵されている物品は蛮族垂涎の品ばかりよ?」

シュウ:「せやから、この本をここから厳重に警備できる場所……例えば、バロネスの手元とかに、移動させる方がええと思う。」

リャーチャ:むしろ賢者だってここにこもりたいと思うレベル。


ゾディ:「あー、それならお願いがあるのだけど、いいかしら?」

シュウ:「綺麗なお嬢さんの頼みは、全部聞くで?」(にこにこ

リャーチャ:きしゃお。なんかよからぬ気を感じた。

ゾディ:「バロネスって、ミレイユの事でしょう? この手紙を彼女に渡して、“この本を本来持つべき者”に渡すように依頼してもらえないかしら」

シュウ:「その程度やったら……依頼達成の報告もあるし、出来ると思うで」

GM:ゾディ:「あ、後はそこのタビットさんとミレイユの曾孫さん? 写本を渡しておくわ」

リャーチャ:え? ええ?

ゾディ:「大丈夫よ、ただの読み物だから(にこり)」

シュウ:「いやー、写本は……どうやろ、確実に持ってたら狙われるで?」

GM:ゾディ:「あら、なんのことかしらー?」 あからさまな目を逸らし

リャーチャ:え、心揺れる。

シュウ:「わぁった。どうせお嬢さんが作っとるんやろ? 4レベルまでにしとき。」

ゾディ:「使えるようには出来るけど、4レベルまででもGMが困るのよね」

シュウ&テンクール:メメタァ!

GM:まぁ、使えるようにしましょう。


シュウ:「万が一、奪われたときのリスクを考えれば、4までなら何とかなるんや(中の人)」

シュウ:(正直4もかなりきつい)

ゾディ:「あぁ、写本を作れるのは私か本体だけで、作るには持ち手と紐づけできるから」

GM:基本奪われないと断言しておく。

リャーチャ:でもこれで狙われれば、あちらに近づくの簡単になりますわ。むしろ来てくれるんですもの、そのほうが楽でしょう? テンクール。

テンクール:「楽だが辛いぞ」

シュウ:「奪われなくても狙われるやろ?そこのウサギはまだしも、アシュリーさんは守れへんで、俺ら」

ゾディ「あら……ミレイユの直系がそんなに弱いわけないじゃない。それに本気も出してないでしょう? ゴーレムもファミリアも召喚していないし」

GM:それに対してはアシュリーは返答せずににこりと笑うだけですね。


シュウ:「(さらっとひ孫とか言うてたしな)せやけど、俺の身内の問題を、そこまで飛び火させたくないねん」

リャーチャ:シュウさん、違いますわ。あなただけの問題ではありませんもの

ゾディ:「その辺はあなたの好きになさいな。そこの子たちがどう思っているかはさておいてね。ここはまぁ……ミレイユがやりたいようにやるでしょうね。前の子が来た時に、ここを学園都市にしたいとかほざいてたし」

シュウ:「せやから、写本は作るにしても1冊にしといてくれや。もうこれ以上、俺の目の前で女性を無くしとうないねん……」

ゾディ:「あら、そう? じゃあ、どっちがこの本を欲しいかしら?」

リャーチャ:下さい。

シュウ:「リャーチャは俺とテンが必ず守る。せやからアシュリーさんは、堪忍してくれ」

テンクール:「まあそれが一番かねー」

アシュリー:「まぁ、かまいませんよ。でも……」 ここで一呼吸おいて


アシュリー:「私を除け者にするのは許せませんね」 殺気をふわりと纏う。

シュウ:「(にこにこしながら)せやけど、ずっと俺らのパーティにいられる訳やないやろ?」

アシュリー「そうですね、パーティとしてなら一緒には無理ですね」

シュウ:「バロネスから頼まれたのは、あくまでも『今回だけの』サポートや」

アシュリー「では、護衛として“私が”皆さんを雇えばどうですか?」

シュウ:「(にこにこして)せやねぇ、それやったらこっちは断らんね……」

テンクール:「シュウ負けたな」肩をポンと叩く。

シュウ:「せやけど……(いたずらっぽい笑みで)俺らは、高いで?」と、右手を差し出します。

リャーチャ:「アシュリーさん、一緒にこの本の研究できますわね!」

アシュリー「(にこり)では、詳細は大おばあ様を交えて。よろしくお願いしますね」 握手を返します。



~シナリオEND~


◆ドロップ

武器(30G/黒白B)×2

意匠を凝らした武器(150G/黒白A)×3

紋様の刻まれた武器(600G/黒白A)×1

通辞のピアス≪妖魔語≫

光のアミュレット

魔晶石(9点)

剣の欠片×9


◆経験点

1340点


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